松居寿來選手が圧勝Vで地方カート選手権 FS-125/X30 もてぎシリーズ王座を確定

レポート カート

2026年10月15日

地方カート選手権 FS-125/X30 もてぎシリーズの第4戦が10月11日、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎ北ショートコースで開催。松居寿來選手が圧倒的な速さで優勝を飾り、最終戦を待たずにチャンピオンを確定させた。

2026年JAF地方カート選手権 FS-125/X30 もてぎシリーズ 第4戦
2026もてぎカートレース 第5戦

開催日:2026年10月11日
開催地:モビリティリゾートもてぎ北ショートコース(栃木県茂木町)
主催:ホンダモビリティランド株式会社

 2026年の地方カート選手権もてぎシリーズは、全5戦中の第4戦を迎えた。この選手権は2026もてぎカートレースのFS-125/X30にタイトルがかけられたものだ。この日は地方選手権のほかに、もてぎカートレースとして3クラスのYAMAHA KT100SECエンジン・ワンメイクレースと、4クラスのROTAX125MAXエンジン・ワンメイクレースが同時開催され、総参加台数は129台に達した。

 決勝日は快晴。早朝は秋本番らしい冷え込みだったのだが、昼が近づくにつれて日差しは夏を思わせるようなまぶしさになり、Tシャツと短パンでも汗ばむような陽気の下でレースが行われた。

地方カート選手権 FS-125/X30 もてぎシリーズを含め、合計8クラスで開催。エントリーは全129台と、全日本とは違った様相を見せた。

地方カート選手権 FS-125/X30 もてぎシリーズ

 地方カート選手権の出走は17台。エントリーリストには全日本カート選手権 OK部門で活躍するドライバーの名前も複数見受けられる、レベルの高い一戦だ。目下のポイントリーダーは第2戦と第3戦のウィナーである松居選手。ここまで65点を挙げている松居寿來選手には、この大会の結果次第で第5戦を待つことなくチャンピオンを確定させる可能性がある。

 ほかにチャンピオンの権利を有しているのは菊池貴博選手(55点)、三村壮太郎選手(49点)らエントリー締切時点で9名。松居選手は今回優勝すれば、ほかの選手の結果に関わらず戴冠確定だ。ただし、松居選手は第5戦を欠場するかもしれないとのことで、何としてもこの大会でタイトル争いを終結させてしまいたいところだ。

 そんな大事な一戦で、松居選手は最高の出だしを見せた。5分計測のタイムトライアルをたった2周のアタックで切り上げて、トップタイムをマーク。しかも、そのタイム38秒343は、2番手の飯田一仁選手を0.365秒も上回る速さだったのだ。3番手は岡本紘吉選手、4番手は織田大和選手。タイトル争いのライバルである菊池選手は5番手、三村選手は6番手だ。

 予選ヒートは10周。松居選手は先頭の位置をキープして発進すると、3コーナーまでに後続を3車身近くも後方に追いやり、周回ごとにリードを広げる展開で決勝のポールを獲得した。2番手のゴールは飯田選手。岡本選手と菊池選手はスタートでポジションを下げ、織田選手が3番手、三村選手が4番手でこのヒートを終えた。

 決勝は18周。松居選手はまたも見事なスタートを決め、背後にギャップを築いてバックストレッチに入っていった。松居選手の後ろでは織田選手が2番手に上がったが、3~4コーナーで飯田選手、岡田聖人選手、三村選手がそろって織田選手をパスする。そんな2番手争いにも乗じて、松居選手は2周で1秒以上にリードを広げ、早くも独走態勢に入った。

 やがて2番手の飯田選手は単独走行になり、岡田選手が牽引する3番手争いは6台一列の大集団になった。一方、松居選手は快調そのもの。8周目に唯一39秒を切る38秒981のファステストラップをマークし、折り返し点でリードを約3秒に広げた。

 3番手を競い合う大集団の中で速さが光ったのが、8番グリッドから挽回を図る菊池選手だった。菊池選手はふたつ順位を上げてこの集団に加わると、8周目に織田選手を、14周目に三村選手を抜いて、3番手の岡田選手を眼前に捕らえた。

 終盤に入ってもペースを緩める気配のない松居選手は、ライバルたちをはるか後方へ追いやり、リードを5秒以上に広げてフィニッシュ。チェッカーを受けてから、落ち着いて右手でナンバー1サインを掲げた。これで松居選手は最終戦を残して、自力でチャンピオン確定だ。

 飯田選手は単独走行を続けてチェッカーをくぐり、自己最上位をひとつ更新する2位に入賞。菊池選手は残り2周で岡田選手も攻略して3位に上がり、表彰台の最後の一席を手に入れた。4位の岡田選手に続いて18周を走り終えたのは三村選手。それに織田選手と飯野暁介選手が続き、3~7位の5台が1秒強の中に固まってコントロールラインを駆け抜ける接戦が決着した。

FS-125/X30優勝は松居寿來選手(K.SPEED WIN)。
「決勝はとにかく逃げて勝とうと考えていました。ゴールしたときはすごくホッとしましたね。しっかり優勝を獲れて、3連勝も決めることができて良かったです」と松居選手。
2位は飯田一仁選手(RT WORLD)、3位は菊池貴博選手(K.SPEED WIN)。
FS-125/X30表彰の各選手。松居選手はタイムトライアルでファステストラップを記録して茂木町賞が贈られた。
「優勝でチャンピオンを確定させることができて、とてもうれしいです」と、松居選手が地方カート選手権 FS-125/X30 もてぎシリーズのチャンピオンを確定させた。

 地方選手権と同時開催の7クラスは、いずれも予選10周・決勝15周でレースが行われた。

SLカートミーティング YAMAHA カデットオープン

 今大会最多の30台が参加したYAMAHAカデットオープンは、ポールの鈴木秀弥選手が序盤でリードを広げ、そのまま独走するかと思われた。だが、中盤戦に入ると今川晴太選手が鈴木選手に追いつき、残り5周でトップが入れ替わる意外な展開となった。

 しかし、鈴木選手は焦らず今村選手を先行させると、翌週に抜き返してフィニッシュ、今季3勝目を果たした。逆転勝利にあと一歩まで迫った今川選手は、残り2周でコースを外れてリタイアとなり、悔し涙に暮れた。代わって2位となったのは、大集団の3番手争いを勝ち抜いた小関朱晴選手。それに続いてゴールした吉峯瑛太選手と奥田涼雅選手はペナルティで順位を下げ、内田丈一郎選手が繰り上がりで3位になった。

YAMAHAカデットオープン優勝は鈴木秀弥選手(チームTKC)。
後半に一度逆転されてから、焦らず落ち着いて走ったという鈴木選手。「優勝できてとてもうれしかったです」
2位は小関朱晴選手(ミツサダ PWG Racing)、3位は内田丈一郎選手(RT WORLD)。
YAMAHAカデットオープン表彰の各選手。タイムトライアルでファステストラップを記録した吉峯瑛太選手には茂木町賞が贈られた。

SLカートミーティング YAMAHA SS

 出走25台の盛況ぶりとなったYAMAHA SSでは、ポールから先頭を行く長井大和選手に、強力なライバルたちが次々と襲い掛かる。長井選手追撃の役目を担ったのは、序盤戦は兼田麗生選手、中盤戦は山本祐輝選手、終盤戦は橋口輝明選手。しかし、長井選手は懸命の走りで背後の選手を振り切り、トップのままで15周を走り切った。これで長井選手は開幕戦以来の2勝目だ。

 9月に全日本FP-3部門のチャンピオンを確定させたばかりの橋口選手は、0.066秒差の2位。芳野翔選手は3番グリッドから一時5番手まで下がるも、残り3周の2台抜きで3位に戻って表彰台を手に入れた。

YAMAHA SS優勝は長井大和選手(AKIGASE KART CLUB)。
もてぎのレースに長年参戦する長井選手はこれが2勝目。「あまり勝った経験がないんで、うれしいですね」
2位は橋口輝明選手(RF AOYAMA)、3位は芳野翔選手(BEMAX RACING)。
YAMAHA SS表彰の各選手。タイムトライアルでファステストラップを記録した速水陽向選手には茂木町賞が贈られた。

SLカートミーティング YAMAHAスーパーSS

 9台が参加したYAMAHAスーパーSS。ポールスタートの前田達也選手には、オープニングラップで3番グリッドから2番手に上がった高田亮選手が襲い掛かる。前田選手はこのアタックを辛くも退けると、2番手に上がった遠藤晴久選手を快調なペースで引き離して独走、今季初優勝を飾った。

 前田選手の後方では、5番グリッドから次々とポジションを上げてきた飯塚誠選手が、中盤に遠藤選手をパスし、引き離して単独走行で2位フィニッシュ。3位には残り3周で遠藤選手を逆転した高田選手が入った。

YAMAHAスーパーSS優勝は前田達也選手(チームオーガスト)。
「クルマの調子が良かったことが勝因だろうと思います。独走していて気持ち良かったですね」と前田選手。
2位は飯塚誠選手(チームオーガスト)、3位は高田亮選手(AKIGASE KART CLUB)。
YAMAHAスーパーSS表彰の各選手。前田選手はタイムトライアルでファステストラップを記録して茂木町賞が贈られた。

ROTAX MAX CHALLENGE MAX Lights

 16台が参加したMAX Lightsでは、3周目の1コーナーで発生した多重アクシデントのため、レースは赤旗により中断。時間を空けて15周のまま決勝がやり直しとなった。

 4台を欠いて12台が参加した再レースでは、加藤伸幸選手がポールスタートの舟橋弘典選手を追い詰め、6周目にトップを奪った。しかし、舟橋選手は加藤選手の真後ろにつけて再逆転のチャンスを探り、9周目にトップを奪還、そのままチェッカーへと駆け抜けた。

 2025年に開催された全国大会でもてぎ北ショートコースのレースに感銘を受けた舟橋選手は今回、中部地方からの遠征でもてぎカートレースに待望の初参戦を果たし、そのレースを勝利で飾った。

 最初の決勝で2番グリッドだった生方潤一選手は再レースに参加できず、加藤選手が舟橋選手と0.584秒差の2位に。加藤選手を僅差で追った菅原伸選手が3位となった。

MAX Lights優勝は舟橋弘典選手(Hiraiproject with Ash)。
舟橋選手は冷静に走ろうと自分に言い聞かせながら、タイミングを見計らって抜き返し、見事な勝利を収めた。
2位は加藤伸幸選手(Racig Square GEN)、3位は菅原伸選手(HRT)。
MAX Lights表彰の各選手。舟橋選手はタイムトライアルでファステストラップを記録して茂木町賞が贈られた。

ROTAX MAX CHALLENGE Senior MAX

 10台のレースとなったSenior MAXの決勝では、アウト側の4番グリッドからスタート直後にインへと素早くラインを移した山岡宗磨選手がトップを奪い、1周で約1秒のアドバンテージを築いた。2周目からはそのリードを後続集団がぐいぐいと削り取り、手塚大雅選手が6周目に山岡選手を抜いてトップに立つ。

 ここから手塚選手のペースはほかを大きく上回り、一気にリードを広げて独走、今季負けなしの4連勝を遂げた。大集団の2番手争いを制して手塚選手の次にゴールした山崎永路選手は、重量不足で無念の失格に。代わってポールスタートの本橋瑞希選手が2位となり、6番グリッドから追い上げた加藤勇人選手が3位に入賞した。

Senior MAX優勝は手塚大雅選手(Zi-ViVreRT)。
「レース展開もうまく味方して、逃げ切ることができました」と手塚選手。「この調子で最終戦も勝ちます」
2位は本橋瑞希選手(brioly racing)、3位は加藤勇人選手(AKIGASE KART CLUB)。
Senior MAX表彰の各選手。本橋選手はタイムトライアルでファステストラップを記録して茂木町賞が贈られた。

ROTAX MAX CHALLENGE Junior MAX

 10台が参加したJunior MAXでは、ポールのLLOYD KAITO選手が素晴らしいスタートダッシュを見せて1コーナーですでに後続を引き離し、そのまま独走を重ねると、リードを6秒弱まで広げてパーフェクトウィンを果たした。ポイントリーダーだった新橋武選手が海外参戦で不在の間に、LLOYD選手は2連勝を飾ってランキング首位に浮上だ。

 LLOYD選手の後方ではスタートで1ポジションアップの芝崎壱飛選手が2番手を走ったのだが、中井星那選手が中盤に芝崎選手のテールを捕らえ、残り2周で逆転に成功。中井選手が2位、芝崎選手が3位となった。

Junior MAX優勝はLLOYD KAITO選手(TEAM EMATY)。
「独走で優勝できて、いい気持ちです」とうれしさをにじませながらコメントするLLOYD KAITO選手。
2位は中井星那選手(KWS Speed)、3位は柴崎壱飛選手(Drago CORSE RMC Racing Team)。
Junior MAX表彰の各選手。LLOYD KAITO選手はタイムトライアルでファステストラップを記録して茂木町賞が贈られた。

ROTAX MAX CHALLENGE MAX Masters

 MAXMastersは参加12台。開幕3連勝の渡邊賢人選手が欠場した一戦で主役を演じたのは、元全日本OKドライバーの綿谷浩明選手だった。綿谷選手は決勝をポールからスタートすると、セカンドグループを2周で1秒弱も引き離して独走を開始。早々に追う者のいなくなったレースでも自身の最速の走りにチャレンジしながら周回を重ね、後続に6.665秒もの大差をつけて今季1勝目を飾った。

 綿谷選手の後方では、2周目に長戸和也選手をかわした丸太恭平選手が2番手争いの集団を牽引していったが、そこに9番グリッドから追い上げてきた渡辺昇選手が接近。11周目の逆転で渡辺選手が2位を獲得した。予選でジャンプスタートのためペナルティを受け7番グリッドに沈んでいたDAISUKE HORI選手も、その翌周に丸太選手をかわして3位入賞を果たした。

MAX Masters優勝は綿谷浩明選手(N・フォース SPS川口)。
セッティングを煮詰めながらのレースだったという綿谷選手。「最終戦はチャンピオンを獲れるように頑張ります」
2位は渡辺昇選手(チームエッフェガーラ)、3位はDAISUKE HORI選手(brioly racing)。
MAX Masters表彰の各選手。綿谷選手はタイムトライアルでファステストラップを記録して茂木町賞が贈られた。

全日本カート選手権/ジュニアカート選手権 チャンピオン

全日本カート選手権およびジュニアカート選手権(ラウンドシリーズ2)でチャンピオン確定の選手たち。FP-3部門の橋口輝明選手(左上)、FS-125部門の織田大和選手(右上)、ジュニア部門の粂川輝空斗選手(左下)、ジュニアカデット部門の渡部慎乃亮選手(右下)。

PHOTO/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/水谷一夫[Kazuo MIZUTANI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

ページ
トップへ