新井敏弘/田中直哉組が3年ぶりの王座奪還を確定

レポート ラリー

2018年10月17日

全日本ラリー選手権は10月12~14日、第9戦が岐阜県高山市近郊のエリアで行われ、JN6クラスではスバルWRXを駆る新井敏弘/田中直哉組が、最終戦を待たずにシリーズチャンピオンを確定した。

2018年JAF全日本ラリー選手権第9戦 第46回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2018 supported by Sammy
開催日:2018年10月12~14日
開催地::岐阜県
主催::M.C.S.C.

 残すところ、あと2戦となった全日本ラリー選手権は、第9戦が今季6戦ぶり、3度めのターマックラリーとして10月12~14日に行われた。舞台となったのは今年で46回めを迎えた伝統のラリーハイランドマスターズだ。

 今年のハイランドマスターズも、ここ数年のスタイルを踏襲。モンデウス飛騨位山スキー場駐車場にHQ、サービスパークを置き、計5本のステージを2日間でトータル12SS、87.28kmをアタックする。SSの総距離が、土曜のLEG1の42.86kmに対して日曜のLEG2は44.42kmと全日本としては珍しく日曜の方が距離が長い設定になっているのが特長だ。

 各クラスとも接戦が続いているだけに、天王山の様相を呈す一戦となったが、やはり一番の注目を集めたのが最高峰のJN6クラス。しかしラリー直前、タイトルレースの主役の一人であった勝田範彦選手が怪我のため欠場という衝撃的なニュースが飛び込んできた。期せずしてポイントリーダーの新井敏弘/田中直哉組(富士スバル AMS WRX STI)に今回、タイトル確定の可能性が大きく浮上する形でラリーはスタートした。

 LEG1ではSS1「青屋」で鎌田卓麻/市野諮組(itzz DL SYMS WRX STI)が2番手の奴田原文雄/佐藤忠宜組(ADVAN-PIAAランサー)を7.9秒も引き離すスーパーベストでまずラリーをリードする。鎌田組は2度めの青屋となったSS4でも、調子を上げてきた新井組を2.9秒差で下すなど好調をキープ。2番手の新井組を6.3秒差に従えて首位で折り返したが、翌LEG2、2本めのSSとなった「あたがす」で駆動系トラブルが発生、無念のリタイヤを強いられてしまう。これで首位争いは新井組と奴田原組のバトルに転じたが、新井組がLEG1のリードを守り切ってトップフィニッシュ。今季5勝目を飾って3年ぶりとなるチャンピオンを確定させた。

 JN5クラスでは川名賢/保井隆宏組(CUSCO ADVAN DS3R3MAX)が両日ともトップで終えるフルポイントの26点をマークして快勝。今回3位に入った小濱勇希(KYB DUNLOP DS3R3TMAX)が2年連続のドライバーズタイトルを確定させた。JN4クラスは山口清司/山本磨美組(jmsエナペタルADVAN久與86)が第2戦に続く今季2勝めをマークした。このクラスはポイントリーダーの上原淳(DL・シャフト・KTEC・タイプRユーロ)がリタイヤに終わったため、最終戦は上原、関根正人(KYB DUNLOP スイフト)、山本悠太(Sammy☆K-one☆ルブロスYH86)の三つ巴が白熱する展開となりそうだ。またJN3クラスでは前戦ラリー北海道で連勝がストップした天野智之/井上裕紀子組(豊田自動織機・DL・ヴィッツ)が2番手に1分近い大差をつける勝利で再び強さを見せ付けた。

 JN2クラスは明治慎太郎/北田稔組(Sammy☆K-one☆ルブロスYH86)が、鈴木尚/島津雅彦組(スマッシュDL itzzコマツBRZ)の追撃をかわして今季2勝めをマーク。JN1クラスでも内藤学武/小藤桂一組(YH Moty’sBRIG G4スイフト)が雪の開幕戦に続く2勝めをあげた。なおこのクラスでも、今回3位に入った古川寛/廣田幸子組(スマッシュDLitzzインディゴスイフト)が最終戦を待たずに初のシリーズタイトルを確定させている。

今季、グラベル戦初優勝を飾った新井敏弘/田中直哉組が3年ぶりのシリーズチャンピオンを確定した。
JN5クラスは川名賢/保井隆宏組が前戦ラリー北海道から連勝を飾った。
JN4クラスでは山口清司/山本磨美組が第2戦唐津に続く優勝をマークした。
JN3チャンピオン確定済みの天野智之/井上井上裕紀子組がシーズン8勝目をあげた。
JN2クラスは明治慎太郎/北田稔組が鈴木尚/島津雅彦組とのマッチレースを制して優勝。
前戦欠場でタイトルが遠のいたかに見えた明治選手だが、今回の優勝で一縷の望みを繋いだ。
JN1は若手成長株の内藤学武/小藤桂一組がターマック初優勝を飾った。
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