モンツァで角田裕毅がFIA-F3初勝利! EFOシルバーストンでは大湯都史樹が完全制覇!!
2019年9月12日

F1イタリアGPのサポートレースとして行われたFIA-F3第7戦で角田裕毅が待望の初優勝! そして、英国・シルバーストンで開催されたユーロフォーミュラ・オープン第7戦では、初挑戦した大湯都史樹が何と2連勝!! 9月7~8日の週末は、日本人ドライバーたちが欧州で大活躍した。
FIA-F2選手権第10戦/FIA-F3選手権第7戦イタリア
開催日:2019年9月7~8日
開催地:Autodromo Nazionale Monza(ロンバルディア州モンツァ)
Euroformula Open第7戦シルバーストーン
開催日:2019年9月7~8日
開催地:Silverstone Circuit(英国ノーサンプトンシャー州、バッキンガムシャー州)
フォト/本田技研工業株式会社、Euroformula Open
昨年はスーパーGTと併催されるFIA-F4地方選手権でシーズン7勝で王座を獲得し、今シーズンは欧州のFIA-F3に挑戦している角田裕毅(Jenzer Motorsport)が、F1イタリアグランプリと併催されるFIA-F3第7戦レース2で待望の初優勝を飾った。
Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の支援によりFIA-F3に挑戦している角田。FIA-F4時代からの僚友、名取鉄平(Carlin Buzz Racing)と共に、今シーズンは欧州で武者修業を続けてきた。
F1イタリアGPと併催されるFIA-F3第7戦は、土曜のレース1と日曜のレース2の2レース制で行われる。金曜のレース1予選は、早朝の降雨の影響が心配されながらも、セッション開始時にはドライコンディションとなり、角田は10番手、名取は5番手タイムをマークした。
しかし、残り10分でトラフィックが発生して、危険と判断されて赤旗中断。セッション終了時点では、名取が自己最上位の6番手、角田が11番手でレース1に挑むことになった。
土曜のレース1決勝では、スタートグリッドが大幅に変更される事態が発生。これは金曜の予選後に20台に対してグリッド降格ペナルティが出たためで、6番手の名取が12番手スタートに変更。ペナルティを受けなかった角田は繰り上がって6番手スタートとなった。
レース1の名取は、フォーメーションラップとスタートでマシントラブルの影響が出て大きくポジションを落としてしまう。レース終盤では最終コーナーでのアクシデントによりセーフティカーが導入。レース終了時点では、角田は4番手、名取は13番手でフィニッシュしていた。
しかし、レース終了後に上位選手にペナルティが出たため、角田が3位、名取は11位というリザルトに変更。この結果、レース2の上位8台はレース1のリバースグリッドとなるため、レース2は、角田は逆順の6番手、名取はそのまま11番手でスタートすることになった。
日曜のレース2は再び雨に見舞われてしまう。スタートまでに止んだものの路面はウェットコンディション。ウェットタイヤによる22周のレースとなった。
6番手スタートの角田は好スタートを決め、1コーナーまでに3番手に浮上。2周目には2番手に上がってみせた。トップとの差が開いていたが徐々にその差を詰めて行き、15周目の1コーナーではついにトップに立った。
角田は首位のまま周回を重ねファイナルラップ。無事トップチェッカーを受けて自身初のFIA-F3優勝を獲得した。第6戦スパ・フランコルシャンのレース2では3番手スタートから自己最上位の2位フィニッシュを獲得していた角田。リバースグリットのレース2ながら、クレバーかつ果敢に攻めたオーバーテイクを展開。参戦14レース目にして、初の快挙を成し遂げた。
名取は1コーナーで混乱に巻き込まれ、他車との接触もあったため29位でレースを終えている。
また、同じ週末にはイタリア・モンツァでFIA-F2第10戦が開催され、土曜のレース1では、第6戦オーストリア大会で勝利している松下信治(Carlin)が好走した。
予選結果が変更となりグリッドが一つ上がって5番手スタートとなった松下。好スタートを決めて、1コーナーまでに3番手にポジションを上げた。2周めの1コーナーでは2番手にアップ。5周目にはトップを捉えて首位に立った。
ソフトタイヤスタートの松下は7周目にピットイン。同じ戦略を採る車両の中ではトップをキープしてレースに戻ることができた。中盤では背後からプレッシャーをかけられるも、全車がタイヤ交換を終えた22周目には首位が確実なものとなり、そのまま後続との差を広げてトップチェッカーを受けた。
松下はこれで今シーズン2勝目となり、ランキングは6位に浮上。日曜に行われたレース2では8番手スタートからの3番手フィニッシュと気を吐いたものの、7周目の接触で導入されたバーチャルセーフティーカーでのタイム加算ペナルティをもらい、5位というリザルトに終わった。
今季中盤からFIA-F2のシートを獲得した佐藤万璃音(Campos Racing)は今大会にも参戦。予選15番手という苦しい状況ながらレース1は12位。レース2では11位を獲得している。
そして、場所は変わって英国、同じ週末のシルバーストン・サーキットでは、角田や名取も参戦しているユーロフォーミュラ・オープン(EFO)第7戦が開催され、全日本フォーミュラ3選手権をTODA FIGHTEXで戦う大湯都史樹がTeam Motoparkから急遽参戦することになった。
このシリーズは土曜と日曜に2レースが行われるフォーマットで、それぞれに予選セッションが用意されている。レース1の予選では、同じくMotoparkでスポット参戦したエナム・アーメド(Team Motopark)と大湯がトップタイムを奪い合った。
アーメドが1分49秒233でそのままポールを決まるかと思われた瞬間、大湯がコンマ16秒上回る1分49秒073で逆転。まるで全日本F3かと思えるようなシビアなバトルの結果、大湯がコースレコードを上回るタイムでレース1のポールポジションを獲得した。
レース1決勝では、大湯がスタートからシルバーストンを席巻。1周終了の時点で、2番手のアーメドに1.622秒差を付けて速さをアピールした。
そのままハイペースをキープした大湯は、後続の選手がペースを落としたことから、かなり間隔を空けた一人旅状態。ファステストラップこそアーメドに奪われたものの、初挑戦したユーロフォーミュラ・オープンで、大湯がコースレコードをブレイクする予選トップタイムの獲得と、後続を4.585秒引き離す、大差の初優勝を獲得した。
日曜のレース2予選。再び速さを見せた大湯は、序盤から1分49秒477というターゲットタイムを叩き出した。ところが、予選セッション残り3分で赤旗が出てしまい、残り1分でのセッション再開という難しい状況となってしまう。
短いトライで多くのドライバーがトラフィックに引っかかるも、大湯は最後の最後でタイムを更新。1分48秒705というレース1予選をも上回り、今大会では唯一の1分48秒台となるタイムを計測して再びポールを奪取した。
そして、レース2決勝では、大湯がポールポジションから果敢なアタックを続けて快走。最終的には、2番手のアーメドに対して実に6.017秒差の大差でフィニッシュ。レース1予選からレース2決勝まで首位を取り続け、この週末のシルバーストンを完全制覇してみせた。
なお、ユーロフォーミュラ・オープンにはFIA-F2に参戦する佐藤万璃音も挑戦しており、今大会を欠場しているにも関わらず、レース2終了時点でもランキング首位をキープ。2番手ルーカス・ダナー(Teo Martin Motorsport)とは100点以上の差が開いており、佐藤がかなり有利な状況で、残るバルセロナとモンツァの2大会4レースで2019年のタイトル争いが終結する。









