酒井龍太郎選手が鈴鹿選手権シリーズに続き、もてぎシリーズも制して地方選手権2冠確定
2025年12月3日
2025年地方カート選手権もてぎシリーズの第5戦が11月23日、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎ北ショートコースで開催。松居寿來選手が圧巻の速さで初優勝を飾り、2位でフィニッシュした酒井龍太郎選手が最終戦を残してチャンピオンを確定させた。
2025年JAF地方カート選手権 FS-125/X30 もてぎシリーズ 第5戦
(2025 もてぎカートレース 第5戦内)
開催日:2025年11月23日
開催地:モビリティリゾートもてぎ北ショートコース(栃木県茂木町)
主催:ホンダモビリティランド株式会社
地方カート選手権 もてぎシリーズ FS-125/X30
地方カート選手権もてぎシリーズは、モビリティリゾートもてぎのローカルカートレースシリーズであるもてぎカートレースのFS-125/X30クラスにタイトルがかけられたものだ。全6戦で行われる2025シリーズはいよいよ大詰めに入り、最終戦ひとつ手前の第5戦を迎えた。
ちなみに2025もてぎカートレースとしてのFS-125/X30クラスには、地方選手権とは異なるポイントシステムによって独自のランキングが設けられている。参加者たちはひとつのシリーズでふたつのタイトルを競い合うわけだ。
車両規定は全日本のFS-125部門と共通で、水冷125ccリードバルブ吸気エンジンのイアメX30をワンメイク無改造で使用。ドライ用のワンメイクタイヤはセミハイグリップスペックのダンロップSL6で、摩耗をケアしながらレースを進めていく必要がある。
今大会の出走は12台。エントリーリストには16名の名前があったのだが、インフルエンザの流行期とあって体調不良で参加を見合わせた選手が数名いた模様だ。ポイントレースのトップを行くのは、開幕3連勝を遂げて93点を獲得している酒井龍太郎選手。それに続くのは73点の松尾柊磨選手と71点の松居寿來選手。ただし、松尾選手は今回欠場となっている。酒井選手はこのレースで6位以内に入れば、今季ラストの第6戦を待つことなくチャンピオンを確定することが可能だ。
空模様は曇り。時折細かい雨粒がわずかに落ちてくることもあったが、それもスリックタイヤでの走行を困難にするほどのものではなく、レースは終日、全車スリックタイヤ装着で行われた。11月末のサーキットには冬の気配が近づいてはいるが、走行セッションの開始時から気温は10度を超え、コートを羽織れば快適に過ごせる程度の寒さだった。
タイムトライアルでトップタイムをマークしたのは松居選手。そのタイム38秒076は、2番手の大津龍星選手に0.3秒以上の差をつける圧倒的な速さだった。3番手は千田琉貢選手、4番手は三村壮太郎選手。酒井選手は松居選手と0.5秒弱の差で5番手に留まり、「感触は悪くないのに、何が起きているのか分からない」と原因不明の苦境に首をひねる状況だった。
10周の予選ヒートは、2周目に三村選手が千田選手をかわして以降は静かな展開に終始した。松居選手はスタート直後から後続を引き離し、トップのまま危なげなくゴール。2番手の大津選手、3番手の三村選手もほぼ単独走行でこのヒートを走り終えた。酒井選手は終盤に前を行く千田選手のすぐ後ろまで迫ったが、オーバーテイクを仕掛ける気配はなく、千田選手が4番手、酒井選手が5番手のままでゴールした。
決勝は18周。そのスタートでは三村選手が2番手に、酒井選手が3番手に上がり、大津選手は4番手に下がった。ポールスタートの松居選手の真後ろには2周目まで三村選手が食い下がったが、3周目に入ると2台の間隔が開き始める。松居選手はここからライバルたちを凌駕するスピードを遺憾なく発揮、グイグイとリードを広げて6周目には後続との間に約1秒のギャップを築き上げた。
一方、三村選手の背後には酒井選手と大津選手が接近し、レースが中盤戦に入ると2番手から4番手が一列に連なった。12周目、いくらか調子を取り戻した感のある酒井選手が最終コーナー手前の複合コーナーで三村選手に勝負を仕掛け、大津選手とともに三村選手をパスして2・3番手にポジションを上げる。14周目、同じコーナーで今度は三村選手が大津選手を再逆転して3番手を奪う。
セカンドグループの戦いが熱を帯びる間に松居選手はどんどんリードを拡大。最終的に4秒以上ものアドバンテージを稼ぎ、両手を真横に広げてチェッカーをくぐった。2024年の同シリーズ参戦開始以来、3度の2位はあったものの、まだ優勝がなかった松居選手にとってこれは待望の初勝利だった。
セカンドグループの3台は一丸となって最後のコントロールラインを駆け抜けた。酒井選手は2位フィニッシュで、無事にチャンピオンを確定させた。先に全日本選手権FS-125部門と地方選手権・鈴鹿選手権シリーズでも最終戦を残してチャンピオンを確定させていた酒井選手は、今季の日本カート選手権に設けられたFS-125部門の3つのタイトルを総なめにする快挙だ。三村選手は今季最上位の3位で表彰台に登壇。大津選手は三村選手と0.07秒差の4位に終わるも、自己最上位の9位を大幅に更新してみせた。
この大会では地方カート選手権のほかに、ヤマハKT100SEC(100cc空冷)エンジン・ワンメイクの3クラスのレースと、ROTAX125MAX(125cc水冷)エンジン・ワンメイクの4クラスのレースが行われた。なお、スケジューリングされていたジュニアカート選手権FS-125Junior/X30Jrもてぎシリーズ第5戦は成立に至らなかった。
SLカートミーティング YAMAHA カデットオープン
大人用より小さなサイズのシャシーを用いるこのシリーズの最年少クラス、YAMAHAカデットオープンには大量26台の出走があった。そのウィナーは、1週間前にジュニアカート選手権ラウンドシリーズ1のジュニアカデット部門でチャンピオンを確定させている阿部瑠緯選手だ。
阿部選手は決勝をポールからスタートすると1周目で2番手以下を引き離し、独走で3連勝を達成させている。3台一丸のセカンドグループでは、原澤稜選手が残り3周でグループの頭に出て2位を獲得。速水陽向選手が久田朱馬選手を0.085秒差でしのいで3位となった。
SLカートミーティング YAMAHA SS
YAMAHA SSには今大会最多の28台が出走した。全日本の新旧上位ランカーも多数参戦する強豪ぞろいの顔ぶれの中で、圧倒的な速さを披露したのが大越武選手だった。大越選手は予選を独走してトップでゴールすると、決勝でも早速ポールから1周で約0.8秒のリードを築く。
15周のレースで後続を5秒弱も突き離す無敵の独走で大越選手が今季2勝目を果たした。2位の國岡光貴選手は、序盤の混戦を抜け出した後は単独走行を続けてフィニッシュ。3番グリッドから3位入賞の山本祐輝選手は、スタート直後の5番手後退を挽回しての表彰台獲得だった。
SLカートミーティング YAMAHA スーパーSS
30歳以上のドライバーが対象のYAMAHAスーパーSSは、参加8台ながら見応えのあるレースになった。1周目を先頭で終えたのは、3番グリッド発進の高田亮選手。そこに月岡雅隆選手、前田達也選手、唐澤健之選手がぴたりと続き、4台による優勝争いが勃発した。
ポジションチェンジが頻発する戦いが繰り広げられる中、月岡選手が制して今季初優勝を遂げた。高田選手は2位フィニッシュで、惜しくも今季4勝目ならず。国産シャシーのMINATOを駆る前田選手が最終ラップにひとつ順位を上げ、5番グリッドから2ポジションアップの3位に入賞した。
ROTAX MAX CHALLENGE MAX Lights
パワーを規制したMAXエンジンとグリップ控えめのタイヤを採用し、ホビーカーターが手軽な予算でレースを楽しめるMAX Lightsには13台が参加した。ポールの菅原伸選手を室井飛鳥選手が追い詰めて戦いの口火を切ったマッチレースは、菅原選手がトップのまま逃げ切ってのゴールとなった。ところが、車検場で菅原選手を待っていたのはフロントフェアリングのペナルティだった。
ステアリングに顔を埋めて悲嘆に暮れる菅原選手。どうやら最初のスタートがミススタートと判定されてローリングがやり直しになった際の混乱で、気づかぬうちに接触があった模様だ。これで下位が繰り上がって室井選手がウィナーに、長谷川琢磨選手が2位に。菅原選手は5秒を加算されながら3位に入賞した。
ROTAX MAX CHALLENGE Senior MAX
14歳以上のドライバーが対象のSenior MAXは12台でのレースになった。地方選手権とのダブルエントリーで決勝のポールについた酒井龍太郎選手は、オープニングラップで手塚大雅選手の先行を許したが、2周目にトップに戻ると以降のラップを独走し、今季4勝目を獲得した。ポイントレースで2番手につけて酒井選手を追う手塚選手は単独走行で2位フィニッシュ。HAYATO IIDA選手が今季初参戦で3番グリッドから3位表彰台に立った。
ROTAX MAX CHALLENGE MAX Masters
25歳以上のドライバーが対象のMAX Masters。13台によるレースがスタートすると、オープニングラップで綿谷浩明選手が3番グリッドからトップに立ち、これにポールの渡邉賢人選手、加藤雅規選手、長戸和也選手が続いて4台によるトップ争いが繰り広げられた。
中盤には渡邉選手が先頭の座を奪うも、4周で綿谷選手がラップリーダーに復帰。以降のラップを背後からのプレッシャーに耐え抜いた綿谷選手が、待望の初優勝を飾った。渡邉選手は0.09秒差の2位フィニッシュでポイントリーダーの座を堅守。加藤選手が今季2度目の参戦で3位入賞を果たした。
ROTAX MAX CHALLENGE Junior MAX
小学5年生~17歳のドライバーが対象のJunior MAXは今季、4戦で4人の優勝者が乱立する混迷のシリーズになっていた。そこに今回5人目のウィナーとして名乗りを上げたのが柴崎尊選手。タイムトライアルのトップから予選を1番手で終えると、決勝も1周目からの独走でポール・トゥ・ウィンを達成し、パーフェクトウィンで堂々の初優勝をつかみ取った。
セカンドグリッドの豊岡快選手はスタート直後に大きくドロップし、代わってここまでポイントリーダーの関谷拓真選手が4番グリッドから序盤で順位を上げて、2位に入賞。井ノ瀬喜仁選手がグリッド順どおりの3位フィニッシュで自己最上位を更新した。
PHOTO/今村壮希[Souki IMAMURA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/水谷一夫[Kazuo MIZUTANI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



