北海道ラリー最終戦でRA-1コ・ドラ高橋和多利選手はじめ初地区戦王者が続々確定!

レポート ラリー

2025年10月21日

2025年JAF北海道ラリー選手権は、シリーズの最後を飾る第6戦「とかち2025」が10月11・12日に陸別町をホストタウンとして開催された。今季の北海道地区戦は、厚真町とむかわ町で9月20・21日に開催予定だった第5戦「RALLY EAST-IBURI 2025」が、20日夜から翌朝にかけて降った豪雨によりラリールートに被害が出たため急遽、中止を決定。そのために実質、全5戦のシリーズとして行われることになった。

2025年JAF北海道ラリー選手権 第6戦
2025年JMRC北海道TEINラリーシリーズ第6戦
2025年XCRスプリントカップ北海道 第6戦
とかち2025

開催日:2025年10月11~12日
開催地:陸別町
主催:R.T.C

 今季2度目のフルグラベルラリーとなったとかち2025はここ数シーズン、名物ステージとして親しまれていた「YAYOI」に代わって、5.07kmの「KITA TOMAMU LONG」が林道ステージとして新たに設定された。

 KITA TOMAMUは過去、JAF全日本ラリー選手権「RALLY HOKKAIDO」などで「KUNNEYWA」の名称で一部が使われた高速のステージで一カ所、減速のためのシケインが設けられたが、それでもRA-1クラスのトップ勢は90km/hを超すアベレージスピードで駆け抜けた。今後、継続して設定されるようになれば、このラリーの新たな名物ステージとなるだろう。

 アイテナリーはKITA TOMAMUと、9月上旬に開催したRALLY HOKKAIDOでも使用された4,64kmの「RIKUBETSU LONG」を、3つのセクションで各一回ずつ走るトータル29.13km、6本のSSで勝負を繰り広げた。天候はレッキが行われた11日から12日午前までは降雨がなかったが、正午頃から断続的に雨が降り続いたため、各クルーとも軟化していく路面に格闘を強いられるラリーとなった。

2025年JAF北海道ラリー選手権の最終第6戦「とかち2025」は、JAF全日本ラリー選手権の一戦「RALLY HOKKAIDO」の一部でも舞台となる陸別町で開催。「RIKUBETSU LONG」ステージの一部にもなるオフロードコース、陸別サーキットの駐車場にサービスパークが設けられた。

2025年JAF北海道ラリー選手権 第6戦

RA-1クラス

 14クルーが参戦し、今回のラリー最多エントリーを集めたRA-1クラスには、開幕三連勝と今季絶好調の和氣嵩暁/高橋和多利組が第3戦以来の復帰となった。和氣/高橋組は早速、SS1“KITA TOMAMU 1”で2番手の増村淳/髙篠孝介組を5.8秒差で下してトップに立つ。続くSS2“RIKUBETSU LONG 1”も、逆転チャンピオン確定に僅かな可能性を残す近藤拓/川名賢組を0.9秒差で下して連続ベストタイムを奪取する。

 近藤拓/川名組はSS3“KITA TOMAMU 2”でも2番手タイムで食らいつく。しかし、ベストの和氣/高橋和多利組には6.6秒の遅れをとる苦しい展開で、増村/髙篠組との2番手争いに注力することに。RALLY HOKKAIDOにも長く参戦してきた増村選手にとって、二本のステージは馴染みがある道だけに、近藤拓/川名組も容易には引き離せないラリーとなる。

 一方、和氣/高橋和多利組はその後もベストを獲り続けて、終わってみれば6SSを完全制圧。今季は無敗でシーズンを終え、和氣選手は2023シーズン以来のRA-1チャンピオン返り咲き、高橋和多利選手は初の地区戦チャンピオンを確定させた。

 和氣選手は「KITA TOMAMUは初めて走りましたがわりと好きなタイプの道だったので、SS1から頑張れました。道が狭くて高速なので神経を使いましたが、雨が降って濡れた路面の方がクルマを動かしやすかったです。RIKUBETSUは去年、関根さんに負けたので今年はしっかりイメージトレーニングして臨んだのが良かったのか、全部ベストが獲れたので良かったです」と会心のラリーを振り返った。和氣選手の師匠で優勝候補の一角、関根正人選手とコ・ドライバー松川萌子選手のクルーは車両トラブルのため、残念ながらSS1終了後にリタイアとなった。

 一方、2位争いは近藤拓/川名組が3ループ目の二つのSSで増村/髙篠組を突き離して、7秒差をつけてフィニッシュ。和氣/高橋組には22.9秒の遅れをとったが、近藤拓選手は「今日は川名さんにアドバイスをもらいながら、ペースノートのつくり方を変えて走りました。和氣選手のスピードにはついていけなかったけど、今回の成果を次に繋げていきたいと思っています」と、リベンジを誓っていた。

RA-1クラスの和氣嵩暁/高橋和多利組(DUNLOP・IRS・Gセキネンランサー)は三菱・ランサーエボリューションⅨを武器に6本全てのSSを制圧、今季4勝目で満点チャンピオンを確定させた。
RA-1の2位と3位は新旧スバル・インプレッサWRX STI勢が占めた。ハッチバックのGRB型を駆る近藤拓/川名賢組(KZF兆クスコWMモティーズDL GRB)が2位(左)、増村淳/髙階孝介組(AKM MOTORSPORTS GDB増村)がセダンのGDB型をドライブして3位を獲得した(右)。
RA-1は5位までのクルーが表彰された。左から4位の今井聡/安東貞敏組(AKM MOTORSPORTSランサー今井)、2位の近藤拓/川名組、優勝した和氣/高橋和多利組、3位の今村/髙階組、5位の山田健一/竹下紀子組(DL・IRS・itzz・GセキネンWRX)。

RA-2クラス

 RA-2クラスは同じクラブに所属し、ともにスズキ・スイフトスポーツを駆る高橋龍生/古崎翔太組と泉祐悟/小池征寛組が1秒を切る僅差のバトルを展開。最終のSS6“RIKUBETSU RONG 3”を迎えた時点では高橋龍生/古崎組が泉/小池組を1.6秒リードする状況でラストバトルとなった。

 このステージは前走のSS2、SS4ともに泉/小池組がベストを獲っており、逆転も十分ありえる中で始まったが、泉/小池組はステージ後半でスイフトのフロントウインドーが曇りだす、痛恨のトラブルが発生。このSSを獲った高橋龍生/古崎組に27.2秒もの遅れを取り、逆転の可能性は潰えてしまった。

「泉さんとこんなに最後まで競ったのは初めてです」とラリーを振り返った高橋龍生選手。続けて「今回はブレーキの仕様を変えたんですが、その感触が掴めてきた2本目のKITA TOMAMUで、雨が降ってくる前にタイムを出そうと頑張った結果、ブッちぎれたのが勝因ですね。路面が濡れてからは、なかなか苦労しました」と激戦を制した走りを分析した。まだ25歳と若手ながら、第4戦から二連勝を飾ってランキングも2位を確定。2026シーズンの活躍が期待されるところだ。

 2位には最終SSで泉/小池組をかわした石田侑生/松嶋比奈子組が入賞。今季、優勝は第3戦「2025 ARK Sprint 300」のみに留まったが、その一勝が効いてチャンピオンを確定させた。泉/小池組は今季参戦した4戦全てトップ3フィニッシュと安定した速さを見せたが、高橋龍生/古崎組には及ばず、ランキング3番手でシリーズを終えた。

RA-2クラスはスズキ・スイフトスポーツを操り、0.1秒を巡る優勝争いを展開した高橋龍生/古崎翔太組(DXLワークステクノ鹿ソニックスイフト)が二連勝でシリーズを締めくくった。
RA-2で三菱・ミラージュを駆る石田侑生/松嶋比奈子組(ガレージセキネンミラージュ)が2位を獲得。石田選手は二連覇、松嶋選手は初の地区戦チャンピオンを確定させた(左)。高橋龍生/古崎組と優勝を競った泉祐悟/小池征寛組(ワコーズワークステクノスイフト)は最終SS6でスイフトにトラブルが発生して3位となった(右)。
RA-2は左から2位の石田/松嶋組、優勝した高橋龍生/古崎組、3位の泉/小池組のトップ3が表彰を受けた。

RA-3クラス

 RA-3クラスは、九州から参戦するシリーズの常連、ホンダ・フィットRSを駆る三苫和義/中田昌美組がSS1で2番手以下に7秒近い大差をつける。三苫選手によると「全然、攻めてないよ。軽く路面に合わせて走っただけ」とのことだったが、好スタートを切る。続くRIKUBETSUのSS2でもベストを連取、セクション1でリードを拡大した。

 しかし、セクション2に入ると同じ九州組でトヨタ・ヴィッツRSを操る原口真/中谷篤組がSS3でベストをマーク。SS4“RIKUBETSU LONG 2”でも三苫/中田組を抑えて2番手タイムであがり、8.1秒差に迫る。だが三苫/中田組はSS5“KITA TOMAMU 3”で原口/中谷組を3.1秒差で下すこの日3度目のベストをマーク。最終のSS6も2番手であがり、原口/中谷組に13.9秒の差をつけて逃げ切った。

「RALLY HOKKAIDOから柔らかいスプリングに変えたのが、今日もタイムに繋がったね」と、三苫選手は勝因を分析。「今までタイムが出なかったRIKUBETSUでもベストが獲れたし、何よりも乗りやすくなったので、クルマなりに走らせればタイムが出せる感じになっているよ」と、フィットの仕上がりぶりに満足の様子を見せた。

 一方、原口選手は「今日は無理しないと(三苫/中田組に)追いつけない感じだった。ただ、そういう走りをするとミスも多くなるから難しいラリーだったよ。かなりフィットは決まってる感じだね」と完敗を認めた。

 全日本でも場数を踏んできたベテランドライバーによるバトルに絡めなかった地元勢は、3位争いが白熱。最終SS6で順位が大きく動いて、近藤太樹/中村真一組が僅か0.1秒差で藤澤和弘/尼子祥一組を抑えて、トップ3の一角を射止める結果となった。中村選手は2023シーズン以来二回目、藤澤選手は4位に終わったが初のチャンピオンを確定させた。

RA-3クラスの三苫和義/中田昌美組(ISMF奥原商会フィット3)はホンダ・フィットRSを操り3SSでベストタイムをマークして勝利を挙げた。
トヨタ・ヴィッツRSを駆ってSS3でベストを奪った原口真/中谷篤組(ISMF SPM RECARO BRIG奥原商会ヴィッツ)がRA-3の2位に入った(左)。3位は近藤太樹/中村真一組(Gセキネン・デミオ)がマツダ・デミオをドライブして0.1秒の僅差で奪取した。
RA-3もトップ3が表彰された。左から2位の原口/中谷組、優勝した三苫/中田組、3位の近藤太樹/中村組。

2025年JMRC北海道TEINラリーシリーズ第6戦

チャンピオンRA-4クラス

 地区戦RA-4クラスはヴィッツのCVT車両を駆る室田仁/鎌田雅樹組の単独エントリーとなったため、不成立となった。しかし、ダブルタイトルとして懸かる2025年JMRC北海道TEINラリーシリーズのチャンピオンRA-4クラスでしっかり6SSを走り切った。

チャンピオンRA-4クラスは室田仁/鎌田雅樹組(ちのねSP・DUC・ルート6札幌Vitz)が孤軍奮闘、フィニッシュまでCVT搭載のヴィッツを運び、鎌田選手はチャンピオンを決めた。

ジュニアRA-1クラス、ジュニアRA-2クラス、オープンクラス

 ジュニアRA-1クラスでは遠藤文俊/小林春樹組が第3戦に続く今季2勝目を獲得してチャンピオンを決めた。ジュニアRA-2クラスでは、トヨタ・セリカを駆る辻祥汰/伊藤大輝組がサバイバルラリーを生き残り優勝、辻選手は3位に終わった第3戦のリベンジを果たしている。また、ジュニアRA-2と同じく三つ巴となったオープンクラスは宇野直哉/宇野祐哉組が制した。

ランエボ同士の一騎討ちとなったジュニアRA-1クラスだったが、SS3から一人旅となったランエボⅥを駆る遠藤文俊/小林春樹組(ガレージセキネンランサー6)が優勝し、チャンピオンも獲得した。
ジュニアRA-2クラスはSS3までにライバルが次々と戦線離脱。生き残った学生クルーの辻祥汰/伊藤大輝組(北大Ahresty白セリカ)がトヨタ・セリカをフィニッシュに導き、勝利を収めた。
トヨタ・アクア、GRB型インプレッサ、スズキ・ジムニーと異種格闘技戦の様相となったオープンクラスは、アクアをドライブする宇野直哉/宇野祐哉組(TRSアクア)がSS2以降を連取して制した。

2025年XCRスプリントカップ北海道 第6戦

 2025年XCRスプリントカップ北海道も今回のラリーで最終第6戦を迎えた。地区戦と同じく、第5戦として予定されていたEAST-IBURIが中止となったため、今季は全5戦でチャンピオンが争われることになった。

XC-2クラス

 XC-2クラスは、ドライバーの番場彬選手と羽根田琴選手、浅井明幸/古川和樹組が開幕第1戦からフル参戦している。最終戦ではMana PORNSIRICHERD/Kittisak KLINCHAN組、竹岡圭/山田政樹組が第4戦RALLY HOKKAIDOから続けての参戦となり、3車種5クルーによるバトルとなった。

 SS1から順調な滑り出しを見せたのはトヨタ・ハイラックスを駆る番場/梅本まどか組。ドライバー部門ではすでに番場選手がチャンピオンを決めている。しかし、コ・ドライバー部門では梅本選手が1戦欠場しているために未確定で、番場選手は絶対に完走が求められるラリーとなった。

 KITA TOMAMUは以前、RALLY HOKKAIDOでKUNNEYWAを走った経験を持つ番場選手は、「好きなタイプの道だったけどハイラックスでは初めてだったし、後半は雨が降り出してコンディションも変わったので何度かドキリとする場面もありました」とのことだったが、最終SS6までベストを連発。5戦全勝でシリーズを締め括り、梅本選手も初のチャンピオン獲得となった。

 2位はハイラックスをドライブするPORNSIRICHERD/KLINCHAN組と三菱・エクリプスクロスPHEVを操る浅井/古川組が争った。RIKUBETSUでは経験で勝る浅井/古川組が3本とも上回ったものの、林道のKITA TOMAMUは地元タイでのラリーレイドで高速グラベルステージの走行に慣れているPORNSIRICHERD/KLINCHAN組が3本とも10秒前後の差をつける展開に。最終的には28秒差でPORNSIRICHERD/KLINCHAN組が競り勝ち、開幕戦以来となる2位を獲得した。

XC-2クラスの番場彬/梅本まどか組(CUSCO YHジオランダーHILUX)は番場選手の全戦優勝、梅本選手のコ・ドライバーチャンピオンを賭けて今回の一戦に臨み、トヨタ・ハイラックスとともに6SS全てを制する速さで駆け抜けて優勝、目標も達成した。
タイから海を渡ってXC-2に参戦を続けるMana PORNSIRICHERD/Kittisak KLINCHAN組(TOYOTA HILUX FAST FOWARD)が2位を獲得し、ハイラックス勢が1-2フィニッシュを決めた(左)。XCRスプリントカップ北海道ならではの車両、三菱・エクリプスクロスPHEVで戦う浅井明幸/古川和樹組(帯広三菱TOYOエクリプスクロスPHEV)が3位入賞を果たした。
XC-2は左から2位のPORNSIRICHERD/KLINCHAN組と優勝した番場/梅本組、トップ2が表彰された。

XC-3クラス

 XC-3クラスはランキングトップでスズキ・ジムニーシエラをドライブする、藤野秀之/玉城詩菜組がSS1でベストを奪取。優勝がチャンピオンへの最低条件と崖っぷちの奈良裕/花田圭一組も、ジムニーを駆って1.9秒差の2番手タイムで続いて藤野/玉城組の隙を伺う。

 藤野/玉城組はSS2でもベストを連取するが、「リアの足回りを変えたら動きが良くなった」と好調のダイハツ・ロッキーを操る相原泰祐/上原あずみ組が2.8秒差で食らいつく。2度目のKITA TOMAMUとなったSS3では奈良/花田組が再び藤野/玉城組に3.6秒差の2番手タイムをマークしたが、RIKUBETSUでのSS4はペースを上げることができず、SS5ではアクシデントによりリタイアとなってしまい、チャンピオンの夢は潰えてしまった。

 藤野/玉城組は6本のSSを全てベストであがる快勝を収め、盤石の4連勝で初のXC-3チャンピオンに輝いた。コンスタントに2番手タイムを並べた相原/上原組が第2戦に次ぐ2位を獲得し、大塚祐樹/渡邊雄矢組がトヨタ・ライズを3位に導き、XCR北海道初の表彰台に上がった。

D1グランプリで活躍するドリフターコンビ、藤野秀之/玉城詩菜組(WISTERIA TY ジムニーシエラ)はジムニーシエラを武器に6SS全て大差で制す圧倒的な速さでXC-3クラスを制し、チャンピオンに輝いた。
XC-3の2位はダイハツ・ロッキーを駆る相原泰祐/上原あずみ組(D-SPORT Racingロッキー)、3位にはトヨタ・ライズをドライブする大塚祐樹/渡邊雄矢組(トゥーザコアメープルジオランダーライズ)と、兄弟車両を駆るクルーが分けあった。
XC-2はトップ3が表彰を受けた。左から2位の相原/上原組、優勝した藤野/玉城組、3位の大塚/渡邊組。

XC-1クラス

 XC-1クラスは惣田政樹/猿川仁組のみの参戦となり、現行型の三菱・デリカD:5を投入。ドライからウェットへと変わる難コンディションの中、安定した走りで新車をフィニッシュに導いた。今季の惣田/猿川組は4戦に参戦して完走率100%の成績を残し、再びチャンピオン獲得となった。

XC-1は現行の三菱・デリカD:5をデビューさせた惣田政樹/猿川仁組(ジオランダーブラV・SFデリカD5)が孤軍奮闘で完走を果たした。

フォト/田代康[Kou TASHIRO] レポート/田代康[Kou TASHIRO]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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