短期決戦の北海道ジムカーナH-PN2、最終戦優勝の大川龍之介選手が初戴冠確定!
2026年10月29日
2026年JAF北海道ジムカーナ選手権の第8戦が9月27日、北海道千歳市の新千歳モーターランド アクティブ・セーフティ・パークで開催された。全8戦の地区戦も今回の一戦が最終戦、今季は後半の第6戦からH-PN2クラスも成立。3戦での短期決戦となったが、そのタイトル争いが最終戦まで持ち越された。
2026年JAF北海道ジムカーナ選手権 第8戦
2026年JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ第8戦
2026年JMRCオールスター選抜 第8戦
スーパースラロームin千歳Rd34
開催日:2026年9月27日
開催地:新千歳モーターランド アクティブ・セーフティ・パーク(北海道千歳市)
主催:NC・A・S・C
当日の朝は小雨が降る中での慣熟歩行となったが、その雨もすぐに止んで第1ヒートが始まる頃の路面状況は、ほぼドライに回復。しかし、いつ雨が降り出すか分からない雲行きの下での争いとなり、クラスによっては第1ヒート勝負になるかと思われた。だが途中、小雨が降るものの路面への影響はなく、両ヒートともドライで競われた。
2026年JAF北海道ジムカーナ選手権 第8戦
2026年JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ チャンピオン部門 第8戦
H-PN1クラス
第7戦を終え、5勝を挙げている米澤匠選手がチャンピオンを確定させているH-PN1クラス。その米澤選手は自身のND型マツダ・ロードスターではなく、帷子浩義選手のロードスターRFを借りてダブルエントリーで参戦。乗り馴れない車両ながら、第1ヒートからクラス唯一1分を切る、59秒411をマークしてトップで折り返す。
Wエントリー前走のため、クラスファーストゼッケンを背負う米澤選手は第2ヒート開始早々、58秒233までトップタイムを更新し、後続ドライバーのハードルを上げる。しかし、第1ヒートは58秒台を刻みながらも、パイロンペナルティで下位に沈んでいた開幕第1戦の覇者、金内佑也選手がノーペナルティで57秒799をマークしてトップに躍り出る。後半ゼッケンに入ると、1分を切ってくるドライバーはいるものの59秒台に留まり、金内選手が逆転で優勝を果たした。
「今年の4月に子供が産まれまして、シリーズは開幕戦以降休んでたのですが、最近少し落ち着いてきたので最終戦は出場しました」と、明かした金内選手は、過去にH-PN1二連覇を達成している実力者。
今季の参戦は2戦のみとなったがいずれも勝利を収め、速さは健在のようだが「久々ということもあり、クルマの挙動を思い出しながらの走行でした(笑)。良くないところは色々とありましたが、2本目は無難に走れました」と、金内選手は最終戦を振り返った。2027シーズンは新たなチャレンジとして、ダートトライアルへの参戦も考えているとのことだ。
そして、三連覇を確定済みだが2位に終わった米澤選手は、「今年は自分の運転を改良したのですが、クルマのパフォーマンスをうまく発揮できませんでした。足回りの仕様を変更するにあたって、うまく要望を伝えられず、いい感じに仕上がってなくて……。良くなる兆しは見えてきたのですが、この状況で最終戦を走ってもイマイチなので、他のクルマに乗ってみようということで、今回はRFを借りて参戦しました」と、タイトルは確定させものの、苦戦したシーズンだったようだ。
続けて「人のクルマに乗ったことで、自分のクルマの良し悪しが分かりましたし、それがヒントになって今後に生かせるのではないかと感じてます。ただ、スポットで全日本(JAF全日本ジムカーナ選手権)にも出ているのですが、今年のPN2クラスのレベルって、とてつもなくエグいじゃないですか(笑)。そのレベルについていけてない、っていうのが現状ですね。そういったことがハッキリ見えたシーズンでもあったので、その反省を生かして来年はもう少し良くなるのではないか、という気がしています」と、総括した。
H-PN2クラス
H-PN2クラスは、ようやく第6戦で初めて成立すると続く第7戦、そして今回の第8戦と3戦成立したことにより、シリーズ成立となった。2戦を終えてポイントリーダーは、35ポイントを獲得している木村司選手。シリーズ2番手には32ポイントで大川龍之介選手、そして27ポイントで川尻尚克選手が3番手につけ、3選手ともにタイトル確定の権利を得て最終戦を迎えた。
第1ヒートで59秒98のトップタイムをマークしたのは大川選手。パイロンペナルティを犯したが川尻選手が2番手、木村選手はミスコースでノータイムと、波乱含みの展開で折り返した。
第2ヒートで川尻選手はノーペナルティでフィニッシュするも、タイムは1分1秒台と逆転ならず。続く大川選手は、パイロンペナルティを犯してベストタイムを更新することができず。このチャンスを生かしたいクラスラストゼッケンの木村選手だが、タイムは川尻選手に及ばず3番手。大川選手が第1ヒートのタイムで逃げ切った。
大川選手は「この(GR)ヤリスは初期のタイプですが、(ガレージシンシアの)小野寺さんに車両の製作をお願いしてとても乗りやすく、現行のヤリスにも勝てるように仕上げていただき、感謝しかないです(笑)」と、語ると続けて「走りに関しては、もう少し頑張ればタイム的にも詰められるところはあるのですが、ひとまず現状で自分の力は出し切れたので、満足してます」と、全3戦のスプリント勝負で2勝を挙げ、H-PN2制覇を確定させた。
H-BC1クラス
今季すでに5勝を挙げ、成瀬悠人選手にタイトルが確定しているH-BC1クラス。最終戦でも、成瀬選手は第1ヒートから57秒881と圧倒的な速さでトップに立つ。
第2ヒートでもこのタイムに迫るドライバーは現れず、ラスト前ゼッケンの宮田祐次選手が1分を切ってくるも58秒台止まり。第2ヒートはウィニングランとなった成瀬選手だが、後半にさしかかったところでパイロンペナルティ。しかし、第1ヒートのタイムで危なげなく優勝を決めた。
成瀬選手は、「2本目はヘボい思いました(笑)。前走のクラスがタイムを上げていたので、(路面グリップが)効くのかな、と思ったのですが、前半が全然効かなくて。後半もそのイメージで早めにハンドルを切ったら曲がっちゃって(パイロン)踏んじゃいました。最終区間はリアがグリップしちゃって、ターンも上手く合わせられなかったですね」と、第2ヒートは手こずったようだ。
「このクラスも台数が少なくなってしまい、勝って当たり前みたいな中で走らなければならない感じでしたが、シリーズ中盤で激しく(クロス)ミッションを壊してしまい部品が中々揃わず、その間は純正ミッションで何戦か走ったりと、結構大変でした(笑)。直ってからは楽しく走れるようになりましたね」と、成瀬選手は満点チャンピオンを確定させたシリーズを振り返った。
H-BC2クラス
H-BC2クラスは、PN2に転向した大川選手とWエントリーで参戦した小野寺俊選手が、早々にタイトルを確定させた。「PN2クラスもつくろうぜ、と僕が働きかけたので、この辺の四駆クラスは色々と責任があるので(笑)。このクラスに関しても出場しなくてはならなかったりと大変ですが、自分自身が一番楽しんでやってます(笑)」と語る小野寺選手、最終戦はGRカローラを駆っての参戦となった。
第1ヒートで1分2秒台のトップタイムをマークしたのは、GRB型スバル・インプレッサWRX STIを駆る笠原康彦選手。小野寺選手は約0.9秒差の2番手につけて折り返す。第2ヒートに入ると、GDB型インプレッサを操る逸見翔吾選手が1分1秒706まで更新してトップに立つ。続く笠原選手はパイロンペナルティを犯してトップを奪い返すことができず。そしてラストの小野寺選手はタイムアップを果たすも、1分2秒台で3位に終わり、逸見選手が逆転で優勝となった。
「まさか優勝するとは思わなかったので、僕が一番ビックリしてます(笑)」と、逸見選手は語ると「競技車に乗るのが2カ月ぶりで、外撮りの映像見たら元気がなく、2本目は『はっちゃけて行こう!』と思って走ったのが良かったみたいです。2本目の方が路温が上がった感触があってクルマの反応も良く、タイムは多少上がるだろうなと思ってましたが、3秒も上がるとは思いませんでした(笑)」と、最終戦で挙げた今季初優勝に笑顔をみせた。
2026年JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ ミドル部門 第8戦
R-ATクラス
R-ATクラスは、1分6秒374をマークした吉原友貴選手が第1ヒートをトップで折り返す。第2ヒートになっても、そのタイムを破るドライバーは現れず。更に吉原選手は1分6秒125までトップタイムを更新し、両ヒートを制するかたちで優勝した。
吉原選手は、「普段は86/BRZクラスに出ているのですが、今回は最終戦ということで、お祭り気分で友達のレガシィを借りて、WエントリーでR-ATクラスに参戦しました」と明かした。加えて「クルマは借り物ですが、タイヤは自分の(ZC6型スバル・)BRZのハイグリップタイヤを装着しました。ハイグリップタイヤの走り方は持ち主よりも知っていた分、有利だったのかな、と思います」と、オーナー破りでの勝因を語った。
そして、今季のR-ATチャンピオンは、トヨタ・アクアで参戦した丸田敦士選手に輝いた。「実は、今シーズン一回も優勝してないんです(笑)。毎回2位か3位。なので、ちょっと恥ずかしいのですが、毎戦出場することができたのが良かったのかなと思います。アクアは100馬力くらいしかないので、全然ダメかなと思ってたのですが、意外とターボ車相手に戦えるところもあったので、来年もアクアで頑張ってみようと思います」と、最終戦もやはり2位でシーズンを締めくくった。
R-Ecoクラス
R-Ecoクラスは、有効105ポイントを獲得した逸見柊選手がタイトルを獲得。「今年ジムカーナを始めたばかりなので、こんなに戦えるとは思ってませんでした」と語るも、優勝3回・2位3回と好成績を収めた。「最初はサイドターンとか全然できなかったのですが、それが後半戦になってちょっとずつ出来るようになってきて、自分なりに成長を感じました」と、ここまでを振り返った逸見選手は、最終戦は2027シーズンを見据えてR-1クラスに参戦。
新王者不在となった今回の一戦、第1ヒートで1分4秒739でトップタイムを刻んだのは田中立行選手。第2ヒートになってもこのタイムは更新されず、ラストの田中選手は更に0.944秒更新し、完全勝利を達成した。
「とりあえず2本目にタイムアップして良かったのですが、細かいところでかなりミスをしてしまったので、そこが残念です」と走りを振り返った田中選手は、シリーズでは逸見選手に一歩及ばず2位が確定。「やはり“若さ”ではないでしょうか(笑)、彼(逸見選手)は踏めるから。僕は守りに入ってしまうところがあるので、その差ですね」と、逸見選手の健闘を笑顔で称えた。
R-1クラス
第7戦を終え、有効110ポイントを獲得している小畑涼介選手がチャンピオンを決めているR-1。今季の86&BRZ王者になった、尾崎光歩実選手がこのクラスにスポット参戦、第1ヒートは1分1秒888でトップタイムをマークする。2番手には約0.4秒差、シリーズでも2番手を争う櫻場遙希選手がつけ、小畑選手はトップから約0.7秒差の3番手で折り返す。
第2ヒートで尾崎選手はタイムダウンを犯し、第1ヒートのタイムで後続を待つことになる。トップタイムをわずか0.062秒差で櫻場選手が更新するも、勝負を決めたのはラストの小畑選手。櫻場選手のタイムを0.304秒更新する1分1秒52で逆転勝利となった。
小畑選手は「1本目は、アンダー(ステア)を出して小さく回れなかったりという失敗があったのですが、2本目は欲張らず、丁寧な走りを心がけました」と勝因を語ると、「シリーズを追うのは2年目です。昨年は3位に終わり、今年はチャンピオンを狙ってたので嬉しいです。開幕戦から三連勝と調子が良かったのですが、4戦目以降、中々勝たせてもらえませんでした。ただ、後半戦になって盛り返すことができたので、良かったです」と、シーズンを振り返った小畑選手。その言葉通り第7戦に続く二連勝で締めくくった。
86&BRZクラス
86&BRZでは尾崎選手が開幕第1戦は優勝を逃したものの、第2戦以降6勝を挙げて今季のタイトルを獲得している。「昨年はシリーズ3位だったのですが、今年は満点でチャンピオンを獲れたので良かったです。今年から車高調を入れたので、セッティングの幅が広がったのが一番の要因ですね」と語った尾崎選手、最終戦はR-1にエントリーした。
R-Ecoと同じく新王者不在となったが、第1ヒートでシリーズ3番手の石田昌輝選手が1分1秒837のトップタイムを刻んだ。2番手には0.016秒差でシリーズ2番手の清水武流選手がつけ、僅差の戦いとなって折り返す。
第2ヒートで石田選手は1分1秒235までタイムを更新してアドバンテージを広げるが、勝負を決めたのはラストの清水選手。石田選手を0.496秒上回る1分0秒739を叩き出し、逆転で勝利を奪った。
清水選手は「今日は、慣熟歩行でイメージした通りに走れたのと、2本目は後半の定常円で突っ込み過ぎてしまったのですが、とっさに引いたサイドブレーキが、良い感じでキレイに速く回れたのが優勝につながったのではないかと思います」と勝因を語ると、「シリーズでは開幕戦で優勝したのですが、その後は2位や3位で、勝ち星を挙げることができなかったのが敗因です」と、今季を振り返った。
R-2クラス
三菱GTOを駆り、今季5勝を挙げている浅野凌央選手が、すでにタイトルを獲得しているR-2クラス。浅野選手は「ターボなしのGTOなので、パワーではインプレッサやランサーに負けてしまうのと、同じクルマで競技をやっている人がいないのでデータがなく、その状況で勝つために足まわりや軽量化、走らせ方を研究して“GTOで速く走る”ということを目標に、ずっと走ってきました。今年はそれが実りました」と語る。
しかし、「ジムカーナを始めてから4年目で徐々にクルマが仕上がってきて、タイヤも用意できるようになり、足回りも自分でセッティングを出してオーバーホールしたので、どんどんタイムも伸びてきて良い感じになったのですが、今回、エンジンが不調で同期のクルマを借りて参戦しました」と、最終戦は三菱・ランサーエボリューションIXでWエントリーした。
GTOで培ったノウハウがランエボIXでも炸裂したか、第1ヒートから2番手以下に1秒以上の差をつける1分7秒037をマーク。第2ヒートでは1分6秒544までトップタイムを更新し、2位でランエボIXのオーナー、西江聡選手を1.843秒上回り優勝を決めた。
「今年は学生最後の年なので、そのシーズンにチャンピオンを獲れて嬉しいです(笑)。これからもGTOを大事に乗っていこうと思います」と、最終戦で満点チャンピオンとなった浅野選手は笑顔で語った。
Fクラス
クローズド部門のチャレンジクラスには、4つのクラスが設けられた。Fクラスは、ロータス・エキシージで参戦した往年のドライバー、中村憲通選手が第1ヒートはパイロンペナルティを犯しながらも2番手につけ、第2ヒートは1分1秒257でトップタイムを記録した。
「老後の楽しみに去年、エキシージを買いました(笑)。楽しく走りつつ、北海道地区のレベルアップに貢献したいのですが、下手過ぎてあまり役に立ってないみたいです。老害にならない程度に頑張ります(笑)」と、言葉から地元愛が溢れた。
RBK-1クラス、FU1クラス、FU2クラス
自然吸気エンジンを積む軽自動車が対象のRBK-1クラスはダイハツ・ミラ使いの一騎討ちとなり、佐々木真司選手が制した。“道学連”こと北海道学生自動車連盟所属の自動車部員が対象となるFU1クラスは山本陽晴選手が、道学連以外の自動車部員が競うFU2クラスは、武藤和志選手がタイムを残した。
PHOTO/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



