函館ジムカーナ最終戦は、レディス山内晴菜86が逆転優勝を飾ってシリーズチャンピオンも決定!

レポート ジムカーナ

2021年12月8日

北海道・道南地区で開催されているシリーズである函館ジムカーナチャレンジカップは、11月7日、最終戦を迎え、全3戦のシリーズが終了した。

2021函館ジムカーナチャレンジカップRd.4
開催日:2021年11月7日
開催場所:グリーンピア大沼駐車場(北海道森町)
主催:T-FH

 函館ジムカーナチャレンジカップは、函館市の北に位置する森町にあるレジャー施設、グリーンピア大沼の駐車場で開催されているジムカーナ競技会だ。今年は4月に開幕戦が行われ、今回の最終戦までほぼ2か月のインターバルを挟んで計4戦のシリーズが組まれていたが、6月に予定されていた第2戦は、北海道の新型コロナウイルス感染症拡大の動きを受けて、やむなく中止を決定。計3戦のシリーズとなった。

 函館ジムカーナチャレンジカップでは、この競技会が開催されない月には、練習会を同じグリーンピア大沼で開催。今年については3月、5月、7月、9月に行われるスケジュールだったが、5月の練習会はコロナ禍のため、中止を余儀なくされた。ほぼ1か月置きにグリーンピア大沼を走ることができる形になっており、参加者達の多くは本番の競技会の間にある練習会で走り込んでスキルアップを図り、翌月の競技会に臨むというスタイルになっている。

函館チャレンジカップジムカーナの会場は道南有数の観光地、大沼に近く、道南自動車道のインターを降りてすぐという抜群の立地にある。右奥に見えるのは駒ヶ岳だ。
コースを反対側から見る。奥に見えるのはグリーンピア大沼のホテル。
今回の大会では新型コロナウイルス感染症対策も徹底された。北海道の競技会では、北海道独自の新型コロナウイルス感染症追跡システムである「北海道コロナ通知システム」への登録が呼びかけられている(写真右)。
今回のコース図。基本コースは、スラロームが多用された設定となった(写真左)。エキスパートクラスのみ、別のコースレイアウトが設定され(写真右)、タイトなパイロンセクション等が追加される形になっている。

 スイフトスポーツを駆る時兼隆祐選手が今季2連勝中と速さを見せているN-FFクラス。だが前回の大会では2番手の選手に0.2秒差に迫られての勝利とあって楽勝が続いているわけではない。今回は前回2番手の選手が不出場。新たなライバルの出現が期待されたが、結果は時兼選手が両ヒートとも大差でベストタイムを奪取して優勝。盤石の満点チャンピオンを手に入れた。

N-FFクラスは2本ともほぼ同等のタイムをマークした時兼隆祐選手が優勝した。
N-FFクラス優勝の時兼選手。

 N-FRクラスは、開幕戦を制した山内晴菜選手が第1ヒートでペナルティ3つをもらう大乱調。今季初参戦の、ぬま選手のロードスターが暫定トップに立つ。第2ヒートでさらなるタイムアップを狙った、ぬま選手だったが、痛恨のミスコース。続いて出走の山内選手の86はノーペナルティのまま無事ゴールを果たして、タイムも、ぬま選手を大きく凌いで逆転に成功。今季2勝目を飾ってランキングもトップを確保した。

N-FRクラスは第1ヒートのペナルティを挽回した山内晴菜選手が逆転優勝。
N-FRクラス優勝の山内選手。

 N-4WDクラスは出走した4台がすべてスバル車で、GC8型のインプレッサWRXから、VAB型WRX STiまで、車種もすべて異なるというバラエティに富んだクラスとなった。第1ヒートではまずGDBインプレッサの木村幸二選手が43秒277を叩き出してトップに立つが、最終ゼッケンの伊藤貴弘選手のGDAインプレッサが、「雲行きが怪しかったので1本目から全開で行きました」という気迫の走りで42秒台に入れて首位で折り返した。

 第2ヒートに入ると、GC8インプレッサの清水晋選手も42秒台に入れて、タイムアップできなかった木村選手を上回るが、伊藤選手の暫定ベストには0.3秒届かない。ウイニングランとなった伊藤選手は再び42秒台に入れるもベスト更新はならず、第1ヒートのタイムで逃げ切った。開幕戦に続く2勝目をあげた伊藤選手は、「今日は全体としては我慢の走りが続いた、4WD車にはちょっと厳しい設定でしたが、その中で行ける所と抑える所をしっかり決め込んで走ることができました」と勝因を振り返った。

接戦となったN-4WDクラスは伊藤貴弘選手が第1ヒートのタイムで逃げ切った。
N-4WDクラス優勝の伊藤選手。

 続くKクラスは先頭ゼッケンの辻口健斗選手のアルトワークスが、それまでの総合ベストを2秒近くも縮める40秒321という好タイムをマークする。後続の選手は鷲津大選手が41秒台に入れてくるが、辻口選手のタイムには届かない。第2ヒートでは雨が降り出す中、果敢に攻めた辻口選手だったが、0.2秒のタイムダウン。チャンス到来と見た鷲津選手も懸命なアタックを見せて雨の中、40秒台でゴールするが逆転は果たせず。さらに痛恨のペナルティを喫して自らのベストタイム更新もならなかった。

 辻口選手は、このシリーズは始まった時から参加しているという常連の一人。「今日は1本目はラインを確認しながら走って、2本目で攻めようと思ってました。雨は降ってきましたがタイムアップできたと思ったのですが…。コースレイアウトはいつもとさほど変わらない印象でしたが、難しい所があって結構、考えさせられる設定でした。ただ今日は総合ベストが獲れたので満足です」と最後は納得の表情を見せた。

Kクラスは辻口健斗選手が優勝。タイトなスラロームが続いた今回の一戦で見事、オーバーオールウィンを達成した。
Kクラス優勝の辻口選手。

 ATクラスはプリメーラに乗るマコト選手が第1ヒートでベストタイムを奪取。2位に終わった前回の第3戦のリベンジに向けて好スタートを切る。しかし第2ヒートに入ると、この日がジムカーナデビュー戦だった、大学生の田中宏和選手が自動車部の車両であるミラジーノで50秒692という好タイムをマークする。再逆転を狙ったマコト選手だったが、タイムは第1ヒートと同じく53秒台にとどまり、優勝は果たせず。田中選手が見事にジムカーナデビューウィンを飾った。

 クルマのデザインに興味があったので自動車部の門を叩いたという田中選手。「クルマは移動に使うものだと思っていたのですが、競技に使うという方法もあるのを知って、やってみようか、という気になりました」。初めて競技に挑戦した感想は、「全開走行もできたので、楽しかったです。自分としては、今日は初めての割には頑張ったので85点というところでしょうか(笑)。これからはクルマの性能と相談しながら速く走らせられるようになりたいです」と、来季に向けて意欲を見せていた。

ATクラスではジムカーナ初出場の田中宏和選手が優勝という離れ業を達成。
ATクラス優勝の田中選手。
Girlsクラスでは菊村苑香選手が第1ヒートのタイムで優勝した。
Girlsクラス優勝の菊村選手。
難度の高いコースレイアウトが設定されたEXPERTクラスは、JAF北海道ジムカーナ選手権で活躍する金内佑也選手が優勝した。
EXPERTクラス優勝の金内選手。
今回の大会ではシリーズ表彰も行われた。写真はN-FFクラスシリーズ上位入賞の各選手。
N-FRクラスシリーズ上位入賞の各選手。
N-4WDクラスシリーズ上位入賞の各選手。
Kクラスシリーズ上位入賞の各選手。
ATクラスシリーズ上位入賞の各選手。
Girlsクラスシリーズ上位入賞の各選手。

フォト/加藤和由 レポート/JAFスポーツ編集部

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