エビス大会第5、6戦 単走は蕎麦切広大選手、追走は横井昌志選手が連勝

レポート ドリフト

2026年10月13日

コースレイアウトを大幅に変更して開催された日本ドリフト選手権エビス大会。7月開催のD1ライツで採用された新レイアウトがD1グランプリでも使われることとなり、ストレートからの高速進入で迎える1コーナーをいかに攻略するかが大きなポイントとなった。単走部門は蕎麦切広大選手、追走部門は横井昌志選手がそれぞれ2連戦を制した。

2026年JAF日本ドリフト選手権 D1グランプリシリーズ Rd5/Rd6 エビス大会
開催日:2026年9月26~27日
開催地:エビスサーキット西コース(福島県二本松市)
主催:株式会社サンプロス

 今回のエビス大会はエビスサーキット西コースを逆走するかたちで、中央にクロスポイントを追加したレイアウトを採用。“スピードを乗せてコーナーのアウトゾーンへ飛ばす”というD1GPらしさを強めた設定となった。

 コースの周囲を観客席が囲むことでスタジアム感が増し、観戦環境が向上。また、コースの勾配による荷重変化も攻略の難しさを高めた。高速域からの進入と大きな荷重移動が連続するため、駆動系やタイヤなどマシンへの負担も大きくなることが予想されるコースとなった。

 単走予選は天候による路面コンディションの変化を考慮し、第5戦/第6戦ともグループの順位によって追走トーナメント進出者を決める方式を採用。A~Dの各グループの上位6名が追走トーナメントに進出し、そのうち上位2名はベスト16からの出走となる。追走トーナメントはベスト24で争われた。

観客席は拡張され、コースの周囲に設けられた。スタジアム感が増し、迫力あるドリフトが一望できる。
スタート地点からセクター2のゾーン1を臨む。セクター1への進入速度は、ドライで110~120km/h程度、ウェットではそこから20km/hほど低下する状況だった(左)。ゾーン1のアウト側にはスポンジバリアを設置して安全性を確保。ギリギリを攻めてクラッシュが続出することを避けるため、ゾーンはD1ライツ開催時よりもイン側に配置された。
コースはエビスサーキット西コースを逆走し、中央にクロスポイントを追加。D1GPらしさを強めたレイアウトを設定した。

第5戦

単走部門

 第5戦は朝から雨が降り続き、単走はヘビーウェットコンディションとなった。前日の公式練習での路面はドライだったため、各選手は苦戦。そんな中、筑波の第3戦ではウェット路面で単走優勝を飾った蕎麦切広大選手が、ここでも強さを見せつけた。

 蕎麦切選手の得点は91.14点。90点台に乗せたのはわずか3名だけで、16位は86.45点、24位は84点台。非常に難しいコンディションだったことの証左と言える。

 グループ内順位による選抜方式では、出走グループによって同じ得点同士でも明暗が分かれた。Dグループは上位陣の得点が高く、87点台をマークした選手でもグループ内の上位6名に入れないケースが発生。笹山栄久選手や川畑真人選手ら、実力者も追走トーナメント進出を逃す結果となった。

第5戦単走部門優勝は蕎麦切広大選手(SHIBATA RACING TEAM)。
前戦でダメージを負ったマシンを修復するとともに、セットアップを見直してきた蕎麦切選手。トヨタ・GR86の戦闘力向上を証明する結果となった。

追走部門

 追走トーナメントはベスト24で争われた。各グループの上位6名が追走に進出し、そのうちグループ内上位2名はベスト16からのシードとなる方式だ。シリーズランキング上位の5名はこのシード枠に入ることに成功し、決勝を優位に進めるかたちとなった。

 ベスト8では横井昌志選手と中村直樹選手が対戦。横井選手が勝ち上がると、準決勝では蕎麦切選手との対決を制した。もう一方の準決勝は松山北斗選手と中村龍選手の対戦となり、中村龍選手が決勝へ進出する。

 決勝は劇的な幕切れによって勝敗が決した。1本目、先行した横井選手は1コーナーへの進入でオーバースピードとなり、ゾーン1では4輪ともコースアウト。そこに合わせた中村龍選手も、スポンジバリアで減速した横井選手に接触。

 この瞬間だけを見れば、中村龍選手が大きなアドバンテージを得る可能性があった。しかし、衝撃によって中村龍選手のマシンは左リアタイヤがホイールごと脱落。中村龍選手は走行不能に陥り、このまま2位に終わる。横井選手のマシンもリアスポイラーが損傷した状態だったが、そこから残りを走り切ってフィニッシュし、横井選手の優勝が決まった。

 3位は準決勝で横井選手に敗れた蕎麦切選手。単走優勝ポイントと合わせ、22ポイントを獲得した。

第5戦追走部門優勝は横井昌志選手(Mind Control Racing SHIBATIRE)。
「路面の水捌けが良くなっていた場所もあって、想定以上に加速力があり、オーバーランしてしまいました」と振り返った横井選手。
2位は中村龍選手(TEAM DRIFT STAR WORKS)、3位は蕎麦切選手(SHIBATA RACING TEAM)。
第5戦追走部門表彰の各選手。2位の中村龍選手はタイヤが脱落したことについて協議団が審議中のため不参加。

第6戦

単走部門

 第6戦の単走開始時は、ほぼドライコンディション。しかし、コース路面が乾いた直後ということもあり、路面状態の変化が大きいことが予想されたため、前日に続いてグループ内順位による選抜方式が採用された。

 先に98点台をマークして暫定トップに立っていた中村直樹選手を、Dグループ出走の蕎麦切選手が98.44点で上回る。これで蕎麦切選手は第5戦に続く単走連勝を挙げ、単走シリーズランキングでも首位をさらに固める結果となった。

第6戦単走部門優勝は蕎麦切選手(SHIBATA RACING TEAM)。
単走ランキングは第5戦で目桑宏次郎選手を抜いて首位に立ち、第6戦でさらに12ポイントの差をつけた蕎麦切選手。

追走部門

 ベスト16での注目カードは、前日の決勝戦の再現となる横井選手対中村龍選手だったが、中村龍選手はマシントラブルに見舞われ、ここでも横井選手が勝利。横井選手がベスト8へ進出した。

 ベスト8では横井選手が松山選手と対戦。先行した1本目にオーバーランで大きく不利になったものの、後追いで驚異的な接近を見せて逆転した。続くベスト4では、ベスト24からのバトルでタイヤの摩耗が進んでいた玉川艶哉選手を破って決勝に上がる。

 対する相手は、玉川選手と同じくベスト24から勝ち上がり、初の決勝進出となる粂哲也選手。プライベートでは同じドリフトチームに所属する先輩・後輩の関係で、粂選手が大先輩の横井選手にどこまで食らいつくかが注目された。だが、粂選手のマシンはこの日の途中からクラッチトラブルを抱えており、屈指の加速力を誇る横井選手に追従するのは難しい状況だった。

 結果は、横井選手が第5戦に続いて優勝。これで前戦の筑波から追走部門でシリーズ4連勝となった。

 なお、3位は中村直樹選手だったが、準決勝でタイヤのビードが外れたため、D1GPシリーズ規則の7. 参加車両 2)タイヤ要件 ⑦と12. 大会順位の決定により、大会ポイントはゼロとなった。これにより、シリーズランキングでは首位の横井選手が130ポイント、2位の蕎麦切選手が112ポイント、3位の中村直樹選手が87ポイントとなった。

D1GPシリーズ規則

7. 参加車両
2)タイヤ要件

 ⑦競技走行中に衝突等とは無関係にリアタイヤがビード落ちしたと判定された場合は、理由の如何に関わらずその走行の得点を無効とする。

12. 大会順位の決定
 本シリーズでは、本規則10.8)により競技不能となった場合を除き、追走決勝の成績により大会順位を決定する。再車検時の車両規定不適合、7.2)⑥に該当するタイヤのビード落ちがあった車両の競技者であっても、競技が終了している場合には審査委員会が順位無効としない限り当該大会での順位は認定される。

第6戦追走部門優勝は横井選手(Mind Control Racing SHIBATIRE)。
第3戦筑波大会から4連勝を挙げ、絶好調の横井選手。
2位は粂哲也選手(TEAM BUZZBREAK DRIFT)、3位は中村直樹選手(TEAM VALINO WORKS)。
第6戦追走部門表彰の各選手。

PHOTO/SKILLD、小竹充[Mitsuru KOTAKE] REPORT/SKILLD、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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