シーズンさながらの熱量で中部モータースポーツ表彰式が開催
2026年2月12日
2025年のJAF中部地方選手権およびJMRC中部シリーズ戦で優秀な成績を残した選手を表彰する、中部モータースポーツ表彰式が1月31日に三重県鈴鹿市のホテルで開催。式典会場は例年同様に華やかな雰囲気に包まれ、厳かに表彰が執り行われた。
JAF中部地方選手権/JMRC中部シリーズ戦 2025年JAF中部モータースポーツ表彰式
開催日:2026年1月31日
開催地:鈴鹿サーキットホテル サクラホール(三重県鈴鹿市)
主催:JAF中部本部、JMRC中部
今年も中部管内ではモータースポーツ表彰式と懇親パーティー、そしてJMRC主催のサーキット走行会がパッケージになったイベント「JMRC中部モータースポーツday 2026」が開催。深夜から早朝にかけて小雪やみぞれが降る冬型の天気となった1月31日、2025年中部モータースポーツ表彰式は寒さに負けず劣らずの熱気を帯びて執り行われた。開催場所は毎年恒例となっている鈴鹿サーキットホテルだ。
イベント当日は16時から第1部の中部モータースポーツ表彰式が行われるスケジュールだが、午前にJMRC中部の理事会、正午に理事・運営委員特別委員会が鈴鹿サーキットホテル THE MAINのミーティングルームNo.2で実施され、13時30分からはミーティングルームNo.1に場所を移してクラブ・団体代表者会議が行われる流れとなっている。
第45回を数えるクラブ・団体代表者会議ではJMRC中部運営委員会の嶽下宗男運営委員長が冒頭に挨拶し、第1号議案から第9号議案まで各運営委員からさまざまな報告がなされた。この会議にはJAF中部本部の稗田浩司事務局長、JAF本部モータースポーツ部の大野光一普及振興課長、JAF中部本部の鷲見泰央事業部長、JMRC中部の鈴木隆史理事長、JMRC中部の武山策彌理事が来賓として臨席している。
表彰式の式典会場は、ホテルレストラン THE DININGの2階にあるパンケットホールのハナミズキ。開場前から表彰対象者や関係者がロビーを埋め尽くす賑わいを見せ、16時から開幕となった。司会進行は昨年と同じくフリーアナウンサーの重田あさみ氏。レーシングカート等でお馴染みの朗らかな声で会場内を明るく盛り上げていた。
主催者を代表してJAF中部本部の稗田事務局長が「1年間の競技を終えられました選手の皆さま、本日は誠におめでとうございます。活動を1年間支えた各クラブ、競技会オーガナイザー、ならびに多くの関係各所の皆さまには心より厚く御礼を申し上げます」と冒頭で挨拶。また、#thanksofficialキャンペーンの動画がスクリーンに映し出され、オフィシャルや審判員に向けて謝辞を述べた。
続けてJMRC中部の嶽下運営委員長が「本日は入賞されました皆さま、大変おめでとうございます。JMRC中部の選手権ですけど、JAFの地方選手権とダブルタイトルで開催しております。こうした競技会を支えて運営しているのは我々JMRCの仲間でございます。皆さんが安心して競技できるように我々スタッフは頑張ってきましたが、今年度も継続して参ります」と主催の挨拶。
各競技ごとに2025年を振り返るショート動画が映し出されて賞典の授与がスタート。最初は2025年11月28日に行われたJAFモータースポーツ表彰式の後に最終大会を迎えた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の表彰だ。ドライバーチャンピオンの野村勇斗選手が登壇し、JAF中部本部の稗田事務局長からVトロフィーを誇らしげに受け取った。
そしてJAFジュニアカート選手権やJAF地方カート選手権 鈴鹿シリーズの表彰へと続き、JAF中部ジムカーナ選手権/JMRC中部ジムカーナチャンピオンシリーズ、JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアルチャンピオンシリーズ、JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズ、JAF鈴鹿・岡山スーパーFJ選手権、JMRC中部ラリーチャレンジシリーズ、JMRC中部ジムカーナミドルシリーズの順で賞典が贈られた。
JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 表彰
JAFジュニアカート選手権 表彰
JAF地方カート選手権 鈴鹿選手権シリーズ 表彰
JAF中部ジムカーナ選手権/JMRC中部ジムカーナチャンピオンシリーズ 表彰
JAF中部ダートトライアル選手権/JMRC中部ダートトライアルチャンピオンシリーズ 表彰
JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズ 表彰
JAF鈴鹿・岡山スーパーFJ選手権 表彰
JMRC中部ラリーチャレンジシリーズ 表彰
JMRC中部ジムカーナミドルシリーズ 表彰
つつがなく進行した表彰式の後は記念の集合写真撮影を行い、出席者は一旦会場の外に退出。そして18時から第2部・懇親パーティーがスタートする。JMRC中部の福田淳三副運営委員長がパーティーの挨拶を務め、「来年に向けて楽しいひと晩となりますように皆さん和気藹々とやっていきましょう」と述べ、会場は一気に穏やかな雰囲気に包まれた。
続けてJAF本部モータースポーツ部の大野普及振興課長が「2025年の競技を終え、本日表彰されます皆さまにおかれましてはそのご活躍に対しまして心より敬意を表します」と、所用により表彰式への出席が叶わなかった村田浩一部長のお祝いのメッセージを代読。「新しい年が皆さまにとって素晴らしい年になることを祈念いたします」と、乾杯の音頭を取った。
立食形式のビュッフェが始まると、表彰式の緊張から解放された表彰対象者たちが笑顔を見せ、会場中央に並んだ料理に舌鼓を打つ様子があちこちで見られた。並行して懇親パーティーの司会を務める重田氏が、各競技カテゴリーの選手にインタビューを実施し、戦友たちが見守る中、チャンピオン獲得の喜びの声が会場内に響き渡っていた。
楽しい宴の1時間30分はアッという間に終焉を迎える。中締めはJMRC中部の青木啓児副運営委員長で、昨年の懇親パーティーの壇上で語った「モータースポーツって楽しいッスよね?」という自身の発言をネタに会場を沸かせた。懇親パーティーで英気を養っていた様子もうかがえ、2026年度の中部モータースポーツのさらなる飛躍が期待できるイベントだったと言える。
■2025年JAF全日本選手権/中部地方選手権「初」チャンピオンインタビュー
6歳でレース活動を始め、カートからフォーミュラへのステップアップを経て、2025年はスーパーフォーミュラ・ライツでタイトルを獲得した野村選手。年をまたいでチャンピオンの表彰を受けたことで、今はうれしさより次の目標に向けて集中力を高めている段階のようだ。「いよいよ国内最高峰まで来ることができました。すごく楽しみな反面、より結果が求められるので、ルーキーとは言えど結果にこだわっていきたいですね」と、スーパーフォーミュラとスーパーGTでのレースに意気込む。そんな野村選手はモータースポーツについて「テレビの中継を見ているだけでも十分面白いですけど、現地に実際足を運んでもらうと迫力がすごいと思いますし、エンジン音や速さも生で見ると他のスポーツでは味わえないような、心臓がバクバクするような迫力を感じられると思います」と魅力を熱く語る。「皆さんに面白いと思ってもらえるようなレースができるように頑張りたいです」と、抱負を語った。
「35年前にジムカーナやってまして、2024年の春くらいにまたやろうかなと見てたら『オートマ走ってるじゃん!』って。全日本でメルセデス(AMG・Aクラス)走ってて『じゃあBMWだ』ってことで」と、若原選手はジムカーナでは珍しいBMW・M135i xDriveが相棒。「地区戦はたまたま成立した3戦で2回勝っただけですが、それでもチャンピオンなんで、胸張ります(笑)」と謙遜するも、復帰初年度で初戴冠。久々の競技会では「昔はタイムが出ないと、ダビングしてもらったビデオを見て『ああ、そうだったのか』って分かるんだけど、今はゴールした瞬間、動画を送ってくれて『ココだ!』とすぐ分かる。ストレスないのがスゴいなって」と、進化に感心したそうだ。「2025年、西日本フェスティバルに行ったら近畿の人たちがものすごく速いんですよ。一生懸命練習して頑張ろうと思います。明日も練習会ですけど、荷物の積み込みから楽しいんです。とにかく楽しんで続けたいですね」と笑顔で語った。
「絶対チャンピオンっていう目標の中で満点チャンピオン、それ以上に全戦優勝できてなによりうれしいです」と、岡選手は喜びのコメントを発した。「落ち着いて走れば大丈夫って確信はあったので、なるべくパイロン触らずマージンを取りつつタイムを出す走りに切り替えて、自分を落ち着かせて走れたのが良かったです」とクールな走りでPN1を完全制覇。「ジムカーナを始めたときが部活のEK9シビック、その次がZC32SスイフトスポーツとFF続きで、一度全日本目指してFFを極めたいとヤリスに。全日本でベテランのスゴい方々が走られてて、スイフトスポーツのころから目標でした」と、新シーズンは全日本PN1クラスにフル参戦。「まずは走りの安定度を増したいです。昨年、全日本の奥伊吹とJAFカップに出たとき、パイロンタッチが多くて……。1本目からパイロンに触らず攻める走りができるよう、オフの間に走り込んでます。最低目標は年間1勝、ランキング3位には入りたいですね」と、新たな挑戦に目を輝かせていた。
地区戦に挑戦して3季目の2025シーズン、鈴木選手は開幕第1戦で初優勝と好スタート。「それまで大した結果残せなかったんです。急に調子が良くなり始めて、第2戦も優勝した第1戦の流れに乗れて、そのままチャンピオン獲ったところがあります。あまり実感がないままきた感じです」と語る。「実は2024シーズンの終わりくらいに足回りのセッティングを変えて、急にタイムが伸び始めたんです。コーナー中盤手前くらいからアクセル踏み始めてそのまま全開、みたいな。『前と違うところはコレだからタイムが出たんだと分析し、じゃあもっとタイムが出るにはどうすれば良いか』を考えると、連鎖的にコツをつかめましたね」と、大きな手応えがあったようだ。「エンジンを載せ換えていて、大きくセッティングが変わるでしょう。また“沼”にハマると思いますけど、すごく楽しみにしています。クルマが開幕戦に間に合うかどうか分からないんですけど(笑)」と、BSC2に転向する新シーズンが待ち遠しそうな様子だ。
トミーアルパカ選手はその名の通り、アルパカのマスクを被って表彰を受ける姿が中部ジムカーナ名物となっている。「 東海シリーズに出たのが約5年前で、次の年にフルで出たらチャンピオンが獲れて、地区戦に上がって『チャンピオン獲るぞ!』と意気込んだけど3年かかっちゃって……。初年度からイケる想定だったんですけどね」とついに王座に就いた。「昨年はエンジンのオーバーホールが間に合わず、人のクルマでダブルエントリーして、気持ち的には下がっているところからスタートしたんですけど、ワン・ツーで2位獲れて『イケるんじゃないか?』ってそのままの流れでいけました」と戴冠の要因を分析する。「第6戦を前にLSDを換えてたものの、1本目を走って全然タイム出なくて……。1秒以上離されていたんですけど、スイッチ入って思いっきり走ったら0.002秒差で勝ちました。あれは会心の一本でした」と振り返る。「今年は全日本全戦に出ようと考えています。入賞常連は狙いたいですね」と新たな挑戦に意気込んでいた。
Dクラスの絶対王者、佐藤宗嗣選手とフォーミュラカーのTG47でダブルエントリーした岸正隆選手は、“師匠越え”を果たして初戴冠。「フル参戦は初めてで、しっかり出続けて成長できました。第2戦で初めて優勝して自信がつき、チャンピオンまでいけたと思っています」と振り返る。学生フォーミュラ出身で当時はカートにも乗っていたそうで「普通のコーナリングは速いんですが、課題のサイドターンはフロントタイヤが転がりながら、あまりカウンター当てずに回ることを意識して、上手くできるようになりました」とのこと。だが神奈川県在住のため、実車での練習が厳しく「シミュレーターを導入して、フォーミュラカーにサイドブレーキをつけるなど似た条件をつくって練習しています」と工夫してウデに磨きをかけたそうだ。「例えば学生フォーミュラのドライバーに向けてこういう世界があるって広まったら、Wエントリーできますよね。若い層にDクラスを広めて、盛りあがれば楽しいですよね!」とクラスの発展にも意欲的だ。
「大変うれしいですね!」と、チャンピオンとして懇親パーティーで文字通り美酒を堪能した様子で、赤ら顔で上機嫌に応えてくれた名倉選手。これまでダートトライアルは遊びの延長で楽しんでいたようだが、2024シーズンにシリーズ2位の悔しさを味わい、2025年はタイトル奪取に向けて真面目に取り組んだという。「楽しさは目減りしましたが、純粋にスポーツとして真剣にやろうと頑張りました」と語る。その甲斐あって最終戦では勝ってチャンピオンを決めた。「2025年のCUSCO &Winmax &DUNLOP・Bライセンス競技若手育成支援プログラムのサポートを受けられたことも大きいですが、とくに伊藤木型さんには大変お世話になりました。伊藤木型さんがあったからこそ、自分がチャンピオンを獲れたんだなってすごく思います」と周囲のサポートに感謝しきりの名倉選手。そして今シーズン、目標として全日本選手権で勝つことを掲げた。「PN3クラスで全戦出場し、まずはひとつ勝ちます。ゆくゆくはシリーズチャンピオン目指します」と抱負を語った。
2025シーズン、西畑選手にとって人生初の“優勝”を経験することとなり、またチャンピオンも獲得してしまうという、うれしさと驚きが混在するシーズンになった。成績が安定した理由について、「慣熟歩行の精度向上はもちろん、スタートからゴールまで一筆書きをイメージする方法に変えたことで、走りの組み立てが向上しましたね」と言う。転機となったのは池の平ワンダーランドでの初優勝で、練習では速くても本番で結果が出ず悩む中、一発勝負のレベルを上げることに集中して殻を破ったようだ。2026シーズンは全日本での表彰台を目標に、高速コースへの対応力を強化中とのこと。トップ選手との差については模索中だが、車載映像などから走りの思考を探っている。ダートトライアルについては「舗装路と違い、個性的な走りであっても速いみたいなことがあるのが面白さでしょうか。コースのコンディションが変わるから、一発勝負の要素が結構大きいところも楽しいですね」とその魅力を語っている。
2025シーズンの開幕戦では、チャンピオンというポジションまで登り詰めている自分が想像できなかったという松井選手。表彰式の会場に来て、自らがチャンピオンになったことを改めて実感したそうだ。「これまでセーブして走っている自分がいました。クルマのポテンシャルを引き出せていなかったんです。それを反省点として『もうちょっと行けるんじゃないか?』と限界を模索しました」と、イメージトレーニングを積み重ねて走りに結びつけていった。2025シーズンを振り返ってもらうと、池の平ワンダーランドで開催された第2戦が印象に残っていて「地元開催という勝たなければならないプレッシャーがありましたが、いつもより踏めたことで逆にうまくコントロールできましたね」と、ひと皮むけた走りができたことがチャンピオン獲得の要因であると分析する。「ダートトライアルはクルマを好きなように操作できるのが非日常で楽しいです。童心に返って泥だらけになる感覚っていうも魅力だと思います」とまとめた。
「2019年に出場した全日本学生ダートトライアル選手権大会でEP82スターレットを駆り、個人でチャンピオンを獲ったんです。それで地区戦や全日本に出たときにどのくらい通用するのかずっと心残りで……。卒業してから心に引っかかっていたことが、今回このようにチャンピオンという形で具現化でき、良かったなと思います」と伊東選手。自動車部の部車と同じEP82スターレットにこだわり、スイフトスポーツなどを相手にタイトルを獲得した。「スイフトスポーツは戦闘力があると思うんですけど、意地ですね。車重は軽くできるので、良いところを伸ばすようにしました。弱いところや壊れやすいところは原因を考え、今の部品で置き換えたりできないかとか。そうした考えでやれば勝負できるんじゃないかと思いましたね。結果、地区戦で1位3回、2位1回、3位1回とポイントを獲って、また全日本でも通用することが確認できたので、そこには納得しています」と言い、EP82で勝利することが「めちゃめちゃ気持ちいいです」とクルマへの愛を感じるコメントを残した。
吉田選手の2025シーズンは、実は2024年のスーパーFJ日本一決定戦からスタートしていた。「ぶっつけ本番だったんですけど、トップ3のタイムは出せていたので感触は悪くありませんでした。手ごたえもあったので、うまくつなげられたと思います」と、開幕戦で快進撃を見せる。だがライバルたちも好調の走りを見せ、吉田選手の前に立ちはだかった。タイトル争いは最終戦まで持ち越されたわけだが、「最終戦の鈴鹿は負けたらチャンピオンを逃すっていう状況で、しっかり勝ってチャンピオン決められたんで一番印象的なレースでした」と振り返る。自身の強みである“冷えたタイヤで攻めた走り”ができたことが大きな要因だったようだ。その布石はカート時代に培ってきた経験からで「感覚的なものになるんですけど、冷えたタイヤでカートを速く走らせた実績がフォーミュラに活きてきた感じです」と分析。自身の注目ポイントについて「アグレッシブな中にも戦略的に考えた走りもできるというところを見てもらいたいです」と語った。
PHOTO/今村壮希[Souki IMAMURA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



