新井大輝組、ラリー北海道でWRX STIでのデビューウィンを達成
2019年9月27日
今季2度目の国内開催となったFIAアジアパシフィックラリー選手権(APRC)は、9月20~22日、北海道十勝地方で「ラリー北海道」が行われ、NEWマシン、TOYOTA C-HRを投入したマイケル・ヤング/グレン・マクニール組が優勝。併催の全日本ラリー選手権第8戦は今回から現行のVAB型WRX STIにマシンをチェンジした新井大輝/小坂典嵩組がJN1クラスを制し、シーズン3勝め一番乗りを果たした。
2019FIAアジアパシフィックラリー選手権第7戦
2019年JAF全日本ラリー選手権第8戦
ラリー北海道
開催日:2019年9月20~22日
開催地:北海道
主催:AG.MSC北海道
今年で18回目を迎えたラリー北海道のラリーウィークは好天に恵まれた。例年同様、金曜夜の札内スーパーSSで幕を開けたラリーは、APRCは16SS、計202.36km、全日本は14SS、167.11kmを走破する。SSを含めたラリールートの総距離はAPRCで888.33km。全日本でも661.09kmと、やはり国内屈指のスケールを持つラリーであることは変わらない。
全日本ラリー選手権は6クラスに47台がエントリーしてきた。チャンピオンレースが依然混沌としているJN1クラスは、前戦横手ラリーで首位を快走しながらもエンジントラブルで戦線離脱した新井大輝/小坂典嵩組(ADVAN KYB AMS WRX)が、父親である新井敏弘/田中直哉組(富士スバル AMS WRX STI)と同じ現行のVAB型WRX STIにマシンをチェンジ。そのスピードに注目を集まった。
本格的なラリーが始まった21日土曜のLEG1bでは、この日最初のSSである陸別で鎌田卓麻/鈴木裕組(itzz DL SYMS WRX STI)がベストを奪取するが、ともに20kmを超えるロングステージであるSS3「ヤムワッカ」、SS4「クンネイワ」では新井大輝組がベストを連取。午後の2ループめのこの2本でもベストを奪った新井大輝組は、父、新井敏弘組を15.4秒差で2番手に従えて、ラリーを折り返した。
明けた最終日LEG2では、25.7秒差の3番手からこの日をスタートした鎌田組が猛追を見せて、SS9、SS10で連続ベスト。超高速ステージのSS11パウセカムイでも新井大輝組を1.5秒凌いで6.1秒差に迫る。だが続くSS12ヌプリパケで、新井大輝組は渾身のベストタイム。1ループめは大きく後れを取った続くSS13オトフケリバース2でも鎌田組を下して2番手タイムをマークする。
残すは1.47kmの札内スーパーSSのみとあって、鎌田組の逆転はならず。新井大輝組は8.9秒差で逃げ切り、第4戦からの参戦にも関わらず、ライバルに先んじてシーズン3勝目をマークし、ポイントランキングでも4位に浮上した。有効6戦で競われる今季、第7戦で捨てポイントを使った新井大輝組は、残り2戦のポイントがそのまま上積みされる可能性が高くなったことから、シリーズチャンピオンも完全に射程距離に入ったことになる。
JN2クラスは、優勝候補筆頭だった上原淳/漆戸あゆみ組(ラカリテ・DL・シャフト・シビックユーロ)がLEG1でエンジントラブルにより、リタイヤ。眞貝知志/箕作裕子組(TGR Vitz GRMN Rally)がグラベル2勝目を手にした。JN3クラスでも本命、山本悠太/山本磨美組(Sammy☆K-one☆ルブロスYH86)が同じくエンジントラブルで失速。曽根崇仁/木村裕介組(P.MU☆DL☆SPM☆INGING86)がサバイバルバトルを制している。
JN4クラスではポイントリーダーの関根正人/草加浩平組(KYB DUNLOP スイフト)がLEG1でコースアウト。古川寛/大久保叡組(スマッシュDLインディゴitzzスイフト)が、スイフトターボでの初優勝を達成し、ランキングも一気に3番手に浮上した。JN5クラスは絶対王者、天野智之/塩田卓史組(豊田自動織機・DL・ヴィッツ)がLEG1でタイヤバーストに見舞われてタイムロス。石川昌平/竹薮英樹組(ARTAオートバックスGRヴィッツ)が今季初優勝を飾った。JN6クラスでは大倉聡/豊田耕司組(アイシンAW Vitz CVT)が開幕からの全勝記録を守った。
なおAPRCでは、マイケル・ヤング/グレン・マクニール組のトヨタCH-R(CUSCO RACING)が完璧なラリー運びを見せてライバルに隙を与えず、見事なデビューウィンを果たしている。
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