中国地区のモータースポーツ表彰式が広島で開催! 上位入賞者たちが一堂に会す
2025年2月20日

2024年に中国地区で開催されたJAF中国地方選手権ならびにJMRC中国シリーズにおいて、上位成績を収めた選手たちを称える中国モータースポーツ表彰式が広島県広島市内のホテルで執り行われた。ジムカーナやダートトライアル、サーキットトライアルの表彰対象者にシリーズ賞典が授与された。
JAF中国地方選手権/JMRC中国シリーズ 2024年中国モータースポーツ表彰式
開催日:2025年2月8日
開催地:ホテル広島サンプラザ(広島県広島市)
主催:JAF中国本部、JMRC中国
数年に一度と言われる強い寒波が日本列島に襲来した2月8日、JAF中国地方選手権/JMRC中国シリーズの上位入賞者の栄誉を称える中国モータースポーツ表彰式が執り行われた。式典会場となった広島県広島市のホテル広島サンプラザ周辺には、前日に降った雪が路上に薄っすらと残り、路面が凍結した場所も見受けられたほどだ。そのため出席を見合わせたり、遅延して会場に到着する一部招待者もいた。
当日は表彰式に先立ち、9時30分から中宴会場・天王でJAF中国地域クラブ協議会(JMRC中国)の総会も開催される。審議事項は2024年度のJMRC中国活動報告、会計報告、監査報告、そして2025年度の監査役選出、予算と共済予算について、JMRC中国加入クラブについて、共済規定の変更について、そのほか、という9つの議案だ。
JMRC中国の岩根つもる運営委員長を始めとする各運営委員がそれぞれ報告を行い、出席したクラブ・団体代表者が配布された資料を確認。JAF本部モータースポーツ部 モータースポーツ振興・業務推進プロジェクトチームの大野光一マネージャー、JMRC九州ダートトライアル部会の今福和彦部会長がオブザーバーとして総会に立ち合った。なおJMRC九州の星野元運営委員長も同席する予定だったが、降雪の影響で出席が叶わず。




粛々と総会が行われている中、大宴会場・金銀星では表彰式の受付が開始され、招待者が続々とロビーに集まった。そして総会が終了して間もなく会場の扉がオープンし、いよいよ式典がスタート。今年も司会進行は中国モータースポーツ表彰式でお馴染みの“アナ西元”こと西元直行選手だ。また新たにJAF広島支部の女性職員がサポーターとして西元選手の進行をフォロー。
冒頭では会場照明が薄暗くなり、中国地区の2024シーズンを振り返るスライドショーで表彰式の雰囲気が高まる。歴戦の記憶が蘇る瞬間だ。その後は主催者挨拶として、JAF中国本部の内海敏行事務局長とJMRC中国の岩根運営委員長の祝辞に。岩根運営委員長からは昨年末に行われたJAFモータースポーツ表彰式において名誉委員の称号が贈呈された藤田直廣氏と、特別賞が贈呈された原博史氏の名が挙げられ、中国地区から2名が表彰されたことをうれしかったできごととして紹介。
続いて来賓紹介では、株式会社岡山国際サーキットの杉浦隆浩代表取締役社長、株式会社フォルテシシモ(ブリヂストン)の山内真理代表取締役、住友ゴム工業株式会社モータースポーツ部の竹内二郎主幹、横浜ゴム株式会社タイヤ消費財商品企画部 モータースポーツグループの白井顕一主査、広島トヨタ自動車株式会社 GR Garage観音店の友田貴之店長、スポーツランドタマダの玉田敬司代表取締役、JMRC九州ダートトライアル部会の今福部会長、JMRC中国の藤田顧問、JAF本部モータースポーツ部の大野マネージャーが席上で紹介された。







表彰の先陣を切ったのはジムカーナで、JAF中国ジムカーナ選手権/JMRC中国ジムカーナチャンピオンシリーズのT28クラス、RCクラス、R2クラス、R4クラス、PN2クラス、PN3クラス、BC2クラス、BC3クラス、そしてJMRC中国ジムカーナフレッシュマンシリーズのFクラスとFATクラスの順で行われた。
ダートトライアルはJAF中国ダートトライアル選手権/JMRC中国ダートトライアルチャンピオンシリーズのATクラス、PN1+クラス、NPSAクラス(JMRCはNクラスとPSAクラス)、SA1クラス、RWDクラス、NS1クラス、SCD1クラス、SCD2クラス、そしてJMRCのチャレンジクラスが表彰されていく。
岡山国際サーキットトライアル選手権はCT1クラス、CT3クラス、CT4クラス、CT5クラスの順で表彰。すべてのカテゴリーのJAF選手権の賞典プレゼンターを務めたのはJAF中国本部の内海事務局長で、JMRC中国シリーズはジムカーナが馬場靖典ジムカーナ部会長、ダートトライアルが太田智喜ダートトライアル部会長が担当。
続いて中国地区より全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権に参戦した上位入賞者がステージに登壇したほか、JMRC全国オールスタージムカーナの地区対抗戦の優勝報告がなされた。なお中四国ラリー選手権の表彰については2月15日に岡山県玉野市のダイヤモンド瀬戸内マリンホテルにて四国地区と合同で開催される。
今回の表彰式は盛り上がりの影響もあってか途中まで大幅に時間が押していたのだが、司会の西元選手が機転を利かせて巧みに進行を調整し、わずかな遅延でしっかりとまとめた。最後はJAF本部モータースポーツ部の大野マネージャーが閉会の挨拶を行い、記念の集合写真撮影で第一部の表彰式は閉幕となった。

JAF中国ジムカーナ選手権/JMRC中国ジムカーナチャンピオンシリーズ、フレッシュマンシリーズ 表彰


















JAF中国ダートトライアル選手権/JMRC中国ダートトライアルチャンピオンシリーズ 表彰


















JAF地方選手権 岡山国際サーキットトライアル選手権 表彰




JAF全日本選手権上位入賞者




第二部となる懇親会は表彰式と同じ大宴会場・金銀星で行われた。会場の雰囲気は一転して和やかになり、緊張が解けた表彰対象者は穏やかな表情を見せていた。司会進行は引き続き西元選手がマイクを握る。冒頭では改めて来賓の紹介があり、来賓を代表して岡山国際サーキットの杉浦代表取締役社長が挨拶。乾杯の音頭はスポーツランドタマダの玉田代表取締役が行った。
さまざまな料理がテーブルにズラリ並んだビュッフェは大好評だったようで、懇親会出席者の胃袋に次々と消えていった。食事ができる円卓にはカテゴリーごとに人の輪ができて、2024シーズンのできごとを振り返ったりと会話が弾んでいたようだ。
歓談の途中には再び来賓にスポットが当てられ、横浜ゴム・白井主査、フォルテシシモ(ブリヂストン)・山内代表取締役、住友ゴム工業・竹内主幹の、3メーカーがそれぞれ登壇を求められ、ひと言コメントの時間が設けられた。急な振りにも関わらず即興で自社PRを行い、会場からは拍手が巻き起こっていた。最後は3名揃っての記念撮影という中国地区恒例の光景に。
ビンゴ大会なども催され、楽しい時間はアッという間に過ぎていき、中締めの時間を迎える。JAF本部モータースポーツ部の大野マネージャーが離席中につき登壇のタイミングで不在!?というハプニングもあったが、盛大な拍手で迎えられしっかり締めの言葉を述べた。またJMRC中国の藤田顧問から「JMRC中国に所属するメンバーは全員、JAF会員証は自動更新に!」という指南も。そして一本締めが行われ、お開きとなった。





ビンゴ大会

懇親会の合間に行われたのがお待ちかねの余興、中国地区名物のビンゴ大会だ。豪華商品券のほかユニークな副賞も用意され、会場のボルテージは最高潮に。何枚ものビンゴカードを手に、読み上げられる番号に一喜一憂しながら大盛り上がりとなった。
ビンゴとなった人は次々とステージに並び、先着15名に絞られたところで1枚の封筒を引く再抽選となった。封筒の中に入っている用紙に何が書かれているかで賞品が決まるシステムで、端から順番に開封されていく。幸運の封筒を手繰り寄せて大喜びする人が現れた一方、何等という文字ではなく文章が記載された用紙を持つ人も!?




■2024年JAF中国地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

現在27歳の西村選手は広島大学の自動車部出身で、中国地区のモータースポーツ界隈にはその卒業生も多い。「入学初日に自動車部へ入部し、ジムカーナとダートトライアル漬けの日々を送っていました」と在学中には主将を務めたほか、今も大学でコーチを行っているという。2024年は全6戦3勝という成績で「PN2クラスは誰が勝ってもおかしくない状況だったんですけど、メンタルやフィジカルをしっかり整え、一発の速さより安定して戦うことを意識しました。勝負強かったシーズンだったと思います」と総括。ターニングポイントには備北サーキットで開催された第3戦での接戦を挙げ、そこから3連勝と波に乗れたようだ。そしてこの表彰式を迎えたわけだが「元々チャンピオンを獲らなければダメだという気構えでシリーズに臨んでいたのもあって、チャンピオンを獲った瞬間は確かにうれしかったんですけど、今は2025シーズンに気持ちが行っています」とすでに気合い十分の様子だった。

矢野選手とサーキットトライアルの出会いは、約2年半前に千葉から広島への転勤を契機に、GR Garage HATSUKAICHIにクルマのメンテナンスをお願いしたところから始まる。「最初はサーキットの走行会のお誘いを受けたんですが、その後に本格的に走ってみない? と言われたのがきっかけです」と、十数年ぶりにモータースポーツ熱が沸騰したそうだ。若いころには筑波や茂原で走っていた経験もあったようだが、ブランクがありながらサーキットトライアル初参戦で見事にタイトルを獲って見せた。「2024シーズンは天候に恵まれたのひと言ですね。振り返ると一勝もできなかったんですけど、ドライで速い選手がウェットで伸び悩む中、安定して上位入賞できたことが大きかったです」と勝因を分析。「正直、獲れるとは思っていなかったので、驚きとともにうれしさがあります」とチャンピオンの感想を述べた。今年はOKAYAMAチャレンジカップN1-86に参戦とのことだが、「自分のクルマで走りたいですね」とサーキットトライアルにも参戦予定だ。

「こんな立派な表彰式とは思いませんでした」と成績の認定を受けてうれしさを滲ませていた高橋選手。モータースポーツ歴はトータル約30年、そして本格的に競技に取り組んでから約20年での待望の戴冠だ。「サーキットでタイムを叩き出すのが好きで、長らく鈴鹿のサーキットトライアルで走っていたんですけど、昨年から岡山の方にエントリーしました」と参戦の経緯を語る。「2024年はすべてがうまくハマった年でした。一昨年にクルマを乗り換えまして、RG-O(レーシングガレージ大住)さんにすべてお任せで、勝つクルマに仕上げてもらいました。膨大なノウハウを駆使していただいた甲斐あって、良い成績で終われたと思います」と大住拓代表への感謝の気持ちも忘れない。「今シーズンは岡山での初戦を皮切りに、筑波のJAFカップにも出場します。まずは岡山でコースレコードを樹立したいですね」と新たな目標を打ち立てている様子だ。「目標とする大住さんと肩を並べられるように頑張りたいです」
フォト/谷内壽隆、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部