【PR】FIA公認・安全防護フェンスに込めた "突き抜けない"テクノロジー

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2019年4月10日

丈夫で、軽くて、よく観える!"FIA公認デブリフェンス"上陸

サーキットで観客席とコースの間に立ち、安全を確保している「フェンス」。実はこの度、世界で初めて「FIA公認」を取得したフェンスが、日本にも上陸することになった。ということで、ここでは、その最新セーフティアイテムの詳細を徹底解説しよう!

[問]ジェオブルッグジャパン株式会社
https://www.geobrugg.com/Japan/

 この度、日本に上陸したモータースポーツ用フェンスは、スイスのGEOBRUGG(ジェオブルッグ)社が長年開発を重ねてリリースしているFIA公認モデル。
 モータースポーツ界では、このような防護柵を「デブリフェンス」と呼んでおり、デブリ(走行車両、及び走行車両から出るあらゆる破片など)をコース内に留めるためのセーフティアイテムなのだ。

同社のデブリフェンスは、東京・台場で開催されたFIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップにて国内では初採用された。

 「FIA公認」とは、モータースポーツの安全性と公平性を司るFIA国際自動車連盟が、あらゆるアイテムに対して一定の基準を定め、それらをクリアしたものだけが、モータースポーツの世界標準として各国で利用することができるという制度。
 意外なことに、FIA公認を取得したデブリフェンスはこれまでなかったそうで、2018年、ジェオブルッグ社が世界に先駆けてデブリフェンスにFIA公認を取得したのだ。

写真のような意匠のFIA公認マークが、FIA公認デブリフェンスであることの証だ。
使用素材や試験方法など、FIAのあらゆる基準を収めたデブリフェンスの「FIA3502-2018スタンダード」。
 ジェオブルッグ社がラインナップするフェンスの中でFIA公認を取得しているのは、常設型の「DF350」と可搬型の「mDF350」の2種類。ともにフェンス部には超高強度金網「ROMBO G80/4」を採用し、FIA仕様に応じた鋼製支柱で支えている。  規定ではフェンスの伸びが後方3mまでと定められているため、Φ15mmケーブルを横方向に50cm間隔で配置している。その上、結合コイルを縦方向に通してケーブル6本の伸びを抑えるという念の入れようだ。
ジェオブルッグ社のFIA公認モデルで、常設型の「DF350」。
もう一つの公認モデルは可搬型の「mDF350」。

 ちなみに、ジェオブルッグ社は、もともとモータースポーツに特化した企業ではなく、落石や土石流、雪崩、地滑りなど、自然災害を防ぐ製品の開発を主力としている。
 そんな同社がモータースポーツの世界に関わったキッカケは、製品の自然災害に対する高い効能がFIAに伝わり、既存のフェンスの試験評価を依頼されたことに始まるという。

落石や土石流に対する防護柵の開発が主力だ。

 FIA公認取得にあたり、モータースポーツの安全と持続可能性を検証する研究機関「FIAインスティテュート」が監修する中で、専門家との共同作業により様々な実証実験が行われた。まずは780kgのFIAテストボールを65km/hでフェンスに当てる試験。
 溶接金網や一般的な菱形金網では突き抜けてしまう結果となったが、ジェオブルッグ社の超高強度金網はしっかりと鉄球を受け止め、突き抜けることはなかったという。

左がジェオブルッグ社の超高強度金網、右が一般的な菱形金網を使った試験。

 また、量産車(これもFIAに基準がある)をベースとした車両重量1t程度のFIAテスト車両を用いて、約20度の角度を付けて150km/hでフェンスに当てる「有角度衝突車両試験」も実施。車両がフェンスに飛び込んだ瞬間の、後方への伸びをしっかり抑えて、車両から飛来物が発生しても、あらゆる”デブリ”をフェンス内側に留めている。

150km/hで射出されるFIAテスト車両。支柱は曲がっても車両やデブリは内側に残った。

 ジェオブルッグ社のデブリフェンスは、なぜ突き抜けないのだろうか。その秘密は、やはりフェンスに使われる鋼材にある。通常は手で曲がってしまうような鋼材が使われるところを、ちょっとやそっとの入力では曲がらない強度を与えているのだ。
 また、そうなると鋼材自体の重量が増加してしまうものだが、同社では、高い強度と軽さを両立させられる鋼材を使用することで、重量増によるあらゆる負担を軽減している。

素線1本で車両が持ち上がる、高い張力を持ったΦ4mmの超高強度ワイヤーを使用する(右写真の下)。

 また、フェンスの編み方にもノウハウがあり、やや厚みを持たせる編み方をすることで、クッション性を高めている。その結果、衝撃を1点に集中させず「全体」で受け止められるようになり、最小の変形で、最大のエネルギーを吸収できる構造になっているのだ。

ジェオブルッグ社のデブリフェンスは「縦長の菱形」がトレードマーク。
「厚み」を持たせたフェンスの編み方に、衝撃を吸収できるノウハウがある。

 そして、ギャラリースタンドの観客にとって大切なのが「可視性(先を見通せる)」。安全性が高くとも観客席からコース内が見えにくいようでは、現実的な使用が難しくなってしまう。
 ジェオブルッグ社のデブリフェンスは、一般的なフェンスに比べて可視性が高いのも特徴。横方向に通すワイヤー間隔も、従来は25cm間隔という規定だったが、同社製品の高い防護性が認められて、50cm間隔へと広げることができたのだ。

左がジェオブルッグ社、右が一般的なフェンス。違いは一目瞭然だ。

 ジェオブルッグ社のFIA公認デブリフェンスは、すでに多くのサーキットで採用が進んでおり、オーストリアのレッドブルリンクやアラブ首長国連邦のヤスマリーナサーキットでも同社製品が装備されている。国内のサーキットでは未だ実績はないが、東京・台場で開催されたFIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップでは、過去の2大会連続で可搬型の「mDF350」が採用されている。
「ワイヤロープ製造から始まったジェオブルッグ社の歴史ですが、自然災害を防ぐ防護柵を長きに渡って独自開発する過程で、人々の財産と生命を守ることが信条となってきました。モータースポーツのフィールドでは、もし何かが飛び出しそうになったとしても、何が何でもコース内に残すこと。これが大切だと考えております」  とは、ジェオブルッグジャパンの西村信人氏のコメントだ。

今回お話を伺ったのはジェオブルッグジャパンの西村信人氏(右)と、ジェオブルッグ本社モータースポーツ・ソリューション担当のヨハン・ブラウンワース氏。

 テスト環境とその結果に対する徹底したこだわり。人命に関わるアイテムだけに、ジェオブルッグ社では、高い安全意識をもって長年研究開発を続けてきている。
 このような同社の真摯な姿勢と、数多のテストで得られた高い試験成績が、世界各地における信頼を得て、FIA公認をも取得した理由なのだろう。

 
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