クルマの動きをしっかり学ぶ週末。「車山オートテスト」が一泊二日で再来!
2019年11月20日
3月3日に長野県の車山高原で第1回大会が開催された車山高原オートテスト。好評につき今回は雪のない10月27日に第2回が開催され、前日練習会付きのスケジュールで行われた。
「車山高原オートテスト2019 2nd Stage」
開催日:2019年10月26~27日
開催地:車山高原SKYPARK RESORTスキー場第2駐車場(長野県茅野市)
主催:BATTLEX、車山高原オートテスト実行委員会
車山高原では、今年の3月3日に雪上オートテストと銘打って開催されたが、当日は積雪がなく、会場を予定していた第5駐車場から第3駐車場へ変更され開催された。急きょ変更された会場はかなりコンパクトだったものの、イベント自体は好評を博し、車山高原で継続してほしいという声が聴かれていた。
そんなエントラントの要望に応えるべく、10月27日(日)、長野県茅野市にある車山高原SKYPARK RESORTにて、2回目となる「車山高原オートテスト」が開催され、41台が集まった。
今回の会場は第3駐車場より広々とした第2駐車場に移動し、ゆったりとしたレイアウトが採用された。コース委員長は前回に続いて、全日本ジムカーナチャンピオン川脇一晃氏が務め、「自分が走って楽しいコース」を目指して設定されただけに、選手からは「チャレンジングなコースで楽しかった」と好評だった。
そして、今大会の大きな特徴として、大会前日の土曜日に任意参加の練習会が設定された2デイ構成の日程となっていたことが挙げられる。
もちろん、前日の練習会に参加した人が有利にならないよう配慮され、コースレイアウトは同じでも、パイロンの間隔やガレージの位置をずらしており、逆に練習会に参加した選手がミスコースしてしまう場面も見られた。
この練習会は土曜の12時受け付けとし、車山高原の観光協会がタイアップした宿泊プランも用意され、練習会には参加しなかった選手を含め、13名が利用していた。
土曜の夜には練習会で撮影した参加者の走りの映像が公開され、夕食の後でこれを見ながら明日の攻略法などを話し込み、夜遅くなるまでクルマ談義で盛り上がったようだ。
一般的なオートテストでは走行本数が少ないイベントも多く、物足りないと感じる参加者がいるのも事実。こういった運転技術の向上に熱心なエントラントにとっては、この宿泊付き2デイオートテストは新たなスタイルとして今後増えていく可能性を感じさせた。
今回のクラス分けは軽自動車クラス、普通車FFクラス、普通車FRクラス、普通車4WDクラス、全高1650mm以上のミニバン・SUVクラスの5つに分けられていた。
中でもミニバン・SUVクラスには、国内に4台しかないと言われるフォルクスワーゲン・アマロックやフォードF-150ラプターといったフルサイズのピックアップトラックも参戦し会場を大いに沸かせた。
そして、オートテストは「ガレージ」と呼ばれる車庫入れが特徴。今大会ではネーミングライツで「ダンロップガレージ」「エクセディガレージ」と名付けられた車庫入れセクションでは、これらのフルサイズトラックもすっぽり入るスペースが用意された。
しかし、この大型ガレージセクションが、他のクラスでの勝負どころとなっていた。要するにクルマ全体が車庫に入れば良いため、どこでクルマを停めるのかが勝負のキモとなったのだ。特に軽自動車クラスは、ガレージの長さが自車の全長の2倍ぐらいで設けられているため、自分の車両感覚との勝負が重要だったのだ。
その軽自動車クラスで優勝したのは村上清賢選手。トライ2で各選手がペナルティを減らす中、2位の大塚拓哉選手を僅か0.28秒かわしての優勝。「ガレージは黒旗(不通過)を覚悟でギリギリを攻めました。慣熟歩行の時、歩幅で長さを測り運転席の位置を決め打って走りしました。うまくいって良かったです」と、してやったりの表情だった。
FFクラスは現行スイフトでエントリーした浜屋雅一選手がトライ1のパイロンタッチからのリベンジが成功して優勝。しかし「タイムでは軽自動車に負けて悔しいです」と苦笑いだった。2位はトライ1でミスコース判定で成績が残らなかった古賀亜希子選手。「結果には満足ですが、優勝賞品のマスカットが欲しかったのに、届かず悔しいです」と笑顔で語ってくれた。
FRクラスはロードスターを駆る地元・茅野市の平方優磨選手が優勝。学生時代からダートトライアルを経験しており、クルマの動かしには慣れているが、3月の大会ではFFクラス4位に終わっていた。「今回は前回のリベンジができました」と語る平方選手はラリーで活躍する新井大輝選手と同い年で交流もあり、ラリーにも出てみたいと語っていた。
また、この平方選手の母、平方教子選手がRX-8で同じクラスに参戦しており、クラス5位だったが総合20位賞のKTCツールをゲット。「これを狙っていた」というだけに大喜びしていた。こんな親子で勝負できるのはオートテストならでは、と言えるだろう。
4WDクラスでは大阪から参戦の磯川親子を尻目に石井康義選手が優勝。「がむしゃらに踏み過ぎず走ったのが勝因です」と笑顔だった。
ミニバン・SUVクラスは川中涼選手がハリアーハイブリッドの加速を生かし、コンパクトな三菱ジープを駆る平出健太郎選手を下し優勝。「冬はデリカでボロ負けしたのでリベンジできました」と大喜びしていた。さすがに大型ピックアップ2台は大きさのハンデからかアマロックの北村精基選手が3位、ラプターの林達彦選手が4位に終わっていた。
フォト/山口貴利 レポート/山口貴利、JAFスポーツ編集部
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