モータースポーツの楽しみが広がる! ゴーカートライセンス発給イベント開催!!
2022年5月31日
埼玉県・GOLDEX本庄モーターパークで、5月15日に全日本/ジュニアカート選手権のサポートイベントとして「390ccスプリントエキシビジョンレース」が行われ、参加者全員にJAFのゴーカートライセンスが発給された。
このイベントは5月15日に開催された全日本/ジュニアカート選手権・東地域第2戦の決勝日に、昼休みと決勝終了後のコースが空いた時間を利用して行われた。今年、JAFにより新設されたゴーカートライセンスの普及を目的として企画されたイベントだ。ゴーカートライセンスが発給される催しとしては、これが初めての試みとなる。
そもそもゴーカートライセンスとは2021年9月10日にJAFより新たなライセンス発給制度として公示、2022年1月1日より施行されたもので、老若男女(イベント主催者によって年齢等の制限が課される場合もあり)を問わず取得が可能なライセンスであり、モータースポーツを手軽に楽しむための一歩として新設された。
このライセンスは発給手数料が1,000円ながら、最長3年の有効期間となっている。JAF公認カートコースもしくは届出コースにおいて走行時間を20分以上(走行前のインストラクション時間も含む)、主な信号旗やカートの基本的な運転操作を理解することが取得のための要件だ。また装備は長袖、長ズボン、グローブ、スポーツシューズ、フルフェイスヘルメットが必要となっている。
今回、車両はGOLDEX本庄モーターパーク所有のレンタルカートを使用、参加者は手ぶらで会場を訪れて参加することができた。その車両は広大なコースに合わせて、日本のレンタルカートとしてはもっとも排気量の大きい390ccの4ストローク汎用エンジンを搭載し、爽快なスピード感を味わえるものだ。
本庄では通常、1kmオーバーのコースをショートカットするレイアウトでレンタルカートの営業を行っているのだが、今回のイベントに使用するのは全日本と同じフルコース。ここのレンタルカートを走り慣れた人にとっても、新鮮な走行体験を楽しめる機会となった。
当日は参加受付とブリーフィングを行った後に、12時から10分間の練習走行兼タイムトライアルを行い、12時25分から10周の予選レースを実施、16時から15周の決勝が行われた。2ヒートの合計25周は、同日に行われた全日本の決勝と同じ周回数。たっぷり走行を楽しめるスケジュールだ。
参加料は1名1万円で、ゴーカートライセンスの発給料金が含まれている。また、ゴーカートライセンスはJAFの入会金・年会費不要で取得することができるので、参加者たちはいつものレンタルカートイベントに参加するのと変わらない手軽さでライセンスホルダーになることができた。
このイベントに参加したのは、会場の近県から集まった9名。レンタルカートに乗り慣れている人もいれば、初めてレンタルカートに乗る人もいる。なお予選と決勝では、下位グリッドの参加者から搭乗する車両をチョイスできるシステムが採られ、車両の個体差による不公平の解消が図られていた。
参加者たちはコースサイドで全日本のレーシングカートを観戦した後に、激闘の熱気が残るコースでいよいよエキシビジョンレース決勝をスタート。個々のレベルに応じたペースで真剣にカートを操り、白熱の接近戦も披露して、全員無事にチェッカーを受けた。
カートを降りてヘルメットを脱いだ参加者たちは、興奮醒めやらぬ表情でレース談義に花を咲かせながら、続いて行われた表彰式では、参加者にそれぞれ賞品を授与。最後に参加受付の際に氏名などを記入したゴーカートライセンスのカードが、綺麗にパウチされて参加者全員に手渡された。
今回、開催されたGOLDEX本庄モーターパークでは、ゴーカートライセンスの普及を目指して今後も同様のイベントを行っていく意向だという。
ゴーカートライセンス取得者のコメント
「今回は弟(加藤潤平さん)に誘われて参加しました」という加藤優也さん。普段はモータースポーツ関連の仕事をしているそうで「サーキットを走ることに興味はありました。実は小さい頃、子供用のカートにちょっとだけ乗ったことがあるんです。でもレンタルカートのレースに出るのは初めてで、やってみたら面白かったです」と感想を述べた。続けて「アクセルを踏めばスピードが出るし、ブレーキを踏めばスピンしやすいけど、そういうところも含めて楽しかったです」と笑顔で語った。「ゴーカートライセンスは今回参加した記念になりました。もらえてよかったです。機会があればまた参加してみたいです」
レンタルカート歴が約10年という福田さん。「今回のイベントのことはホームページに載っているのを見て知ってはいたのですが、そのあと忘れてしまって……昨日サーキット秋ヶ瀬へ走りに行った時に『本庄で全日本をやってるよ』と聞かされて、今日は観戦目的で来たんですが、顔見知りのサーキットのスタッフさんに誘われて、急きょ参加することになりました」と参加の経緯を話してくれた。「全日本のうまい人のレースを見ることができて、エキシビジョンレースも楽しめて、いい勉強になりました。せっかくゴーカートライセンスをもらったので、それに恥じないような走りができるようになりたいです」
「カートは4歳から始めて、全日本(FS-125部門)にも参戦しました。その後はFIA-F4やスーパー耐久にも出場していました」とモータースポーツ経験者の加藤潤平さん。「レンタルカートは本庄で2~3年ほどちょこちょこと乗っています。今回はこのコースの創業者(元オーナー・高野進一氏)にご招待いただいて、友達を誘って参加しました。レースはすごく楽しかったですし、モータースポーツに馴染みのない友達もセッションごとにタイムが上がって『楽しい』って言ってもらえて、みんなで参加できて本当によかったと思います。ゴーカートライセンスももらえてうれしいです。大事にしようと思います」
フォト/長谷川拓司、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部