2日間で4時間レースを2回開催。グループ1ではD’station Vantage GT3がポール・トゥ・ウィン!
2025年7月16日

7月4~6日、スポーツランドSUGOでスーパー耐久シリーズ2025の第4戦が開催された。全8クラスに43台の車両がエントリーしたが、コース幅やピット数、そして安全性を鑑みて、43台を2つのグループに区分。5日にグループ2(ST-2、ST-5F/5Rクラス)の予選と4時間レース、6日にグループ1(ST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-Q、ST-1クラス)の予選と4時間レースがそれぞれ行われた。
ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 Empowered by BRIDGESTONE 第4戦「SUGOスーパー耐久4時間レース」
開催日:2025年7月4~6日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SRSC
予選方式は通常のA/Bドライバーの合算タイムではなく、ノックアウト方式が採用された今回のスーパー耐久シリーズ第4戦。6日に行われたグループ1(全21台)の予選ではST-Xクラス(全3台)のD’station Vantage GT3(星野敏/上村優太/藤井誠暢組)がポールポジションを獲得し、これにTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/片岡龍也/奥本隼士/中山友貴組)、DENSO LEXUS RC F GT3(鵜飼龍太/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀組)が続いた。
グループ1・ST-Xクラス
決勝レースは薄曇りで気温30度、路面温度42度の13時38分にスタート。まずはD’station Vantage GT3の藤井選手がレースをリードし、TKRI松永建設AMG GT3とDENSO LEXUS RC F GT3が追う展開となった。今回は4時間(240分)レースであり、Aドライバーの最低義務周回時間は60分。Aドライバーが最短の60分を担当すると、残りの3時間を1回のピット作業で終わらせるのは燃費的に難しく、全体で4スティント(3回ピット)を採るか、Aドライバーが80分ほどを頑張って3スティント(2回ピット)を採るかはチームの判断となった。
そんな中、D’station Vantage GT3は2ピット作戦を採り、ジェントルマンドライバーの星野選手が60分の最低義務周回時間を20分以上超えてドライブする。その間にTKRI松永建設AMG GT3、そしてDENSO LEXUS RC F GT3がトップに立つことに。終盤の148周でトップのDENSO LEXUS RC F GT3が3回目のピットインをした間、TKRI松永建設AMG GT3の奥本選手がトップに立ち、その背後にはD’station Vantage GT3の上村選手が迫っていた。
上村選手は毎周のように1~2コーナーでの逆転を狙うが、第3戦までの活躍で60kgのウェイトを積む奥本選手がそれを巧みなブロックで阻止する。そのまま残り7分間トップを守りゴールを迎えるかと思われた161周目のレインボーコーナーで、奥本選手の前にバックマーカーがあり、ここで奥本選手に上村選手が接近。バックストレートを駆け下った馬の背で上村選手がアウトから被せ、2台は軽く接触しながらSPインへ並びながら進入。そして上村選手がついにトップを奪う。
レースは166周でチェッカー。D’station Vantage GT3は2021年の最終戦鈴鹿以来4年ぶりの優勝を飾り、TKRI松永建設AMG GT3は3.494秒差で2位となった。DENSO LEXUS RC F GT3もトップから5.901秒差の3位でゴールした。



グループ1・ST-Zクラス
今回の最多出走台数であるST-Zクラス(全10台)では、前回の富士24時間での大クラッシュ後、以前の古いボディにパーツを組み込んで復活した26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(大塚隆一郎/富田竜一郎/篠原拓朗/荒聖治組)がクラスポールを獲得。だがフルコースイエロー(FCY)解除時にペースが戻らないトラブルが発生する。
80kgのウェイトハンディを積む埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太組)が逆転、そのまま逃げ切り今季3勝目を挙げた。2位は26号車 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4で、3位はHitotsuyama Mercedes-AMG GT4(山脇大輔/ショーン・ウォーキンショー/アレッサンドロ・ブレッサン組)だった。



グループ1・ST-TCRクラス/ST-Qクラス
ST-TCRクラス(全5台)はWAIMARAMA Elantra N TCR(桝本隆介/千代勝正/リ・ジョンウ組)がヒョンデの車両としてS耐初優勝を遂げた。ST-Qクラス(全1台)は、SUBARU HighPerformanceX Future Concept(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史組)が149周で完走した。




グループ1・ST-1クラス
ST-1クラス(全2台)はシンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹組)がリードするもトラブルでストップ。代わってトップに立ったD’station Porsche 992(星野辰也/浜健二/田中哲也/樺木大河組)が連勝。チームの母体企業であるNEXUSホールディングスは1995年7月7日の創業であり、30周年を迎える前日にST-XクラスとST-1クラスでのうれしいダブル優勝となった。

5日に行われたグループ2(全22台)は、予選がウェット、決勝がドライコンディションとなった。気温は30度を超え、路面温度も50度を超えるなど暑さの厳しいレースとなったが、一度もFCYやセーフティカーが導入されないクリーンな展開となった。
グループ2・ST-2クラス
ST-2クラス(全7台)は、グループ全体のポールを獲得した新菱オートDXL☆ネオグローブEVO X(冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄/松沢隆弘組)とKTMS GR YARIS(富下李央菜/鈴木斗輝哉/平良響組)がトップ争いをする間に、SPOON リジカラ CIVIC(山田英二/小出峻/西村和真組)がこの2台に追いつき、11周目の馬の背でトップを奪った。
しかし、SPOON リジカラ CIVICはレース中盤にトラブルのためにピットインし、戦列を離れることになった。レースはKTMS GR YARIS、今回新車を導入したOHLINS CIVIC NATS(金井亮忠/山野哲也/野島俊哉組)、そしてENDLESS GRヤリス(花里祐弥/石坂瑞基/伊東黎明/岡田整組)と3台によるトップ争いとなったが、OHLINS CIVIC NATSの山野選手が逆転トップに立って連勝を果たした。



グループ2・ST-5Fクラス/ST-5Rクラス
後輪駆動のST-5Rクラス(全7台)は、マツダパーティレース出身者による倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(上田純司/久米田昴/吉田恭将/南澤拓実組)がうれしい初優勝を遂げた。また前輪駆動のST-5Fクラス(全8台)は、THE BRIDE FIT(太田侑弥/新井薫/瀬戸貴巨/芳賀邦行組)が3年ぶりの優勝を飾った。






PHOTO/吉見幸夫[Yukio YOSHIMI] REPORT/皆越和也[Kazuya MINAKOSHI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
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