国内ラリーのシーズンファイナルイベントWOMEN'S RALLYが今年も恵那で華やかに開催
2025年12月12日
WOMEN’S RALLY in 恵那が、2025年も国内ラリーの最後を飾るイベントとして、12月6~7日に岐阜県で開催された。
Women in Motorsport L1
JMRC 中部ラリーチャレンジシリーズ 第4戦
WOMEN'S RALLY CHALLENGE in 恵那 2025
開催日:2025年12月6~7日
開催地:岐阜県恵那市
主催:MASC、ラックスポーツ
今年のWOMEN'S RALLY は、JMRC中部ラリーチャレンジシリーズ最終戦が併催されたこともあって、43クルーがエントリーする賑やかな大会となった。さらにWomen's Rally Cupの動向にも注目が集まった。
9回目を迎えた今回の一戦は、すっかりお馴染みとなった恵那市役所にヘッドクォーター、サービスパークを置く形が踏襲され、市役所から程近い中山道大井宿広場では、6日土曜日にセレモニアルスタートが行われた。
ラリーの総距離は121.60kmで、SSは2本のステージが用意された。「笠置ペトログラフ」4.95kmは、笠置山モーターパークをスタートするステージで、延々と下りが続く後半の区間は、このラリーの名物SSとして知られた「望郷の森」ステージの一部を走る形になる。ただしこれまで望郷の森を下りで使ったことはないため、実質的には新ステージと言ってもいいSSだ。
もう1本の「飯地高原」5.89kmは昨年初めて設定された「飯地」SSの前半区間を走った後に、昨年は右折したジャンクションを直進。ラリージャパンを彷彿とさせる、民家が並び立つ集落の中を全開で駆け抜けた後に、狭くツイスティな道を走ってゴールという形になる。
12月の開催ということで両ステージとも落葉が走行ラインや道の脇に敷かれ、最後までまったく気の抜けないステージとなった。なお昨年は前夜に雪が降って笠置山のSSは大幅に距離を短縮しての走行となったが、今年は晴天に恵まれ、全5SSともアイテナリーに沿った走行が無事に行われた。
DE-1クラス 女性ドライバー
DE-1クラスの女性ドライバーでは、平川真子/橋本美咲組のトヨタ・GRヤリスが、優勝候補筆頭の前評判通りの速さを見せてSS1飯地、SS2笠置と後続に大差をつけてベストタイムを連取。独走態勢を築いたかと思われたが、その矢先のSS3飯地でコースアウト。復帰叶わず、リタイヤとなってしまう。
代わって先頭グループに浮上したのは、平川選手と同様、今年の全日本ラリー選手権MORIZO Challenge Cup(MCC)にエントリーした、伊藤はづき選手と及川紗利亜選手の2台のGRヤリス。SS3を終了した段階では、及川/山本磨美組が伊藤/保井隆宏組を2.7秒差で抑えてクラストップでサービスに戻って来た。
午後のセクション最初のSSとなったSS4笠置では2台ともに前走のSS2から大きくタイムを上げてくるが、伊藤/保井組が及川/山本組に9.7秒差をつけるクラスベストをマークして逆転、トップに立つ。
及川/山本組は最終のSS5飯地で再逆転を狙うも、ここも伊藤/保井組が5.0秒差をつけるベストでゴール。ラリー後半、見違える速さを見せた伊藤/保井組が逃げ切り、伊藤選手はWOMEN'S RALLY初優勝を飾った。
昨年まではトヨタ・カローラレビン(AE111)でこのラリーに参加していた伊藤選手だが、今年はMCCでドライブしたGRヤリスのDAT仕様でエントリー。「セッティングや走りも変えて色々と試した一日でしたが、その中で走りも段々マシになっていった感じです(笑)。保井さんにはDATの扱い方のアドバイスをもらうつもりでしたが、ドライビング全般、特にコーナリングについて厳しいコメントをもらいました。ただその都度、修正できてタイムにも直結したので、自分の中でも凄くステップアップできた一日だったと思います」と振り返った。
一方、MCCで乗り慣れたDATではなくMT仕様のGRヤリスをドライブした及川選手は、今回がWOMEN'S RALLY初出場。「元々がサーキット育ちなので、サーキットにはないような下り区間の走りが課題なんですが、今日もその苦手な下りで離されてしまった感じですね。全日本の経験は生かせたと思いますが、シーズンオフの間にやるべきことも分かった一日でした。残念というか、悔しいので、来年もまた出たいと思います」とリベンジを誓った。
DE-2クラス 女性ドライバー
DE-2クラスの女性ドライバーは2クルーのみの出走となったが、このラリーの常連である洪銘蔚/安藤裕一組が全SSをベストで上がって優勝。トヨタ・86では自身初となる勝利をマークした洪選手は、「今まで86をうまく乗れてなかったんですが、今日はコ・ドライバーの安藤さんのアドバイスのお陰で、走る度にタイムアップできて自信を深めることができました。笠置の下りは楽しく走れましたが(笑)、午後にできた走りを最初からできていればもっといいタイムでゴールできたと思うので、そこは今後に繋げていきたいです」とラリーを振り返った。
DE-5クラス 女性ドライバー
DE-5クラスの女性ドライバーは、昨年のこのラリーでもトヨタ・ヴィッツで速さを見せた、佐藤愛美/富士本侑汰組のヤリスがSS1で全クラス総合6番手のタイムを叩き出してトップに立つが、SS2では南久松奈々/坂井智幸組のヤリスが負けじと同じく全クラス総合6番手のタイムで上がって、佐藤/富士本組に1.9秒差まで詰め寄る。
しかし続くSS3はやはり佐藤/富士本組が速く、ベストで上がり、続くSS4でも南久松/坂井組を下して、9.0秒までリードを広げる。最終のSS5でも2.7秒差で南久松/坂井組に競り勝った佐藤/富士本組は、3連続ベストで最後まで首位を譲らず優勝。佐藤選手はWOMEN’S RALLY初優勝を達成し、全クラスの女性ドライバーの中でトップを飾る見事な走りを見せた。
これまでターマックラリーで使っていたスーパードライ路面用のラリータイヤに換えて、今回スポーツラジアルを初めて履いたという佐藤選手は、「タイヤがグリップしてくれたので、最後まで安心感を持って踏めました。やっぱりラリータイヤでは限界があったなと、痛感した一日でしたね」と勝因を一言。一方、SS1での遅れが最後まで響いた南久松選手は、「元々がスキーヤーなので笠置の下りは全然平気だったんですが(笑)、全日本ラリーの最終戦でコースアウトしてからの復帰第一戦だったので、SS1は様子見でいき過ぎてしまいました」と、悔やまれる一戦となった。
DE-6クラス 女性ドライバー
DE-6クラスは、このラリーの常連であるHARU/水野睦子組のヤリスが、SS1から3連続ベストを獲ってラリーの主導権を握る。SS4では谷口いづみ/明治慎太郎組ヤリスが4.2秒差でHARU/水野組を下して一矢報いるも、SS5ではHARU/水野組がトップを奪い返して飯地高原を完全制覇。谷口/明治組に20秒以上のマージンをつくって優勝した。
ラリー前半は冷えた路面に対応すべく発熱が良いウェット寄りのタイヤを履いたというHARU選手は、「笠置の下りで勇気を出してインカットした走りがタイムに繋がったと思います。タイヤ戦略も当たったと思いますが、午後に履いたドライタイヤを発熱させ切れずにSS4でベストを譲ってしまったのは今後の課題ですね。飯地は後半ゼッケンということもあって、走る度に路面が良くなっていったので助けられました」とラリーを振り返った。
各クラス総合、チャレンジシリーズ、Women's Rally Cup
なお今回のラリー、男性ドライバーのクルーも含めた各クラス総合では、DE-1は三枝光博/村山朋香組のGRヤリス、DE-2は安井忠史/藤佳あやら組のトヨタ・スプリンタートレノが優勝。DE-5は女性ドライバートップの佐藤/富士本組が総合でも優勝を飾り、DE-6では松原周勢/市橋真由子組のヤリスが優勝。そしてチャレンジシリーズではスバル・WRXを駆った川瀬慈恩/吉田大樹組が14台によるバトルを制している。
また注目のWomen's Rally Cup は、ドライバー部門ではDE-6を追ったHARU選手が1位に輝き、8ポイント差で小川選手が2位、10ポイント差で洪選手が3位に続いた。コ・ドライバー部門では、3つのクラスでサイドシートを務めた市橋選手が1位となり、⼤⻄紗智選手が2位、藤佳選手が3位を獲得した。
PHOTO /田代康[Kou TASHIRO] REPORT /田代康[Kou TASHIRO]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



