話題の劇場公開映画「フォードvsフェラーリ」が1月10日、ついに日本上陸!!
2019年12月23日

スクーデリア・フェラーリとフォード・モーターによる、1960年代のル・マン24時間耐久レースで繰り広げられた「決して負けられない戦い」を描いた作品が2020年1月から全国ロードショー。ここでは話題の劇場公開映画の内容を少しだけご紹介!
劇場公開映画「フォードvsフェラーリ」(原題:Ford v Ferrari)
2020年1月10日(金)全国ロードショー
監督:ジェームズ・マンゴールド 主演:マット・デイモン、クリスチャン・ベイル
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
ル・マン24時間耐久レースといえば、現在なら、FIA世界耐久選手権(WEC)のシリーズの一戦として開催され、最大係数のかかる大会としても知られている。2018-2019年大会ではTOYOTA GAZOO Racingの中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ/セバスチャン・ブエミ組がワールドチャンピオンになり、ル・マン2連覇を果たしたことも大きな話題になった。 モータースポーツの世界では、このル・マン24時間耐久レースに魅了される人が多く存在している。なぜなら、ル・マンは1923年から続く伝統の大会で、F1のモナコグランプリやアメリカのインディアナポリス500(通称:インディ500)と並ぶ「世界3大レース」に数えられているからだ。
今回上映が始まる映画「フォードvsフェラーリ」は、1960年代にル・マンで起きたフォードとフェラーリの対立の裏で活躍した男たちを描いている。
モータースポーツの史実を題材にした洋画が日本で公開されるのは、F1のニキ・ラウダとジェームス・ハントの関係を描いた2013年の「ラッシュ/プライドと友情」以来、ル・マンを題材にした作品となると、2016年の「スティーヴ・マックィーン その男とル・マン」以来となるだろうか。映画「フォードvsフェラーリ」はマット・デイモンとクリスチャン・ベイルのW主演で、今年度アカデミー賞のフロントライナーとも言われており、モータースポーツ界だけでなく、ハリウッドを始めとした映画界においても前評判の高い作品だ。
物語は1963年に起きたフォードとフェラーリの買収劇から動き出す。ル・マンで5連勝を挙げていたフェラーリのブランド力を欲したフォードは、売上増を狙ってフェラーリを買収しようとする。マーケティング担当のリー・アイアコッカはイタリアに赴き、フェラーリ創業者のエンツォ・フェラーリと接触して交渉にあたる。両社の話し合いは深夜まで続くが、フォードのレースへの考え方を聞いたエンツォは激怒。フォード・モーターの社長であるヘンリー・フォード2世を罵倒して提案を破断にする。
アメリカに戻ったリーがヘンリーに顛末を報告しているときに、フィアットが巨額の資金をフェラーリに提供するというニュースが舞い込む。深夜までかかった交渉は、フィアットからの資金援助を引き出すためのフェラーリの時間稼ぎだったのだ。フォードが当て馬にされ、自身のプライドも傷つけられたヘンリーは、ル・マンでフェラーリを叩き潰すことを決意して車両開発の命を下す。その白羽の矢が立ったのは、マット・デイモン演じるキャロル・シェルビーだ。

キャロルは59年のル・マンを制した唯一の米国人レーシングドライバーだ。心臓の異常が判明し、引退後は自動車販売会社「シェルビーアメリカン」を興し、カーデザイナーとして生計を立てている。彼はフォードからの突然の申し出に戸惑うも、燻ぶらせていたレースへの情熱が再燃して最終的には申し出を引き受けてレーシングチームを結成する。

キャロルがドライバーとして迎えるのは、クリスチャン・ベイルが演じるケン・マイルズだ。ケンはドライバーとしての実力は一流だが、プロとして活躍するには性格に難があった。自分で自動車整備工場を営むも客を怒らせてばかり。ついには廃業し、家族を養うために町工場に転職をしている。そんな折からのキャロルの誘いに苦悩するも、最後には家族の理解と応援を得てチームに加入。レーシングドライバーと開発ドライバーとして活躍する。

キャロルとケンを中心にマシンが開発され、台数が増えるにつれてフォードのレースチームも増えていく。しかし、レースで勝ちたい2人とは反対に、フォードの背広組はレースを利用して自社製品の拡販を見込んでいた。そのため、ブランドイメージに合わないケンをチームメンバーから外そうとする。キャロルは、レースで勝つにはケンがドライバーで必要だと説得するが叶わず。キャロルから告げられて、ケンはドライバーを降りる。しかし、ケンを抜いて挑んだル・マンでフォードは大敗を喫する。キャロルは再びケンをドライバーとして起用するように働きかけるが、背広組が突きつけた条件は……その後、どうやってケンとキャロルがル・マンに参戦するかは実際に確かめて頂きたい。
ル・マンのレースシーンは、今はなきル・マン式スタートから始まる。時速200マイル超えでフォードGT40とフェラーリ330がバトルする姿は、往年のモータースポーツファンにとって垂涎のシーンだろう。もちろん、その速度域からの車内シーンやバトルシーンは、モータースポーツファンならずとも圧倒されるはずだ。
音響にも注目したい。同作の音響記録フォーマットは、名作「時計じかけのオレンジ」や「アナと雪の女王2」にも使われているDOLBYを用いている。その音質は驚くほど高い。開始1分ほどで、レーサー時代のキャロルがル・マンで駆るアストンマーチンが登場するが、そのサウンドは物語への期待を高めてくれる。ぜひとも、ストーリーと共に映画館で楽しんでもらいたい。
日本公開は来年1月10日金曜日から。レースでの勝利に向けて疾走するアツき男たちの姿に心奮わせてみるのはいかがだろうか。