3連勝を挙げた小出峻選手がタイトル争いに加わり、次戦の最終決戦へ!

レポート レース

2023年9月20日

岡山国際サーキットにおいて9月9~10日に開催された全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第5大会(第13~15戦)。小出峻選手(TODA RACING)が3連勝を飾り、ポイントランキング3番手に浮上した。そしてタイトル争いは11月の最終戦モビリティリゾートもてぎへ持ち越しとなる。

2023年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第13戦/第14戦/第15戦
開催日:2023年9月9~10日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC

 残暑厳しい岡山国際サーキットでは、9日朝に第13戦と第14戦の公式予選が行われた。参加したのはマスタークラスの3台を含む計11台で、この日は同サーキットで86/BRZレースにエントリーしている堤優威選手(Rn-sports)はSFLにはエントリーしなかったものの、平良響選手(TOM'S)はダブルエントリーで忙しい週末となった。

 まず第13戦は小出選手がトップタイムをマークして自身初のポールポジションを獲得。2番手はイゴール・オオムラ・フラガ選手(B-MAX RACING TEAM)、3番手は野中誠太選手(TOM'S)がつけた。しかしポイントリーダーの平良選手は、自分の前を走行していた車両のコースオフに気を取られて自身もコースアウト。さらにベストタイムも走路外走行のためにタイムが抹消となり、予選基準タイムをクリアすることができず。だが、嘆願書を提出して最後尾スタートが認められることになった。

 10分間のインターバルを置いて行われた第14戦の予選では、オオムラ・フラガ選手がこちらも自身初のポールポジションを獲得。2番手は小出選手、3番手は木村偉織選手(B-MAX RACING TEAM)、そして4番手は木村選手と同タイムの野中選手、5番手は平良選手となった。

ポールポジションはともに「やっと獲れた」と言う小出峻選手(TODA RACING)とイゴール・オオムラ・フラガ選手(B-MAX RACING TEAM)が分け合った。

第13戦

 第13戦の決勝レース(25周)は、9日の暑さが厳しい時間帯である14時52分にスタートが切られた。接触もなく1コーナーをクリアした各車だったが、5番手スタートのデビッド・ビダーレス選手(B-MAX RACING TEAM)が、3番手の野中選手、4番手の木村選手の背後に迫り、さらに2周目には6番手スタートのエンツォ・トゥルーリ選手(TOM'S)、最後尾11番グリッドから一気に順位を上げた平良選手も3番手争いのグループに追いついた。

 小出選手、オオムラ・フラガ選手とトップの2台の動きに変化はなかったが、3番手争いは野中選手と木村選手、そして5番手争いはビダーレス選手、トゥルーリ選手、平良選手、古谷悠河選手(TOM'S)の4台によるバトルとなった。動きがあったのは中盤の11周目で、木村選手がミッショントラブルのためにスローダウンして順位を落としてしまう。

 終盤は5番手のトゥルーリ選手に、平良選手とトラブルが解消した木村選手が追いつき、平良選手は18周目に5番手へ浮上した。23周目のヘアピンでトゥルーリ選手と木村選手が並ぶも接触し、木村選手はここでストップ。

 優勝はオオムラ・フラガ選手に5秒以上の差をつけた小出選手で、ファステストラップも奪い完全優勝。ここ岡山はチームの地元ということで今季2勝目にも大喜びだった。2位はオオムラ・フラガ選手、3位は野中選手で表彰台に。4番手フィニッシュのトゥルーリ選手は、木村選手との接触で30秒のペナルティが加算され7位へダウン。4位はビダーレス選手、5位は平良選手、6位は古谷選手だった。

 マスタークラスは、ポールポジションのDRAGON選手(B-MAX RACING TEAM)がスタートで出遅れ、今田信宏選手(B-MAX RACING TEAM)が今季7勝目を挙げた。

小出選手(TODA RACING)がポール・トゥ・ウィンを決めた。今シーズンのレース中でも一番満足できたレース内容とのコメントも。
2位はオオムラ・フラガ選手(B-MAX RACING TEAM)、3位は野中誠太選手(TOM'S)。
第13戦の表彰式。左から2位のオオムラ・フラガ選手、1位の小出選手、3位の野中選手、マスタークラス1位の今田信宏選手が登壇した。

第14戦

 第14戦(18周)は10日の8時53分にスタートしたが、ホールショットを決めたのは予選2番手の小出選手で、オオムラ・フラガ選手をかわして1コーナーに飛び込んだ。さらに予選3番手の木村選手もオオムラ・フラガ選手の隙を狙ったがこれは阻止される。

 一方、後方では7~8番手スタートのトゥルーリ選手とビダーレス選手がアトウッドカーブで接触。トゥルーリ選手はアウト側にクラッシュして、スタート早々にセーフティカー(SC)が導入されることとなった。レースは5周目にリスタートする。

 リスタート後は小出選手、オオムラ・フラガ選手、木村選手のトップ3が一団となった。これに野中選手、平良選手、古谷選手と、TOM'Sの3台が4番手争いを展開し、5周目のヘアピンでは平良選手が4番手へ順位を上げる。

 トップ争いは1秒ほどの差で進行したが、小出選手がこの差を守って2連勝。2位はオオムラ・フラガ選手、3位は木村選手だった。ファステストラップを刻んだのはファイナルラップの平良選手で4位フィニッシュ。5位は野中選手、6位は古谷選手だった。

 マスタークラスはDRAGON選手が今田選手の連勝を4で止め、今季4勝目を飾った。

スタートを決めて1コーナーでトップを奪った小出選手は、ポジションを守って2連勝を果たす。
2位はオオムラ・フラガ選手(B-MAX RACING TEAM)、3位は木村偉織選手(B-MAX RACING TEAM)。
第14戦の表彰式。左から2位のオオムラ・フラガ選手、1位の小出選手、3位の木村選手、マスタークラス1位のDRAGON選手が登壇した。

第15戦

 第15戦(18周)は曇天の14時47分にスタートした。第13戦で優勝してポールポジションを獲得した小出選手がトップを守り1コーナーへ。ここへオオムラ・フラガ選手、野中選手が続き、ヘアピンではオオムラ・フラガ選手が小出選手のインを突くがオーバーテイクとはならず。

 さらに次の周のヘアピンでは、4番手スタートのビダーレス選手が野中選手をかわして3番手に上がるなど、このレースは序盤から混戦模様に。また4番手を走る野中選手には平良選手、トゥルーリ選手、木村選手が迫った。

 トップの小出選手は徐々に2番手のオオムラ・フラガ選手との差を開き、ファステストラップを更新しながら独走態勢に持ち込んでいく。また2番手のオオムラ・フラガ選手から7番手の木村選手までは各車1秒程度の差で連なり、ワンミスが命取りとなる緊迫した接近戦となったが、ここからオオムラ・フラガ選手が抜け出す。

 15周目のリボルバーで4番手の野中選手がコースアウトを喫してグラベルベッドにストップ。このためにこのレース2回目のSC導入となった。これで小出選手の大量リードは一気になくなり各車が接近。しかしSCが隊列を離れたのはファイナルラップで、そのまま小出選手がこの大会3連勝を飾る結果となった。2位はオオムラ・フラガ選手、3位はビダーレス選手で、ビダーレス選手にとってこれがうれしい初表彰台に。4位に平良選手、5位トゥルーリ選手、6位木村選手という結果だった。

 小出選手はこの大会でポールポジション1回と3勝、そしてファステストラップ2回の計33点という大量得点。ポイントリーダーの平良選手が92点、シリーズ2番手の木村選手が82点、そして小出選手が76点とトップ3の点差が一気に詰まることになった。

 マスタークラスは今田選手が8勝目を挙げ、こちらは11点差で最終戦を迎えることになる。

3連勝で岡山大会を制覇した小出選手(TODA RACING)。最終戦での逆転タイトル奪取に期待がかかる。
2位はオオムラ・フラガ選手(B-MAX RACING TEAM)、3位はデビッド・ビダーレス選手(B-MAX RACING TEAM)。
第15戦の表彰式。左から2位のオオムラ・フラガ選手、1位の小出選手、3位のビダーレス選手、マスタークラス1位の今田選手が登壇した。

 雌雄を決する最終ラウンドは、11月11~12日にモビリティリゾートもてぎで3レースが開催される。

フォト/森山良雄 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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