ラリー観戦ガイド

「ギャラリーステージ」で迫力の走りを

国内ラリーはスペシャルステージラリーが一般的になってきました。それと同時に「ギャラリーステージ」と呼ばれる、観客が安全に観戦できるエリアも設置されてきています。

かつてのラリー映像などで見かけた、走行中の競技車両に観客が近付くような行為はご法度で、国内ラリーでは、観客は十分に安全が確保された指定エリアから観戦することになっています。また、コースオフした競技車両を観客が押し出すような行為も、「スペシャルステージにおいては、いかなる援助(自車のクルー2名以外がおこなうもの)を受けることも禁止される」という規則により、明確に禁止されていますので注意が必要です。

本格的な林道セクションの観戦ができるラリー競技会は、ほぼ全日本ラリー選手権に限られています。諸事情によりギャラリーステージを開設できない場合もありますので、大会公式ホームページなどでオーガーナイザーが発信する情報を逐一チェックしましょう。

ラリーによっては登山並みの装備も

ギャラリーステージが設定される場所は、指定の駐車場から徒歩で山間部を歩いて移動し、携帯電話の電波も届きにくいエリアに設定されることも珍しくはありません。そのため、ハイキングや簡単な登山ができる程度の装備が必要で、なおかつ、不整地を踏破できる体力も求められます。大規模なラリーになれば、シャトルバスが運行されることもありますが、手持ちの装備だけで長時間を過ごす状況となるため、一定の覚悟が必要になります。

想定される装備としては、雨具や防寒具を基本として、山歩きができるシューズ、日照を避けられる帽子、樹木や枝を触れる手袋などは必携です。また、ラリーでは長い待ち時間が生じることもあります。時刻を把握するための時計や、ある程度の食料や飲料水などに加え、万が一、怪我をした場合に応急手当ができる用具もあった方が安心です。

もちろん、観戦場所の周辺には係員が常駐しているので、万が一の際には係員やオーガナイザーが救急対応にあたってくれますが、そもそも人里離れた場所であることが多いので、観戦する側には、基本的には自分の身は自分で守るといった意識を持つことが大切です。

一定の等間隔でスタートするラリー

ラリーは1分程度の等間隔で1台ずつ順番にスタートします。ギャラリーステージでは、競技車両が一定の間隔で駆け抜ける姿が観られるでしょう。その際には、車両の両側に貼られたゼッケンと、大会公式プログラムなどを照合して、誰が通過したのかを判別します。規模の大きなラリーでは、ギャラリーステージに実況アナウンサーが設置される場合もありますが、特に、携帯電話の電波が届かないようなエリアでは、ギャラリーステージにいる実況アナウンサーも目視による確認がベースとなります。

そこでぜひ試して欲しいのは、前の競技車両の通過時刻と、次の競技車両の通過時刻の比較です。国内ラリーは1分間隔でスタートすることが多いので、ステージ途中にある観戦場所でも、前走者と次走者の通過時刻の差は1分になるはずです。ですが、現実的には前走者と次走者の間隔が1分を超えたり、短かったりします。前走者のすぐ後に次走者が走ってきた場合は、次走者がもの凄く速いタイムで追い上げている、または、前走者が途中でコースオフしたか、何かトラブルを抱えているか、といった状況が類推できます。

このように、自分が出会った目撃情報の積み重ねが、ラリーの流れを把握する上で大きく役立ちます。ラリーはサーキットのように全部を見渡せないため、こういった一期一会を大切にできる人なら、ラリー観戦を有意義に堪能できると思います。

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