東京オートサロンでトヨタがWRC参戦体制&GRヤリスを発表
2020年1月17日

今秋は愛知・岐阜でラリージャパンが開催されるなど、各所でラリー旋風が巻き起こっている。そんな中、年初のビッグイベント・東京オートサロンでは、TOYOTA GAZOO Racingが世界ラリー選手権への参戦体制を発表。またWRCを勝ち抜くために生まれたホモロゲーションモデルのGRヤリスを世界初公開した。
TOKYO AUTO SALON 2020(東京オートサロン2020)
開催日:2020年1月10~12日
開催地:幕張メッセ(千葉県千葉市)
主催:東京オートサロン実行委員会
1月10~12日に幕張メッセで開催された「東京オートサロン2020」。チューンアップされたマシンや各種パーツの展示だけでなく、ここ数年、レーシングマシンのデモランや自動車メーカーの出展もポピュラーとなってきている。
オートサロンに合わせて新型車の発表も珍しくなくなった。そんな中、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamが2020年シーズンのWRC体制発表を行った。これまではイギリスで開催されるAutosport International Showで体制発表されることが多かった(実際今年もMsportが体制発表を行っている)が、今年は10年ぶりにWRCの日本ラウンドが行われるとあって、東京オートサロンが選ばれたという。
昨シーズンから一変されたドライバーズ・ラインアップだが、シトロエンから移籍したセバスチャン・オジェとコ・ドライバーのジュリアン・イングラシア、WRC優勝経験もあるエルフィン・エバンスとコ・ドライバーのスコット・マーティン、弱冠19歳のカッレ・ロバンペラとコ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンの6人全てが登壇。もちろん、チーム代表のトミ・マキネンや豊田章男社長、TOYOTA GAZOO RacingラリーチャレンジプログラムでWRCでの経験を積む勝田貴元などもこの場に姿を見せた。
6度のワールドチャンピオンを勝ち取っているオジェは「近年、トヨタの強さを見せつけられていたので、一番強いチームで戦いたいと思っていた。このチームで(チャンピオンの獲得回数を)更新したい」と熱く今シーズンの抱負を語った。
「初めてのクルマはいつもチャレンジングなことだけど、ヤリスはレスポンスが良く、自分にマッチしてるクルマだと感じられた」とヤリスWRCに好感触を得たと話したのはフォードから移ってきたエバンス。
初めてWRCフルシーズンを戦うロバンペラは「学ぶことはまだまだたくさんあるが、シーズンを通して頑張りたい」とコメント。また、今シーズンはヤリスWRCで日本ラウンドを含むWRC8戦に参戦を予定している勝田は「この錚々たる3クルーと共に参戦できることは光栄ですし、今年後半にはこうした選手たちと同じようなところで争えるに経験値をしっかり積んでいきたい」と活躍を誓った。
豊田社長も「昨シーズンの勝利はタナクだけによるものだったが、今シーズンの3クルーは誰がいつ勝っても不思議ではない布陣を整えられたのではないかと思っています。各ドライバーからは自分自身が元気になれるようなコメントをもらうことができました。もっと元気を出すためにも日本の皆様からも大きな声援を頂きたい」と締めくくった。
また、同時にWRC参戦によって得た知見と技術を投じて開発された噂のGRヤリスもついに正式発表された。搭載されるエンジンは直列3気筒DOHC直噴ターボで、排気量は1618ccながら272ps/370Nmを発生する。また、前後駆動力可変システム採用の新開発4WDシステム「GR-FOUR」も搭載している。
ヤリスの名は冠しているものの、2月発売予定の新型ヤリスとは全く別物で、ボディ剛性や空力を考慮し専用の3ドアボディとなっているだけでなく、アルミ製のエンジンフード、トランクリッド、ドアパネルにCFRP素材のルーフパネルを採用することで車両重量は1280kgとなっている。
GRヤリスの発売は今年の夏以降のようだが、ブースには国内モータースポーツ参戦を意識したモデルも展示されていたので、今シーズン後半から来シーズンにかけてモータースポーツの現場の大きな話題となりそうだ。その他にも新型ヤリスを使用した公認ナンバー付きのワンメークレースが2021年から「YarisCup」として新たに生まれ変わることもアナウンスされた。







フォト/JAFスポーツ編集部 レポート/山中知之