立川博史選手が九州ジムカーナ第7戦PN2で王者の貫禄、5勝目で二連覇確定!!
2026年8月20日
2026シーズンは全9戦で争われるJAF九州ジムカーナ選手権は7月26日、終盤戦となる第7戦を迎えた。今季はオートポリスのレイクサイドサーキットコースが新たに加わりコースの選択肢が増え、パイロンコースのHSR九州ドリームコースだけでは決まらない面白さが加わった。そんな中、成立している7クラスの内、2クラスでチャンピオンが確定しているが、残る5クラスではアツい王座争いが繰り広げられている。
2026年JAF九州ジムカーナ選手権 第7戦
2026年JMRC九州ジムカーナ チャンピオンシリーズ第7戦
2026年JMRC全国オールスター選抜 第7戦
2026年JMRC九州ジムカーナ ジュニアシリーズ第7戦
V GYMKHANA FESTIVAL 2026
開催日:2026年7月26日
開催地:HSR九州ドリームコース(熊本県大津町)
主催:V
同日、APのインターナショナルレーシングコースではスーパー耐久シリーズ2026第5戦の決勝が開催される中、九州地区戦の第7戦はHSR九州を舞台に開催。同地区でも歴史あるオーガナイザーとして活躍する福岡県のJAF加盟クラブ、モータースポーツクラブヴィ(V)が主催を務めた。
ジムカーナはもちろん、ラリーやダートトライアルも主催できる数少ないクラブの一つとして、Vは九州のモータースポーツを牽引してきた。このクラブのレイアウトは毎年、ロングストレートが用意されるのが通例。かつては外周をほぼ1周半にもわたって走らせた実績もある。
第7戦のレイアウトも期待にもれず、2本の外周ストレートと1本のインフィールドを跨ぐストレートを設定し、灼熱のHSR九州でもVのスタンスに曇りはない。しっかりと3速で踏み切った後のターンセクションは、ブレーキング技術が問われる。朝から慣熟歩行に臨むドライバーにも気合が入った。
今回の一戦のレイアウト制作者であり、競技長を務めた髙口真悟氏は「毎年恒例なんですが、アクセル全開の区間をなるべく多く採るようにしています。アクセル開度が大きくて、長めのコース設定。それがウチの特徴です。結構そんな特徴を察してて、練習会でもウチを想定した練習をしてくれているようですね」と語った。
続けて「なるべく最初にターンをさせておいて、後半はあまりタイヤにダメージがないようにシンプルにしました」と、設定の意図も明かした。また、ドライバーの間では縁石を跨ぐか否かで論争が勃発。ハイスピードなだけに、テクニカルセクションをシンプルに仕立てているのでラインの自由度は高く、どのラインを選択するかでも、タイムに大きく影響を及ぼすレイアウトで競った。
真夏のHSR九州は2025シーズンも灼熱の一戦となった。今季はその教訓を生かし、オフィシャルにも十分な給水タイムが用意された。そして、携帯端末を活用したペナルティ報告など、新しい取り組みにもチャレンジした第7戦。王手をかけたドライバーも数多くいるため、ここでチャンピオンが確定するクラスもある。一戦でもその可能性を先に延ばしたい、追いかける側のドライバーにとっては正念場の戦いとなった。
2026年JAF九州ジムカーナ選手権 第7戦
2026年JMRC九州ジムカーナ チャンピオンシリーズ第7戦
ATクラス
今季はここまで7戦全てで成立しているATクラス。王座争いは福﨑真吾選手が4勝を挙げてリードしている。開幕第1戦を制した中野秀幸選手は今回の一戦で今季2勝目を目指す一方、2勝を挙げているLeon選手は欠場。福﨑選手と中野選手の一騎討ちとなった。
しかし、中野選手は第1ヒートでミスコース、初手を獲ったのは福﨑選手だった。第2ヒート、タイムを残せていない中野選手は、パイロンへのアプローチもやや甘めになってしまう。その結果、中野選手はトップを捕らえることはできず、福﨑選手は今季5勝目!
念願のチャンピオンを確定させた福﨑選手は、「エンジンのチェックランプがついてて不安でした。ラリーの時からずっと出てるので、昨日も夜遅くまで見てもらったんですが直らず、鹿児島から乗ってくるのにちょっとトラブルもあって大変でした。1本目はなんとかもってくれて良かったです」と、車両に問題を抱えながらも速さをみせた。
「今年はラリーとジムカーナの二足の草鞋で参戦しました。どちらも(チャンピオン)狙っていたんですが、ラリーの方は一つも勝てませんでした。二刀流は上手くいきませんね。もう65歳で来年からは年金生活なんで続けられるか分かりませんが、働き口見つけて続けたいですね」
B1クラス
B1クラスでは、九州の軽自動車乗り最速を誇る池武俊選手が、前戦第6戦まで5連勝で大量リード。愛機のマツダAZ-1を復活させた池選手が目指すのは、6連勝での満点チャンピオン確定。第7戦もいつもと変わらぬ意気込みで挑む、はずだった。
第1ヒートから池選手がリードするかと思われたが、スタートかららしからぬ走りで途中、コースを見失いミスコースで終わった。「イケるかと思ったんですが、なんか頭がボーっとしてしまって……。熱中症みたいです」と明かした。
トップに立ったのは、スズキ・アルトワークスを駆る大崎真也選手。しかし、第2ヒートを前に池選手はエアコンをかけて完全冷却して備えた。ここで怖いのはパイロンペナルティによる5秒加算。大崎選手はそのプレッシャーからか、ミスコースを犯して第1ヒートのタイムで池選手を待つ。
慎重に最初のパイロンに進入していく池選手。加速はしっかりと、しかし無理なブレーキングはせず慎重に。それでもレーシングカートのようなクイックハンドリングのAZ-1は、ときおりピーキーな動きを見せる。ロングストレート終わりのブレーキングでもしっかりと車両を制御し切った池選手が見事逆転に成功、満点チャンピオンを確定させた。
池選手は「2本目はスタート前のルーティンもきちんとやって走ることができたので、『大丈夫だな!』と。でも、1本目タイムを残せてなかったので、結構プレッシャーでした。パイロン触ったらおしまいじゃないですか(笑)。でも、ガンガンいきましたけどね!」と、第2ヒートを振り返った。
「今年は久しぶりにAZ-1でフル参戦したんで、特別な1年でした。やっぱり楽しかったですね。元々、このクルマが好きでジムカーナを始めたんで! 来年は軽自動車のクラスがジュニア(シリーズ)になってしまうなら、参戦するのをどうするか迷っています。やっぱり『チャンピオンシリーズ』というタイトルに魅力を感じていますから。あとはタイヤの問題ですね。(ブリヂストン)RE-71RZが使えればいいんですが……。とりあえず、クラス区分が出てから来年のことは決めたいと思います」
B2クラス
B2クラスは東北帰りの豊本将希選手が台風の目となり、大混戦。このクラスの“ヌシ”、松尾裕佐選手はHSR九州で講師も勤める『HSR九州マイスター』だが、ここまで3戦あったHSR九州でことごとく勝利を逃している。豊本選手と同じくZC33S型スズキ・スイフトスポーツを駆る井形太郎選手は昨季後半から一気に調子を上げ、今季もその勢いは衰えず。3選手が2勝づつを分け合う拮抗した三つ巴状態の中、今回の一戦で一歩前に出るのは誰なのか、注目が集まった。
第1ヒートで初手を獲ったのは、豊本選手。ロングストレート立ち上がりのラインを重視した走りで、2番手の井形選手を約0.4秒突き放す。勝負の第2ヒートに入り、ラスト3の最初にスタートした豊本選手は自身によるターゲットタイムをブレイクしに行くが、高くなった路面温度がそれを阻む。第1ヒートから約0.6秒遅れのタイムしか残せず、2選手の結果を待つことに。
続くディフェンディングチャンピオンの松尾裕佐選手は、今回の一戦で勝たなくては王座争いからほぼ脱落してしまうが、テクニカルセクションでベテランの意地を見せる。ストレートでのパワーに劣るホンダ・シビックを操り、コーナーのボトムスピードを限界まで上げてターンでは誰よりもパイロンに近く、誰よりも旋回速度を上げる。約0.2秒、豊本選手を上回るトップタイムをマークしたかにみえたが、パイロンペナルティで3番手は変わらず。
「タイムは逆転したんですよ! 逆転!! パイロンジムカーナにこだわって走っているので、HSRは僕にとってやっぱり特別なんですよね。負けるのは悔しいですが、この非力なEGで楽しく走れたので、良かったです。来年はもっと若い芽を潰せるように努力していきます」と、松尾裕佐選手は肩を落とした。
注目が集まった井形選手だったが、行き急ぐあまりか持ち前の繊細なブレーキングが影を潜めてしまう。最初のパイロンへのアプローチで跳ねるZC33S型スイフト。それでも攻める井形選手はABSでも制御しきれないほどのハードブレーキングをみせるが、フロントタイヤはその入力を受け止め切れない。コーナリングでは車両のギリギリを攻め切るもタイムアップにはつながらず、2位は変わらずフィニッシュ。豊本選手が今季3勝目を挙げ、初の地区戦チャンピオン確定に王手をかけた。
豊本選手は「1本目、最初のターンをミスった時にもうダメかと思いました。でも、こういったグルっと外周を回るところや定常円なんかは、自分の今のセッティングが合っているんだと思います。あと、2速から3速の加速が多かったことも松尾選手に対して、クルマ的に有利だったかもしれません」と勝因を分析した。
続けて「2本目は欲をかいたのか、ちょっとリズムが合わなくて全体的にダメでしたね。アクセルは踏めたんですが……。でも、これでチャンピオンの可能性がグッと高くなったので嬉しいです。長年王者の椅子に座り続けているオジ様を引きずり下ろせたのは大きいですね(笑)」と語った。
B3クラス
トヨタMR-Sを武器に開幕4連勝で一気に流れを掴んだ古賀雄行選手が、タイトルに王手をかけているB3クラス。6月開催のAPレイクサイド二連戦ではマツダRX-7を駆る加々美一臣選手が二連勝で巻き返してはいるが、前半戦での不調が尾を引いている。更には、ここまで表彰台には上がるものの、未勝利に終わっているND型マツダ・ロードスター使いの衛藤雄介選手や、NB型ロードスターを操るTomohide選手も貪欲に勝利を狙う混戦模様だ。
気温がぐんぐんと上昇、路面温度が落ち着いている第1ヒートが勝負と話すドライバーもちらほらと出始めた中、加々美選手が頭一つ抜きんでる1分23秒台をマークする。誰も破れず、加々美選手がトップタイムか…… と思われたが、後半ゼッケンに入りブレイクに成功したのはTomohide選手だった。微妙にリアがスライドしながら立ち上がる絶妙なトラクション、軽量さとマッシブさを併せ持つNB型ロードスターの特性を理解した走りで一気にターゲットタイムを1分22秒台へと押し上げる。ラストの古賀選手もアタックするものの、トップタイムを破ることはできず2番手に留まった。
Tomohide選手、古賀選手、加々美選手のオーダーで第1ヒートは終了し、午後のアタックへと移っていく。逆転に期待がかかる第2ヒートだったが、路面温度が想定以上に上昇し、最後のテクニカルセクションでタイムを短縮するのは厳しい状況となった。更に吸入温度も上昇してエンジン出力も失われることから、ロングストレートでタイムを稼ぐことも厳しい。そんな中、加々美選手はタイムダウン。しかし、ホンダS2000を操る小石孝浩選手は第1ヒートの失敗を取り返す、1分23秒台で4番手にジャンプアップ。だが、Tomohide選手はタイムダウンを犯した。
ギャラリーの視線が集まる中、古賀選手がスタート。MR-Sらしいトラクションの良さで鋭い立ち上がりを見せるものの、ナーバスなフロントタイヤは明らかに応答性に欠ける様子だ。それでもしっかりとタイムを押し上げたがTomohide選手には届かず2位。それでもチャンピオンを確定させた。
逃げ切ったTomohide選手は「今回、ファイナル(ギヤ)を変えて来たのがとても良かったですね。結構仕様変更しながらやっと今のセットになってきているので、ようやくHSRにマッチしてきた感じです。残りも勝ちたいですが、このクラスもそんなに甘くないので……」と、今季初優勝の勝因を明かした。
「シリーズを振り返ると、寒い時期とウェットでは勝つのが厳しいと思っていました。そこで連勝できたのはとても大きかったですね。ある程度気温が上がってくれれば勝負できると思っていたので、思い切り走れました。今年は今日優勝したTomohide選手や衛藤選手、藤本(泰則)選手といった各クラスのチャンピオンが参戦してくれたので、厳しい戦いになると思っていました。その中でチャンピオンを獲れたのはとても嬉しいですし、とても楽しかったです!」
PN1クラス
ここまで6戦を戦って5勝という驚異の勝率を誇る林紘平選手。シリーズ2番手にはベテランのJYUICHI選手がつけるも歯が立たない無双ぶりだ。しかし、第1ヒートをトップタイムで折り返すことに成功したのはJYUICHI選手。2番手につけた林選手との差は0.537秒と、近いようで遠い差となった。
第2ヒートでは、PN1スタートの前にオフィシャルの給水タイムが設けられた。スタートを前に、待機場所で前に並ぶJYUICHI選手にパッシングでプレッシャーをかける林紘平選手。しかし、そこは気心知れあった二人、JYUICHI選手はこの仕掛けに対して微動だにしない様子だ。
そんなJYUICHI選手だったが、懸命なアタックを試みるもタイムは伸びない。林紘平選手もテクニカルセクションの立ち上がりでタイムロスを犯し、第1ヒートのタイムに0.065秒届かず2位に終わってしまう。これでJYUICHI選手は今季2勝目を手にした。
「2本目順番待ちをしてる時に煽られたので、『やってやろう!』と思いました(笑)。1本目は昨日の路面と比べるとなんだか滑りやすくて、その修正が上手くできたのも良かったのかもしれません。内周の島回りも上手くハマったのかもしれませんね」と、JYUICHI選手は勝因を分析した。
続けて「正直、林選手に勝てると思っていなかったので、ゴールタイムを聞いて驚きました。もうシリーズは決まっちゃいましたが、残りも勝って連勝で今年を終わりたいですね」と、最終第8戦で有終の美を飾るべく意気込んだ。
「今年は調子のいい時はクルマが本当に自分のいうことを聞いてくれるんで、とても戦いやすかったです。チャンピオンが決まってからはちょっと気が抜けてしまったのか、上手いこと走れませんでした。ちょっとまた仕切り直しですね。今シーズンはこれ(第7戦)で最後。チャンピオン獲ったんでこれでいいです(笑)」
PN2クラス
ディフェンディングチャンピオンの立川博史選手が、開幕三連勝で流れを掴んだと思われたPN2クラス。しかし、シリーズ中盤に入り北方稔陽兒選手、田添健吾選手が勝利を挙げて立川選手を止めた。しかし前戦、APレイクサイドで再び立川選手が優勝を手にして流れを奪い返した。
第1ヒートは序盤からトップタイム更新合戦が始まり、北方選手がターゲットタイムを樹立。これを田添選手が追いかけるが、ターンセクションで攻め過ぎてしまい、進入スピードを殺しきれず慣性が働きすぎて旋回速度を上げられない。更には最終セクションで大きく失速してしまい、競えるタイムを残せず下位に沈んだ。
田添選手とは全く逆の走りに徹したのは、ランキングトップの立川選手だった。一見すると攻めてないように見えるほどあっさりと、そして“ヌルヌル”という言葉が当てはまる走りを披露。無駄を削ぎ落した走りで、北方選手を1秒以上置き去りにするトップタイムをマークした。
第2ヒートでは、第1ヒートでパイロンペナルティに泣いた山形航選手が3位に飛び込んだものの、上位陣は軒並みタイムダウン。立川選手が二連勝で今季5勝目を記録し、チャンピオン確定に華を添えた。「(第1ヒートは)慎重に走ったのが良かったのかもしれませんね。2本目に気合を入れて頑張ったんですが、それがダメでした。アンダー(ステア)&アンダーで……。欲をかいちゃダメですね」と語った立川選手だが、ライバルを寄せつけない走りは圧巻だった。
「今年はサイドブレーキのメンテナンスをして以降、とてもクルマがいい動きをしてくれるようになりました。メンテナンスはやっぱり手を抜けないですね。チャンピオンはもういいかな…… って思ってたんです、それよりも毎戦楽しく走ろうと! でも、それがかえって良かったのかもしれません。来年はタイヤの規定がまだ発表されていないことなど、色々動きがあるみたいなので、ちょっと静観しながら様子を見て決めようと思っています」
PN3クラス
ロードスターRFを駆って開幕二連勝、今季のPN3クラスを掌握したように思われたユウキ選手の速さだったが、第3戦からは高木紳一選手がZN8型GR86を武器に怒涛の4連勝。第7戦もVのレイアウト特性から考えても、2500cc水平対向4気筒エンジンを搭載するGR86勢が、2000cc直列4気筒エンジンを積むロードスターRF勢より有利と思われた。しかし、このままでは終われないのがユウキ選手だ。
第1ヒートはユウキ選手がテクニカルセクション一発でトップタイムを奪い獲り、ユウキ選手と佐藤裕選手、高木紳一選手の順で1分24秒台で並ぶ接戦となった。第2ヒートもこのままの順位かと思われたが、佐藤裕選手がタイムアップして後続に期待を抱かせる。続々とタイムアップするドライバーが現れるが、ユウキ選手は残念ながらタイムダウン、クラス最終ゼッケン高木紳一選手のフィニッシュを待つことになった。
高木紳一選手はGR86の特徴を生かした走りに徹しながらも、ロードスターRFが得意とする切り返しでも勝負をかけてくる。ニュートラルステアでリアを微妙にスライドさせながら立ち上がる高木紳一選手、ひと筆書きでHSR九州にラインを描く。タイムはベストタイムを0.374秒更新するも、トップには0.018秒届かず2位。ユウキ選手がチャンピオン確定への望みをつなぐ、今季3勝目を手にした。
ユウキ選手は「“ストップ・ザ・ユウキ”はもう古いんで、今は“ストップ・ザ・紳一”です! 今日はタイヤの感触がいつもと違っていて戸惑いました。RE-71RZはこのコースととても相性がいいはずなんですが、今日は全くグリップしなくて……。特に2本目はタテ方向が全然ダメでした」と明かした。
続けて「それでもとにかくミスをしないように走ったのが良かった。パイロンに触らないこと! ラインを外さないこと! この二つだけ集中して走りました。横方向のグリップも不安があったんで、とにかく立ち上がり重視のラインを採ったのも良かったのかもしれませんね。コース図を見た瞬間に、『今日はダメだろうな』って思ったんですが、歩いてて『そんなことない』と思いました。クルマのポテンシャルは絶対にこっちの方が上だと思っているので、次も頑張ります」とユウキ選手は語った。最終戦まで二人の戦いから目が離せそうにない。
2026年JMRC九州ジムカーナ ジュニアシリーズ第7戦
B-FFクラス
今回の一戦では、2026年JMRC九州ジムカーナ ジュニアシリーズ第7戦も併催された。軽自動車を除く、全ての前輪駆動のB車両が対象のB-FFクラスは三つ巴の争いに。九州大学自動車部と福岡大学自動車部の部員による勝負となった。
この争いを制したのは、福岡大に通う杉野巧馬選手。所属するV主催の一戦で、第1ヒートから2番手以下に1秒以上の差をつけての完勝を果たした。「2本目は油断してタイムを落としてしまいました。1本目できたところは、2本目もできるだろうと思って行ったのが失敗してしまって」と、走りを反省した。
B-FRクラス
7選手が挑んだB-FRクラスは入門シリーズに相応しく、B-FFと同じく学生ドライバーを中心に盛りあがっている。シリーズトップに立つのは開幕4連勝を果たして波にのる、九大生の徳永琢磨選手。PN3の高木紳一選手とダブルエントリーする女性ドライバー、高木典子選手が2番手につけ、徳永選手のチームメイトたちが二人を追う。
第7戦の主役もやはり、徳永選手だった。第1ヒートからPN2勢を超えるタイムをマークし、2番手以下を大きく引き離す快走をみせる。混戦となったのは2番手争い。仲西佑真選手と斎藤蓮選手、九大勢を高木典子選手が上まわって2番手で折り返した。
第2ヒートではベストを更新したドライバーは上位陣にはおらず、第1ヒートのタイムで勝負は決することになった。「1本目はわりとサイドブレーキを多用したんですが、それが良かったのかもしれません。(MR-Sは)フロントが軽過ぎてアンダーが出るので、細かくサイドを引いて向きを積極的に変えていきました」と、優勝した徳永選手は勝因を分析した。
第2ヒートについては「サイドはあまり使わず大回りしてコーナリングスピードを上げたんですが、それは良くなかったのかもしれませんね。今年はわりといい感じで走れているので、残りもこの調子で頑張りたいと思います」と、徳永選手は語った。近年、大学自動車部出身の若手ドライバーが各地区の地区戦で目覚ましい活躍をみせているが、徳永選手も先輩たちの背中を追いかけるのか、注目だ。
OPENクラス、ENJOYクラス
JAFモータースポーツライセンスを持たなくても参戦できる、クローズドには2クラスを設定。一騎討ちとなったOPENクラスでは、別府政治選手が第1ヒートのタイムでトップに立った。
1分28秒627でENJOYクラスの第1ヒートを制したのは、ZC32S型スイフトを駆る松延出選手。小河航也選手がGR86をドライブして続く。第2ヒートに入ると、小河選手がターゲットタイムを0.28秒更新して逆転。しかし、松延選手が更に0.108秒更新して再逆転。見事、ハイスピードレイアウトを攻略した。
松延選手は「今回はミッションを乗せ換えて来たかったんですが、時間がなかったんで乗せ換えられなかったんです。とにかく立ち上がりで苦労しました。GR86には直線では勝てないので、とにかく突っ込んでいったのが良かったのかもしれませんね」と語り、次戦以降もこのクラスで気軽にジムカーナを楽しんでいきたい、とのことだ。
第7戦を終え、髙口競技長は「救護も常駐させて熱中症対策をしっかりとしたこともあって、無事に終えることができました。プールも用意してたんですが、使わなくて良かったです。ラリーでは当たり前になっているスプレッドシートの活用であったり、ペナルティ判定にVARを採用したりと、オフィシャルの負担を少しでも減らせるように試して、概ねキチンと運用できたと思っています。新しい取り組みにもしっかりと対応しれくれたオフィシャルのみなさんに感謝ですね」と、振り返った。
また、JMRC九州ジムカーナ部会の貞光建部会長は、「JAFから地方選手権のクラス区分に関しての方針が示されたので、九州でもそれに従ってクラス分けしていこうと思います。その中で、一台でも多くのみなさんに参加してもらえる工夫も必要だと思っています。クラスを統合するなど、競技性を高める工夫も必要なんでしょうね。来年も積極的に新しい取り組みは続けていきたいと思っています。また、九州で全日本ジムカーナを開催できるように頑張っていきたいですね」と、2027シーズンに向けて語った。
PHOTO/鈴木あつし [Atsushi SUZUKI] REPORT/鈴木あつし[Atsushi SUZUKI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



