2025シーズンも北海道が地方選手権表彰式の先鋒!札幌市内に王者たちが集う!!
2025年12月25日
2025シーズンも全国8つの各地区では、JAF地方選手権などのタイトルを賭けてアツいバトルが繰り広げられた。一年間をかけて王座を争い、チャンピオンはじめ優秀な成績を収めた選手たちを讃えるのが、各地区のモータースポーツ表彰式だ。今季も北海道地区が先陣を切り、12月6日に札幌市内にて「JAF北海道地方選手権/JMRC北海道シリーズ戦モータースポーツ表彰式2025」が開催された。
JAF北海道地方選手権/JMRC北海道シリーズ戦
モータースポーツ表彰式2025
開催日:2025年12月6日
開催地:札幌サンプラザ 金枝の間(北海道札幌市)
主催:JAF北海道本部、JMRC北海道
北海道モータースポーツの今季を締めくくる晴れの舞台は、札幌市北区に建つ「札幌サンプラザ」。コンサートも行えるホールやホテル、プールも備える複合施設で、2024シーズンから会場を担っている。
昨季、復活を遂げたビュッフェ形式の料理は今季もふるまわれた。JMRC北海道シリーズ戦の表彰式で乾杯の音頭とともに“解禁”されると、出席者たちは種類も豊富な料理の数々を味わいながら、式典を楽しんでいる様子だった。
式典は16時にスタート。その前には、札幌サンプラザ至近の札幌市北区民センターにて、JAF北海道本部とJMRC北海道による「2026年モータースポーツカレンダー調整会議」が開催された。来たる2026シーズンに道内で各競技会を主催するクラブの代表者たちが集い、今季の活動報告に始まり、来季開催する各カテゴリーの北海道地方選手権をはじめ競技会の開催日と、競技会名の確認と調整などが行われた。
JAF北海道地方選手権表彰式
JMRC北海道が制作した、今季の北海道モータースポーツを振り返る動画によって式典は幕を開け、迫力の走行シーンの数々に場内は見入っていた。JAF地方選手権を1シーズンかけて争った選手たちを表彰するJAF北海道地方選手権表彰式は、厳かな雰囲気の中で行われた。開会の挨拶にJAF北海道本部の小島雄一事務局長が登壇、続いてJAFモータースポーツ部から業務課の小林修課長が壇上に上がった。年明け早々から先月まで、長い北海道モータースポーツのシーズンを戦い抜いた選手とチーム関係者、そして彼らが競う競技会を支えた主催クラブ、コース所有者や自治体などの関係者たちを労った。
表彰は、JAF北海道ジムカーナ選手権、JAF北海道ダートトライアル選手権、JAF北海道ラリー選手権の順で賞典が授与された。ジムカーナは小島事務局長、ダートラは小林修課長、ラリーはJAF北海道本部の村上直樹事業部長とJAF札幌支部の西條崇事務所長から、各クラスのチャンピオンたちに賞典が手渡された。更に今季は『JAF賞』として、チャンピオンたちにはお米券も贈呈。思わぬプレゼントに、緊張の面持ちだったチャンピオンたちの頬も緩んだ。
2025年JAF北海道ジムカーナ選手権
2025年JAF北海道ダートトライアル選手権
2025年JAF北海道ラリー選手権
2025年JMRC北海道シリーズ戦表彰式
2025年JMRC北海道シリーズ戦表彰式は、JMRC北海道の永井真運営委員長による開会の挨拶で始まるはずだった。しかし、永井運営委員長は出席が叶わず、石川和男ジムカーナ部会長が登壇。続けて株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント事業企画部TRD事業グループの、柏村勝敏ゼネラルマネージャーによる乾杯の音頭とともに、ビュッフェ形式の食事が始まった。
JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズからスタートした表彰は、JMRC北海道Moty’sダートトライアルシリーズ、JMRC北海道TEINラリーシリーズ、JMRC北海道スノーチャレンジカップ、JMRC北海道クラブマンカップレースシリーズ、JMRC北海道トヨタカローラ札幌GRガレージ札幌西オートテストシリーズと今季復活なったJMRC北海道サーキットトライアルシリーズ、7シリーズでの上位入賞者に賞典が贈られた。
ジムカーナが石川和男ジムカーナ部会長、ダートラは瀬尾毅ダートトライアル部会長が、ラリーは秋葉貴之ラリー部会長と藤原篤志ラリー副部会長、レースとサートラは柴田誠レース部会長、オートテストは古島淳一オートテスト部会長と、例年どおりJMRC北海道の役員たちが受賞者たちに賞典を贈った。また、ジムカーナのミドル部門とダートラのジュニアクラスの各クラス上位3選手には開催コースのひとつ、オートスポーツランドスナガワの指定管理者を務める株式会社邦明商事から走行券も進呈。ウデを磨く機会が増えた受賞者たちは、大いに喜んだ。
2025年JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ
2025年JMRC北海道Moty’sダートトライアルシリーズ
2025年JMRC北海道TEINラリーシリーズ
2025年JMRC北海道スノーチャレンジカップ
2025年JMRC北海道クラブマンカップレースシリーズ
2025年JMRC北海道サーキットトライアルシリーズ
2025年JMRC北海道トヨタカローラ札幌GRガレージ札幌西オートテストシリーズ
JMRC北海道各シリーズの上位入賞者たちの表彰に続き、2025年JAF全日本ダートトライアル選手権PN2クラスのチャンピオンを獲得した、張間健太選手に特別賞を授与することを発表。JMRC北海道の工藤晶裕オフィシャル部会長が張間選手に賞典を手渡した。
そして、毎シーズン恒例となっている、道内開催のモータースポーツ競技会を数多く撮影している、陶山護カメラマンが今季撮影した写真の中から最高の写真を選ぶ『フォトジェニック賞』も発表。ラリーRA-1クラス、ドライバーの金藤公人選手がドライブする、三菱・ランサーエボリューションVIIIが雪道を駆ける写真が選ばれた。
続けて協賛企業から提供された販促グッズや家電まで、様々な景品を揃えた抽選会を実施。目当ての景品を狙う出席者たちの悲喜こもごも、大きな盛り上がりを見せて式典は終幕。JMRC北海道の西野義人副運営委員長による挨拶で締めくくった。受賞者たちは年が明けるとすぐに始まる、新シーズンでの健闘を誓いながら散会となった。
2025年JAF北海道地方選手権「初」チャンピオンインタビュー
村上周選手は今季も王座を争う中、2位の第6戦で愛車のスバル・インプレッサWRX STIにアクシデント。第7戦参戦を悩んだが、「周りの人たちから『すぐ走らないとトラウマみたいになって走れなくなるよ』って。じゃあ“トラウマにならない程度に抑えよう”」と切りかえて代車で参戦、貴重な一勝を掴んだ。実は「ちょっと攻め切れない感じになって。“もっとイケたよね”という感じがして」と、今季は苦戦したそうだ。第7戦も「ひたすらクルマ壊さないように、攻め切ってないのになまじ勝ってしまったので……」と消化不良の様子。その中でも、「焦り過ぎないように、コンスタントに走れるように。若い頃は“いけー、ドーン! ダメだったらズーン(笑”だったのを、アベレージというか間とるように、気持ち的なものを意識してきました」と、続けてきた走りが7戦中5戦でトップ2の安定感に結実し、初戴冠。「明後日から溶接祭りです(苦笑」と、来季に向けて愛車は修理中。「(シードゼッケンが011で)ダブルワン、獲れるといいなぁ。走って“今日はやったゾ!”って全くなかったんで、そういう走りをしたいですね」と、二連覇を目指して語った。
高橋和多利選手は同じ北海道大学自動車部出身の和氣選手と組んで、昨季は3戦に挑み2勝。今季は参戦した4戦全てで勝利を挙げる強さを見せた。「部室に落ちていたランサーを先輩にもらって(笑」とダートラから始め、ドライバーでラリーに参戦したことも。「先輩に頼まれて横に乗ったりしていました」と、始めたコ・ドライバーは4季目。一貫して四駆ターボ車両のクラスに挑む。「走りながらペースノートの要望が出てくるのでアジャストして。どんどん良くしていこうっていう流れです」と、刻一刻と進化するナビゲートで気をつけるのはタイミング。「コーナーでスピードが遅いところから速くなる、その逆も、速度の変化があると結構難しいんですけど事前に情報入れて、ちゃんと手前で姿勢をつくれるように読むのを一番気にしています。蘭越(第3戦)の最終SSが個人的にはやり切れたな、と思います」とは、ドライバー経験もあるからこそ。「ペースノートやリーディング以外にも時間やクルマの管理とか、そういった部分は全然まだまだと思っているので、レベルアップしたいですね」と更なる目標を抱き、和氣選手との新たな挑戦に期待したい。最後に「インプレッサのラリー車を持っているんです。いつかはドライバーで出てみたいですね」と夢も明かした。
昨季の松嶋選手は4戦で石田選手と組んでランキング3位。今季は石田選手の強い希望もあり、フル参戦を果たして初の地区戦王者に輝いた。「順位的にも厳しい瞬間がかなりありましたし、髙橋龍生選手も力をつけてきていて、焦る瞬間が多かったです」と熾烈な王座争いを勝ち抜いた。挙げた勝利は一つだけだったが「1月の千歳から全部に必ず参戦ってことが重要で、一番大きかったのかな」と、全戦で着実にポイントを積み上げたことを勝因に挙げた。「ライセンス獲ったのは10代の頃のはずなので、もう十年くらい。最初からコ・ドラです」と若くして経験は豊富。「ドライバーもできる方もいらっしゃいますが、私はコ・ドラしかできないので、とにかくドライバーのモチベーションを保ち続けて、“楽しいラリー”をやろうって。それは侑生君もお互いの気持ち的にそうなので、明るく楽しく笑って終われるよう気にしています。インカーを見た方から『すごく楽しそうだね』って言われるんですよ」と、好結果を生む秘訣を明かした。来季も石田選手とともに「夏頃からの参戦のつもりでいます」とのこと。また「色々な方の横にも乗ってみたいんです。RA-1だったり英語読みの方と組んだり、多くの経験を積みたいです」と、コ・ドライバーとして高みを目指す思いも語った。
表彰式でも様々な選手から「リーダー」と声がかかり、北海道ラリーのリーダーとして、カテゴリーを越えて慕われている藤澤選手。スラローマーとして活躍していたが、関根選手に“放牧”されてラリーに転向して10年以上、ついにチャンピオンとなった。インプレッサを駆ってRA-1で戦っていたが家庭の事情もあり手放し、今季は「ちょっと暇な時に使おうかな」とトヨタ・ヴィッツを購入。「(得意な)冬二戦出たら勝っちゃったんで出たんですけど、甘くはなくて。四駆ターボの乗り方でタイム出ないんですよ」と、第3戦は7位。「“本番が練習”みたいな感じでSS走る度に修正して。何やっても一番獲れなかったんですけどタイム出るようになって、最終戦では2番手とか獲れて。僕の中で卒業試験はクリアしたかな、と思ってます」と、ベテランの域に達しなお、シーズン中に成長して最終戦では3位を掴み獲り、戴冠を成し遂げた。「初めて、走れる人と組んでアドバイスもらったり、次の走りを一緒に考えたり、すごく勉強になりました。ラリーは一人の競技じゃない、クルマ壊しても戻してくれるメカニックはじめチームにも恵まれて、ラリーを本当に堪能した一年でした」とコ・ドラはじめ周囲への感謝を語った。来季は「走る一本一本を勝つ気持ちでいきたいです。三苫(和義)さんにボロ負けしたので、やっつけたいですね」と、意気込みを明かした。
フォト/大野洋介[Yosuke OHNO] レポート/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



