SRO Japan CupがSUGOで開幕!復活したMax RacingがRound2で総合優勝!!
2025年7月3日

FIA GT3車両やGT4車両、ポルシェ・カレラカップなどに使用されるカップカーなど、いわゆる“スーパーカー”ベースのレーシングカーを中心に迫力のレースを展開する「SRO Japan Cup」。2025シーズンも国内4サーキットを舞台に全8戦の日程で争われることになり、6月13~15日にスポーツランドSUGOでのRound1とRound2で幕を開けた。SUGOでのシーズンスタートは、単独シリーズとなった2024シーズンから2季連続となる。
SRO Japan Cup Round1&2
(2025 SUGOチャンピオンカップレースシリーズRd.3内)
開催日:2025年6月13~15日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:(株)菅生、SRSC
「FANATEC GT World Challenge ASIA Powered by AWS(GTWCA)」内のカップ戦として、2023シーズンに設定されたSRO Japan Cup。昨季からは単独シリーズとして、主に「SRO GT Power Tour」の中でGTWCAと併催するかたちで王座が争われている。今季はこのSUGOでの開幕2連戦が単独戦、そして鈴鹿サーキットで行われる最終2連戦については「Intercontinental GT Challenge第4戦 第49回SUZUKA 1000㎞」での併催となる。
今回、SUGOでのRd.1とRd.2ではGT3とGT4、GTCにエントリーがあった。その中で更に、ドライバー構成によって細かくクラスが分けられる。ドライバーの分類は、FIAドライバー分類システムに基づく。GT3はプロ(シルバーかゴールド、プラチナ)ドライバーとブロンズ(アマチュア)ドライバーが組むプロアマクラス(PA)に9チーム、ブロンズドライバー同士が組むアマクラス(AM)に4チーム。GT4はシルバードライバーとブロンズドライバーが組むシルバーアマクラス(SA)に2チームとAMに1チーム、GTCはAMに2チームが挑んだ。
シリーズ名に“Japan”を掲げるだけに、GT3の両クラスにはJAFモータースポーツライセンスを保有するドライバーしか参戦することができない。また、GT4ではSAがアジアの国籍または居住しているドライバーが、AMはオーストラリアとニュージーランドのドライバーも参戦できる。
1台の車両を2名のドライバーがシェアし、決勝ではスタート後25~35分の間にピットインしてドライバー交代することが義務づけられている。GTC AMで888号車992型ポルシェ911GT3カップを駆る、BINGO Racingのタイガー・ウー選手のように単独エントリーも認められれば参戦が可能で、その場合でも決勝で一回はピットインしなければならない。
今季のシーズンエントリーは27チーム。開幕2連戦にはその中から18チームが名を連ね、開幕ダッシュを決めるべく好天に恵まれたSUGOでアツいバトルが繰り広げられた。


予備予選、予選Q1・Q2
SUGOでのレースウィークは13日の金曜日からスタート。有料テストと練習走行、そしてブロンズドライバーが走行できるブロンズセッションが行われた。
14日の土曜日は、午前中に予備予選を実施。午後に開催される予選が天候などを理由に開催できなかった場合は、ここでのタイムによってスターティンググリッドが決まることになる。実質2回目の練習走行にあたるのだが、しっかりタイムを残しておきたいセッションだ。
総合トップはもちろん、GT3のPA勢。BINGO RACING with LM corsaの9号車フェラーリ296 GT3を駆る武井真司/笹原右京組が獲得した。GT4は、SAでTOYOTA GAZOO RACING INDONESIAの39号車GRスープラGT4エボ2を操るハリダルマ・マノッポ/野中誠太組がトップタイム。GTC AMは888号車992型ポルシェ911GT3カップのウー選手がトップに立った。
予選は2本実施。先に行うQ1でRd.1の、Q2でRd.2のスターティンググリッドを争い、Q1はブロンズドライバーがアタックを担当。TEAM UPGARAGE with ACRの18号車フェラーリ296GT3を駆る、GT3 PAのAKITA選手がポールポジション(PP)を獲得した。Max Racingの24号車メルセデスAMG GT3エボを操るGT3 PAの内田優大選手は、0.004秒届かず悔しいフロントローとなった。
GT4では予備予選と同じく、39号車GRスープラGT4エボ2のマノッポ選手がクラストップタイムをマーク。GTC AMでも予備予選でトップタイムを記録した、888号車992型ポルシェ911GT3カップのウー選手がトップグリッドを得た。
Q2はQ1で走行しなかったドライバーたちがアタックし、プロドライバーが中心となる。PPは予備予選でも総合トップを奪った、9号車フェラーリ296GT3エボの笹原選手が奪取。総合2番グリッドはRd.1のPPを獲った18号車フェラーリ296GT3のAKITA選手のチームメイトである小林崇志選手で、一発の速さでの安定感を見せた。GT4とGTC AMはQ1と同じチームがトップに立ち、ライバルたちから頭ひとつ抜け出す速さを発揮した。




Round1決勝
15日の日曜日は午前中にRd.1の決勝、そして午後にレースウィークの締めくくりとしてRd.2の決勝が行われた。決勝はいずれも60分+1周で競われ、スタートはFIAインターナショナルシリーズ スーパーGTでもおなじみのローリングスタートが採用されている。
Rd.1はQ1でスターティンググリッドを決めた、ブロンズドライバーたちによってスタート。総合とGT3 PAの優勝は、ファステストラップもマークした9号車フェラーリ296GT3の武井/笹原組。PONOS RACINGの45号車フェラーリ296GT3の辻子依旦/ケイ・コッツオリーノ組とHitotsuyama with Cornes Racingの296号車フェラーリ296GT3の都筑晶裕/川端伸太朗組が続き、GT3 PAでフェラーリ296GT3を駆るチームが総合トップ3を独占。PP発進だった18号車フェラーリ296GT3のAKITA/小林組は6位とシリーズデビュー戦でポール・トゥ・ウィンは果たせなかった。
GT3 AMは車両をフェラーリ296GT3に変更し、鈴木宏和選手を迎えて2名体制に一新したTeam MACCHINAの1号車、植松忠雄/鈴木組が王者の貫禄を見せてクラス優勝を果たした。GTC AMは888号車992型ポルシェ911GT3カップのウー選手がGT3勢に食い込む総合11位でクラス優勝。すぐ後ろにGT4 SAの39号車GRスープラGT4エボ2のマノッポ/野中組が続き、GT4総合とSAトップの座を譲らず優勝した。









Round2決勝
Rd.2は開催されたレースウィークの大トリを務めた。スタートを担当したのはQ2でアタックしたドライバーたち、プロドライバーが中心だ。
総合優勝はRd.1と同じく、GT3 PA勢によって争われた。Rd.1で総合2位だった45号車フェラーリ296GT3の辻子/コッツオリーノ組がリタイアする波乱もあった中、総合3番グリッドからスタートした24号車メルセデスAMG GT3エボの内田/元嶋佑弥組が逆転でトップフィニッシュ。フロントロー発進から5位に終わったRd.1のリベンジを果たした。
更に内田/元嶋組が所属するMax Racingにとって今回の2連戦は、2023シーズン途中でスーパーGTのGT300クラスから撤退して以来となる、活動再開の初戦。その2戦目にして勝利を挙げてランキング2番手と、チームは幸先良い再スタートを切った。
総合2位はポールシッターでRd.1を制した9号車フェラーリ296GT3の武井/笹原組が獲得し、ランキングトップに立った。そして、総合3位は296号車フェラーリ296GT3エボの都筑/川端組が2戦連続で獲得する安定した速さを見せて、ランキング3番手につけた。
GT3 AMとGT4総合、そしてGTC AMの順位はRd.1と同じ顔触れ。GT3 AMの1号車フェラーリ296GT3の植松/鈴木組、GT4 SAの39号車GRスープラGT4エボ2のマノッポ/野中組、GTC AMの888号車992型ポルシェ911GT3カップのウー選手はレースウィークをとおして、各クラスの中で後続を寄せつけない速さを見せた。7月11~13日に富士スピードウェイで開催されるRound3とRound4以降からの、ライバルたちの巻き返しにも期待したい。






フォト/吉見幸夫[Yukio YOSHIMI] レポート/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
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