ダートトライアル入門講座
ダート走行には高度な安全装備が必須
JAF公認のダートトライアル競技会に出場するためには、国内Bライセンスを取得する必要があります。全国各地でおこなわれているBライセンス講習会を受講するだけで、申請する資格を得られます。また、JAF公認の競技会の中には、オーガナイザーであるJAF登録クラブ・団体に所属するメンバーだけが出場できる、クローズド格式の競技会もあります。この競技会には国内Bライセンスがなくても出場できるので、ダートトライアルを体験してみたい人は、こうした機会を利用することも一つの方法です。
ダートトライアルに出場するためには、安全装備を施した専用車両を製作または入手する必要があります。滑りやすい未舗装路を走るスポーツは、常にクラッシュやロールオーバーのリスクが伴います。そのため、ロールケージと呼ばれる乗員保護部材はどのレベルの大会でも装着が必須とされ、万が一の事態に備える必要があります。
トップドライバーの走りを体験しよう
ダートトライアル出場には、安全装備を施した専用車両を用意する必要があります。ロールケージの装着は必須で、車体下部を保護するアンダーガードや、不整地の急な突き上げにも耐えるサスペンション、滑りやすい路面でも掻き進めてくれるダート専用タイヤなど、ダート走行に特化した専用装備がたくさん市販され、レベルに応じて装着されています。
ダートを走りたいと思っても、車両製作の時点で挫折する人も多いと思います。それでも、まずは体験してみたいという人には、モータースポーツショップやダートトライアルコースが主催する練習会や走行会に訪れて、上級者に同乗走行を体験させてもらうという方法もあります。もちろん、参加者や主催者に直接交渉する必要があります。また、初心者向けの競技会やイベントには、レンタル車を用意している場合もあるので、モータースポーツショップやダートトライアルコースが発信するイベント情報をチェックしてみましょう。
ダート走行に特化した「改造車」
ダートトライアルに参加するクルマの中で「改造車」の存在は独特です。多くの選手は高度な安全装備を施したナンバー付き車両で参加していますが、中には、かつてのFIA世界ラリー選手権(WRC)で一世を風靡したグループBマシンを彷彿とさせる車両で出場している選手もいます。近年では、最も改造範囲が広い「D車両」が注目を浴びています。
軽量化や高出力化が施されたダートトライアル専用のD車両は、見た目やサウンドだけでなく、ナンバー付き車両をはるかに凌駕するスピードが見どころです。運転操作に大きく影響する軽量化を自由におこなえるため、「いつかはD車両で、自分の理想の走りをしたい」といった思いを持って出場し続けている選手も少なくありません。