佐々木大樹が全日本カート選手権で11年ぶりの戴冠!
2019年11月20日

全日本カート選手権2019シリーズ最後の大会が、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。最高峰のOK部門では佐々木大樹(TONYKART RACING TEAM JAPAN)が第9戦、第10戦とも表彰台に上がってシリーズチャンピオンに。FS-125部門では野村勇斗(EXGEL with MRP)が、FP-3部門では山本祐輝(Formula Blue TKC)がチャンピオンを確定させた。
2019年JAF全日本カート選手権OK部門 第9戦/第10戦
2019年JAF全日本カート選手権FS-125部門/FP-3部門 東西統一競技会
2019年JAFジュニアカート選手権FP-Jr部門/FP-Jr Cadets部門東西統一競技会
開催日:2019年11月16~17日
開催地:ツインリンクもてぎ北ショートコース(栃木県茂木町)
主催:株式会社モビリティランド
OK部門のポイントリーダーとしてこの大会に臨んだ佐々木大樹は、快晴のツインリンクもてぎで、まず第9戦の決勝を4番グリッドからスタートすると、常に先頭集団の中を走行。終盤には5番手に後退するも、最終ラップに2台をかわして3位でフィニッシュした。
第10戦の決勝でタイトル争いに生き残ったのは、佐々木大樹と渡会太一(Drago Corse)のふたりだ。佐々木大樹は2番グリッドからスタートを決めると、トップのまま周回。ラスト2周で1台の先行を許したが、2位でチェッカーを受けて2008年以来の全日本カートチャンピオン確定を果たした。
「本当に嬉しい。ブリヂストンさんに7年ぶりにチャンピオンを届けることができて良かったです」と佐々木大樹。
一方、優勝争いは2レースともドラマチックな展開となった。第9戦の決勝では、スタートでポールから中段にポジションダウンした渡会が、猛追の末に残り2周でトップに立ったが、最終ラップにこれを小高一斗(nutec LCT briory)が再逆転。前回のSUGO大会からスポット参戦しているフォーミュラ3ドライバーの小高が、全日本初優勝を飾った。
第10戦の決勝では、トップを行く佐々木大樹のやや後方でタイヤ温存に徹していた森山冬星(TEAM WOLF)がレース終盤に攻勢へと転じ、残り3周で佐々木大樹をパス。右手を高々と突き上げてフィニッシュし、トップカテゴリー参戦2年目で待望の初優勝を遂げた。
森山から1秒以内の差で6台がチェッカーになだれ込む大接戦の中、3番手でゴールしたのは冨田自然(BirelART RAGNO Racing)だ。しかし、冨田はフロントフェアリングのペナルティを受けて14位に降格。かわって3位に入賞したのはスポット参戦の2017/2018年王者、佐藤蓮(Drago Corse)だった。ブリヂストン・ユーザーが圧倒的優位となったこの大会で、佐藤はヨコハマタイヤを履いて奮闘。26番グリッドから目覚ましい追い上げを演じ、BS勢の表彰台独占を阻んでみせた。




同時開催のFS-125部門とFP-3部門は、東西統一競技会としての開催だ。
出走が37台に上り予選落ちも出るレースとなったFS-125部門では、荒尾創大(チームKBF)が圧倒的な速さを披露した。荒尾は予選Aグループをポールからの独走で制すると、決勝も1周目から後続を引き離し、ポール・トゥ・ウィンで2連勝。最多勝となる3勝目でランキングも3位に浮上した荒尾は、「勝てる自信はありました。東西統一戦で勝てたのはすごく大きいと思います」と語った。
荒尾の後方では、小田優(Formula Blue BEMAX)が9番グリッドから浮上してセカンドグループを抜け出し、2位を獲得。小林利徠斗(Super Racing Junkie!)が星涼樹(Drago Corse)に競り勝って3位となった。
シリーズチャンピオンにもっとも近い状況で最終戦を迎えた野村は、「ポイントのこととか考えすぎてしまった」という決勝では先頭集団に後れを取り、最終ラップにもひとつ順位を下げたが、8位でフィニッシュしてデビューイヤーでの戴冠を果たした。
FP-3部門の決勝は、佐々木大河(TEAM WOLF)、山本、半田昌宗(TEAM WOLF)の3台によるトップ争いとなった。ポールの佐々木大河は、序盤で先頭に立った半田をレース中盤に抜き返し、開幕戦以来の2勝目を獲得。半田が2位となってチームメイトでの1-2フィニッシュを果たした。
「僕はチャンピオン争いには(実質的に)関係がなかったので、精神的に優位な状況でした」と佐々木大河。
ポイント上で他を大きくリードしてランキング首位で最終決戦に臨んだ山本は、タイトル獲得に徹して3番手を手堅くキープ、無事に“全日本FP-3”の初代王者となった。




ジュニアカート選手権のシリーズ最終戦も、東西統一方式での開催だ。
FP-Jr部門では、東地域4戦3勝でタイトル争いをリードする堂園鷲(TEAM SCHU)が決勝のポールに。決勝では後続に接近される局面もあったが、大きなピンチに陥ることなく20周を走り切り、4勝目とチャンピオンを手に入れた。
「セッティングが路面に合わず、厳しいレースになりました。5戦4勝は、まあまあいい結果だと思います」と堂園。
2位の上野晴紀(チームエッフェガーラ)は堂園を目の前まで追い詰め、大一番での自己最上位タイを達成。二転三転のホットな戦いとなった3位争いは、佐野雄城(BirelART RAGNO Racing)がものにしている。
FP-Jr Cadets部門では、西地域5戦4勝のポイントリーダー松本琉輝斗(Energy Japan)が予選で4台を抜いてポールに。松本は決勝でも4台一丸のバトルを制し、チャンピオン確定を勝利で飾った。
「みんなとバトルできて嬉しかったです」と、松本は笑顔がこぼれる。2位にはトップ浮上も果たした菊池貴博(GWR WORLD KARTING TEAM)が、3位には9番グリッドから6台抜きの鈴木悠太(B-MAX Racing Jr.)が入賞した。











フォト/小竹充、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫
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