JAF東北地方選手権・JMRC東北シリーズの2018年モータースポーツ表彰式が宮城で開催!
2018年12月25日
東北六県で行われたレースやラリー、ジムカーナ、ダートトライアル等の2018年シリーズの栄誉を称えるモータースポーツ表彰式がJAF東北本部とJMRC東北により開催された。
JAF東北地方選手権・JMRC東北シリーズ
2018年モータースポーツ表彰式
開催日:2018年12月16日
開催地:ホテルニュー水戸屋(宮城県仙台市)
主催:JAF東北本部、JMRC東北
雪が舞い散る12月16日(日)、宮城県仙台市の秋保温泉にある「ホテルニュー水戸屋」コンベンションホール「曙」にて、年末の恒例行事となっている、JAF東北地方選手権及びJMRC東北シリーズのモータースポーツ表彰式が行われた。
表彰式では、JAF東北ジムカーナ選手権やJAF東北ダートトライアル選手権、JAF菅生スーパーFJ選手権、JAF菅生サーキットトライアル選手権のほか、JMRC東北ダートトライアルチャンピオンシリーズやJMRC東北菅生スーパーFJ選手権、JMRC東北菅生サーキットトライアル選手権、JMRC東北レースシリーズ(ロードスターカップ)、JMRC東北ジムカーナシリーズ、JMRC東北ラリーシリーズにおける、2018年の上位入賞選手が招かれて、180名を超える表彰対象者にシリーズ賞典が授与された。
式典は、主催者代表としてJAF東北本部の後藤誠本部長とJMRC東北の小野守平運営委員長の挨拶、及びJAFモータースポーツ部の村田浩一部長の乾杯により13時から開幕。
用意されたケータリングを堪能しながら、各カテゴリーの表彰が行われた。今年もステージに向かうレッドカーペットが用意され、チャンピオンが最後に花道を歩んで登壇するスタイルを採用。JMRC東北ラリーシリーズの表彰では、レッドカーペットの両脇を他の表彰対象者が拍手で彩って、華やかさの演出に一役買っていた。
今年からスタートしたJAF菅生サーキットトライアル選手権/JMRC東北菅生サーキットトライアル選手権では3クラスが成立。BD-1とBD-3、BD-4のチャンピオン以下17名が表彰された。残念ながら、JAF菅生スーパーFJ選手権/JMRC東北菅生スーパーFJ選手権の表彰対象選手達は、当日ツインリンクもてぎで開催された「S-FJ&F4日本一決定戦」に参加するため、シリーズ6位の板橋健幸選手のみの参加となった。
また、10月に末に新千歳モーターランドで開催された「2018年JAFカップオールジャパンジムカーナ/JMRC全国オールスタージムカーナ in 北海道」のPN2で優勝した工藤典史選手と、11月初旬にスピードパーク恋の浦で開催された「2018年JAFカップオールジャパンダートトライアル/JMRC全国オールスターダートトライアルIN九州」のPN1で優勝した工藤清美選手も改めて表彰され、ジュニアカート選手権FP-Jr Cadets部門で東地域を戦い、東西統一競技会でチャンピオンを獲得した山形県の五十嵐文太郎選手も招待され、改めて「Vトロフィー」が授与された。
そして、新千歳のJMRC全国オールスタージムカーナで行われた「地区対抗戦」では、東北&関東合同チームが優勝。JMRCオールスタージムカーナの優勝旗が、JMRC東北ジムカーナ部会長の植松聖史部会長に小野運営委員長から手渡された。
2018年JAF東北選手権チャンピオンインタビュー
ツヤツヤのEF8 CR-Xを駆り、2018年JAF全日本ジムカーナ選手権ではシリーズ2位を獲得した小武拓矢選手。2016年はJAF北海道ジムカーナSH-1で初チャンピオンを獲得し、2018年はJAF東北ジムカーナSA-2WDと全日本SA1を追い掛ける多忙な一年となった。
「東北シリーズは学生時代の古巣なんですが、学生時代は散々で、実は一度も表彰台に上がれてないんですよ(笑)。大会では4位が最高で、シリーズは何とか3位に入れた程度。なので、今季はチャンピオンを獲りに行くつもりで真剣にシリーズを追いました。その理由は、全日本にも出ている後輩の下河辺友貴くんの存在。彼は学生時代に東北のチャンピオンをちゃんと獲っているので、負けていられないなと対抗心が芽生えました(笑)。今季の東北ダートラS-1チャンピオンの武者祐介選手も、現役でタイトルを獲ってます。自分ができなかったことなので、それが羨ましくて(笑)。ようやく忘れ物が回収できました。北海道と東北でタイトルが獲れたので、次の狙いは……関東、ですかね(笑)」。
JAF全日本ジムカーナ選手権SA4にも参戦している高瀬昌史選手。関東在住で全日本ジムカーナを追いながら、ふとしたキッカケで東北シリーズも追いかけることになり、自身初のJAF地方選手権タイトルを異郷の地で獲得することができた。
「今季は純粋に東北シリーズを追いました。当初は全日本の東北ラウンドの練習のつもりだったんですが、出てみたらシリーズを追ってる方々に上手い人が多かったり、勉強になることがあったりして。それと、地元の方々に嫌がられるかなという不安もあったんですが、いざ出てみたら、すごく歓迎してくれたんですよね。『次も来てくださいね!』って。それで『出られるだけ出よう』と思って追いかけたら『あれ? チャンピオン狙えそうだぞ』ってなって、何だかんだで最終戦の手前の大会まで追いかけて、SA-4WDのタイトルが獲れたんです。実はこれまで地区戦チャンピオンを獲ったことがなかったので、それも後押ししましたね(笑)。一年間追いかけてみて、コースも面白いし、人柄もいいし、食べ物も美味しかった(笑)。来シーズンもできる限り追いかけようかと思ってます」。
ダートラ歴25年で、かつてE38Aギャランで腕を鳴らした坂本貴選手。公認競技を離れてからも、同級生の笹本俊選手の全日本サービスなどに参加していたが、2016年秋にGKフィットで復活。3年目となる今季は佐藤卓也選手や葛西一省選手ら全日本勢、同じGKフィットを駆る関東の岩崎健二選手らを向こうに回し、初の東北戦タイトルを獲得した。
「以前乗っていたEKシビックもパーツがなくなって、1500ccのクルマでスイフトスポーツに対抗したい、という思いもあってGKフィットにしました。昨シーズンまでは工藤清美店長とダブルエントリーして、ライン取りから何からいろいろと指導してもらって、何とか乗れるようになってきました。PN車両は定員乗車だし、静かだし、パワーもないので無駄な動きはできません。まだまだやることがあるので、チャンピオンの実感はまだないんです。今季は私だけ皆勤賞なので、頑張って追いかけたご褒美かなと思ってます」。
東北大学大学院生として東北ダートラを追いかけた武者祐介選手。自動車部員にありがちな”ワケあり6年生”ではなく、学業とモータースポーツを両立してきた注目株だ。
「学部の4年間はジムカーナをやっていて、JAF戦ではなく『七大戦』を頂点とした学生の大会をメインに出てました。3年生の七大戦のときに部車でダートラを初体験して、4年生では自分のクルマでジムカーナとダートラの両方に参戦したんです。それを一台でやっていたので、さすがにクルマが壊れまくって、成績も経済的にもキツくなっちゃったんです。そんなときに、大会にデモランで来てくれた全日本の川村選手から名指しで褒められて、それで再びヤル気が出たんです(笑)。自分は勢いで走るタイプなので、ダートラの方が性に合っているかもしれないとも思いました。それで大学院生になってからはダートラ一本に絞りました。ジムカーナに比べると走りの正解が見えにくいですし、人によってスタイルも様々。度胸一発の走りで、自分もタイムが出たこともあって、もちろん繊細に考えないといけない部分もあるんですが、一筋縄ではいかないところが面白く感じてます。学部生のうちから全日本に挑戦した先輩もいましたけど、自分は地区戦に絞って、今季はタイトル獲得に集中しました。獲りたい大会を獲れたので、思い通りの戦いができました。来シーズンは就職で関東に戻るんですが、活動は続けていきたいと思ってます」。
今シーズンは全日本ダートラSA2からSC2にスイッチして、改造車の熟成に奔走してきた大西康弘選手。大西選手は東北を代表するベテランラリーストで、東北ダートラでも今季は車両の熟成を兼ねてナンバー付きと改造車の両方を走らせていた。ところが、東北S-2は両方の車両が混走するクラスのため、今回の東北S-2初タイトル獲得となった。
「東北でのタイトルは今から36年ぐらい前、当時出たばかりのAE86で獲得しました。もう東北でシリーズチャンピオンを獲ることはないと思ってましたが、シリーズ4位で今季の最終戦のチャンピオン争いに挑んだら、ライバルの皆さんが大コケで(笑)。若干計算が狂って、チャンピオンを獲得することができました。これは天の恵みですね。来シーズンも大先輩の藤田哲也選手と一緒に、頑張って盛り上げていきたいと思ってます」。
青森県五所川原市で「すとうmriクリニック」の院長を務める須藤正人選手。2017年は東北S-2を戦い第5戦切谷内では優勝。参戦初年度で東北シリーズ6位の成績を獲得している。今シーズンは、全日本ダートラD部門と東北シリーズD部門を掛け持ち、2017年東北Dチャンピオン秋間忠之選手とタイトル争いの末、初の東北Dチャンピオンを獲得した。
「2017年からダートラを始めたんですが、ダートラの師匠である『みちのくオート』の三上悟社長が最高のマシンを作ってくれて、最高の態勢を整えてくださったおかげで、参戦2年目でチャンピオンが獲れました。今シーズンの全日本では第8戦今庄の4位が最上で、シリーズでは11位でしたので、来シーズンはもっと高い位置を目指して頑張ります」。
JAF筑波サーキットトライアル選手権B1で連続タイトルを獲得している吉崎久善選手。菅生シリーズでは排気量1600cc以下の前輪駆動もしくは"軽自動車"のJAFスピードB車両とスピードD車両が走れる「BD-1」クラスに、愛機EA11Rカプチーノで参戦した。今季は混走する白ナンバーのFF勢に押されながらも、シリーズ唯一のドライ路面だった開幕戦では総合4番手タイムをマーク。今季2勝で菅生BD-1初代チャンピオンを獲得した。
「2017年の段階で、筑波で統一ルールを作って、岡山と菅生の3箇所で2018年から新たにシリーズを始める話を聞いたんですが、ターボ付きの軽自動車が出られることになったので追うことにしました。今季は雨だったからライン取りが難しくて。第2戦ではヘアピンでいきなり失敗したり、大変な思いをしました。若い頃は仙台ハイランドをよく走ってたので、やっぱり高低差のあるコースは楽しいですね。来シーズンはクラスが細分化される可能性もあるみたいなので、規則がうまくハマれば参戦したいと思ってます」。
以前は日産GT-Rにも乗っていたという熊谷秀明選手。今季の菅生シリーズにはブラックのポルシェ・カレラSで参戦。後輪駆動のJAFスピードB車両とスピードD車両が参加できる「BD-3」に、第2戦からエントリーして菅生BD-3初代チャンピオンに輝いた。
「宮城県利府町にあるチューニングショップの勧めで参加することになりました。今まで走りはやってなかったんですが、仕事の得意先の方がレースをしていて、お誘いを受けて2017年にサーキットデビューしました。クルマはノーマルなんですが、BD-3に出ることになりました(笑)。動画サイトを見ながら走り方を学んでますが、初サーキットからタイムも10秒以上アップしてますし、タイヤもハイグリップではないので、まだまだタイムは伸びると思います。今季は雨ばっかりだったんで、リアが滑りっぱなしで(笑)。パドックでの過ごし方も含めて辛かったですね。でも、大変楽しませていただきました」。
筑波サーキットB3クラスのタイトルホルダーでもある佐藤清貴選手。今季の菅生シリーズ新設に伴いCT9Aランサーで遠征してきた。参加した「BD-4」は四輪駆動のJAFスピードB車両とスピードD車両が出られるクラスで、開幕戦こそライバルのインプレッサ使い・原勝人選手にコンマ差で勝利を奪われたが、第2戦以降は3戦連続で大差を付けたオーバーオールウィンを獲得。菅生BD-4初代チャンピオンの座をモノにした。
「今まで筑波ばかりで、ほかのサーキットを走ったことがなかったので、菅生が始まると聞いて参加しました。いざ走ってみたら結構面白いコースだったのでシリーズを追った感じです。東京からの遠征でしたが、今季は筑波と菅生の全戦を追いました。筑波では3位でしたが(笑)。4戦中3戦が雨だったので、もっとドライで走りたかったというのが心残りです。もし来シーズンも出られれば、ぜひドライの菅生を全開で走りたいですね」。