鈴鹿サーキットが「新たなモータースポーツの観戦スタイルとレースの創造」を発表
2019年3月19日
鈴鹿サーキット等の施設運営を行うモビリティランドが、モースポフェス2019で今年の主なトピックスについて発表を行った。

SUZUKA 10HOURSを始め、新たなレースや取り組みを行っている鈴鹿サーキット。モースポフェス2019 SUZUKA開催中の3月2日、2019年も引き続きさまざまなことにチャレンジしていくという施策の発表があった。
まずF1日本グランプリについて、若者を中心とした新たなファンを集客するために、10,000人のホンダ応援席を設置することを決定。ホンダが2チーム4台にパワーユニットを供給したことを受け、ドライバー&チームに日本グランプリで活躍してもらうことが狙いだ。
そして昨年F1日本グランプリで好評だったプラスチック製のスペシャルチケットをより進化させ、ドライバーおよびチームの70種類のチケットパスを設定。ファンが一番欲しいチケットパスを購入できる仕組みが構築される。
若者対策の一環として、高校生大学生という括りだった既存のチケットを、U23(15歳~23歳以下)が対象のチケットに変えて販売。中学生までの子供については3,000円のチケットを継続。より多くの若者にF1を楽しんでもらうことがうかがえる。

続いてル・マン24時間レース主催のフランスの西部自動車クラブ(ACO)との友好協定について、それぞれのサーキットで耐久レースを開催している縁から、鈴鹿8時間耐久ロードレースとル・マン24時間ロードレースにおける相互トロフィーの授与を開始。
具体的には鈴鹿8耐ではヨーロッパトップチームに「ル・マンアワード」を、ル・マン24時間ではアジアトップチームに「鈴鹿アワード」をそれぞれ贈呈する。
その他、相互プロモーションとして、双方のレースの生中継や交流イベント、コースサイドへの看板の設置、観戦ツアーや公式グッズ販売まで、さまざまな取り組みが予定されている。

2017年に友好協定が締結されているベルギーのスパ-フランコルシャンとの取り組み状況については、今年スパ-フランコルシャンに鈴鹿の看板が設置されることが決定。なお鈴鹿には2018年のF1グランプリ開催の際、V席グランドスタンド裏の逆バンクコーナー稜線にスパーフランコルシャンの看板が設置された。
また2018年はSUZUKA 10HOURSとスパ24時間の両方に参戦し、決勝レースの周回数が最も多かったチームに「Spa-Suzuka CUP」が贈られた。2019年も継続して行われる。
スパーフランコルシャンの敷地内には友好協定を紹介する日本庭園が設置された他、旅行商品として双方サーキットの周辺観光と合わせた観光プランの共同開発、共通ロゴを使用したオリジナル商品の開発を開始した。

最後は「新たなモータースポーツの観戦スタイルとレースの創造」に関する協定について。モビリティランドとNTTドコモ、双方が保有する資源や機能を有効的に活用し、次世代ネットワーク5Gの実証実験を行うこととなった。
3月2~3日に開催されたモースポフェスの期間中、5Gを経由してスマートフォン等のデバイスにマルチ映像をリアルタイムに送受信させる実証実験を実施した。8月に開催されるSUZUKA 10HOURSでは、新たな実証実験の検討を行っているとのこと。
5Gの活用に併せ、最終コーナー付近に7月にオープン予定の新観戦エリア「コースビューテラス」に、主要コーナーのカメラ映像や、タイミングモニターのリアルタイム配信を開始する。アプリをダウンロードして専用Wi-Fiに接続し、任意の画面を選択することで、応援しているチームのレース展開を把握することができるというものだ。さらなるモータースポーツ文化の発展が期待される。

フォト/JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部