快走を見せた新井大輝WRXが最高峰クラスでグラベル初優勝
2019年7月12日
全日本ラリー選手権はシリーズを折り返す第6戦が北海道を舞台に開催され、第4戦を制した新井大輝/小坂典嵩組(ADVAN KYB AMS WRX)が再び圧巻のスピードを見せ、今季2勝目を飾った。
2019年JAF全日本ラリー選手権第6戦 Sammy ARKラリー・カムイ
開催日:2019年7月5~7日
開催地:北海道
主催:TEAM ARK
グラベル4連戦の2戦目を受け持った主催クラブのアーク・オートクラブ・オブ・スポーツ(TEAM ARK)は、昨年、それまでの洞爺湖町から北方のニセコ町・蘭越町を中心とするエリアに開催地を移した。それに伴い、名称も『ラリー・カムイ』へと変更し、今年も基本的には昨年のステージを踏襲する形とした。
ラリーの設定に関して、土曜のLEG1にウェイトを置く全日本主催者が多い中で、TEAM ARKは今年、日曜のLEG2に23kmという長丁場のSSを2度走らせる設定とし、最終日にも大きな勝負所を用意した。
グラベル初戦の前戦モントレーを制した前年のチャンピオン、新井敏弘/田中直哉組(富士スバル AMS WRX STI)が今季2勝目一番乗りを果たしたJN1クラス。昨年同様、グラベルラウンドで勝利を重ねてタイトル防衛を確実なものとしたい新井敏弘組だが、今回は1番ゼッケンで砂利掻き役を強いられたこともあり、タイムが伸びない。
代わって首位に立ったのは5番ゼッケンで走った息子の新井大輝/小坂典嵩組。砂利が掃けたフラットダートを踏み抜いてSS1から3連続ベスト。このLEG1のセクション1だけで 2番手の新井敏弘組に対して20.8秒のリードを築く。
セクション1の再走となりイコールコンディションとなったLEG1の2ループ目では、鎌田卓麻/鈴木裕組(itzz DL SYMS WRX STI)がペースを上げ、SS5でこの日初のベスト。しかし新井大輝組もSS6でこの日、5度目となるベストで応酬、2番手に上がった鎌田組に22.6秒差で折り返す。挽回が期待された新井敏弘組は、マシン不調もあって、40.9秒遅れの4番手と出遅れてしまった。
明けた最終日LEG2は昨年から逆走となったKNOLL REVERSE、そして23kmのORCHIDというふたつのステージを2回ずつ走るという設定。しかし最初のSS7KNOLL REVERSEで何と新井敏弘組がコースアウト。鎌田組もパンクを喫してタイムロス、勝田範彦/石田裕一組(ラックSTI 名古屋スバル DL WRX)に2番手を取って代わられてしまう。SS7を制した新井大輝組はこの混乱に乗じて、勝田組に41秒という大きなリードを築くことになった。
勝田組はSS8でベストを奪い、新井大輝組との差を僅かながら詰めるが、SS9、新井敏弘組がリタイヤした同じコーナーでコースアウト。前日のLEG1のリードを守り切った新井大輝組が第4戦久万高原ラリーに続く今季2勝目をあげ、最高峰クラスでは初となるグラベルラリー制覇を達成した。2番手にはラスト2本で意地のベストを連発した鎌田組が入り、終盤ペースを上げた奴田原文雄/佐藤忠宜組(ADVAN-PIAAランサー)がランサー勢最上位となる3位に入った。
JN2クラスでは上原淳/漆戸あゆみ組(DL・ラカリテ・シャフト・シビックユーロ)が、3年連続でARK主催の全日本ラリーを制して今季初優勝。JN3クラスは山本悠太/山本磨美組(Sammy☆K-one☆ルブロスYH86)が前戦モントレーから連勝して早くも今季4勝目をあげ、タイトルレースのリードを広げた。
JN4クラスでも関根正人/草加浩平組(KYB DUNLOP スイフト)がグラベル2連勝。JN5、JN6クラスは今回も2台のヴィッツが盤石の走りを見せてJN5天野智之/井上裕紀子組(豊田自動織機・DL・ヴィッツ)は今季5勝目を獲得。JN6クラスでは大倉聡/豊田耕司組(アイシンAW Vitz CVT)が唯一の開幕6連勝を飾り、初のタイトルに王手をかけた。
※今回のラリーの模様は速報動画ダイジェストが公開されています。ぜひご覧下さい。
https://www.youtube.com/channel/UC70tEDWVDS7KwKoKea1WPUQ??
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