2020年JAF地方選手権レースが岡山国際で開幕! 盛況のWEST VITAは清水康友選手が優勝!!

レポート レース サーキットトライアル

2020年3月3日

全国の公認サーキットで行われる2020年のJAF地方選手権レースシリーズ。岡山国際サーキットではいち早く2020年シリーズが開幕し、今大会で最多台数を集めたWEST VITAでは、大八木龍一郎選手との接戦を演じた清水康友選手が優勝した。

2020 OKAYAMAチャレンジカップレース第1戦/2020 OKAYAMAチャレンジカップサーキットトライアル/JAF地方選手権 岡山国際サーキットトライアル選手権Rd.1
開催日:2020年2月23日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:(株)岡山国際サーキット、AC

 OKAYAMAチャレンジカップレース第1戦が、2月23日に岡山国際サーキットで開催された。今回の開催レースは、今大会最多のWEST VITAを始め、スーパーFJ選手権岡山シリーズ、N1ロードスター、N1-86、Nゼロ-86、ポルシェトロフィー(2レース制)に加え、OKAYAMAチャレンジカップサーキットトライアル開幕戦も併催された。当日は早朝から好天に恵まれ、この時期としては気温がやや高め。そのため、予選でのレコード更新がなかったのは、少々残念だった。

 今大会の一番人気はWEST VITAで、17台のエントリーを集めていた。予選では終始トップだった清水康友選手が、「このオフ、練習できなかったから、そんなに自信なかったんですけどね」と語りながらもポールポジションを獲得。終盤になって、大八木龍一郎選手だけがコンマ2秒差にまで肉薄した。決勝でも、この二人が激しくトップを争い、4周目には大八木選手が前に出るも、次の周に清水選手が再びトップに浮上。

 最後まで僅差での戦いが続いたものの、コンマ2秒差で清水選手が逃げ切った。「やっぱり練習不足でした。次回はしっかり練習して、安定した走りができるようにします」と、清水選手は勝って兜の緒を締め直していた。3位は予選6番手から順位を上げた竹内耕二選手。3周目から、そのポジションを保ち、中盤からは後続も引き離していた。

 スーパーFJは、貫戸幸星選手が初めてのポールポジションを奪うも、「タイムは自分でも今イチで、決勝もどうなるか」と納得がいかぬ様子。決勝では予選2番手の妹尾俊郎選手にスタートで先行を許すが、2周目のバックストレートでトップに立つと、予選後の不安をかき消すような激走を見せた。後続の争いが激しさを増すのを尻目に、一気にスパート。そのまま逃げ切って初優勝を飾った。

「速い子たちがステップアップしていきましたからね。今年も若手がちゃんと走れば、すぐに抜かれますよ」と語ってはいたが、表彰台の上では満面の笑みを浮かべていた。一方、2番手争いは最後まで熾烈に繰り広げられたが、貫戸選手に続いてゴールの選手が重量不足で失格に。繰り上がって2位には妹尾選手、そして3位には太田浩選手がつけることとなった。

 N1-86は予選のラスト2分で藤井大温選手がトップに立ったが、ラストアタックで正木勇二選手が再逆転してポールポジションを獲得。ただし、その差はコンマ07秒とあって、「決勝はマッチレースになるでしょうね」と正木選手。しかし、そんな予想に反して正木選手がスタートから逃げていく。

 正木選手は一時は3秒2の差をつけたものの、5周目からは逆に藤井選手のペースが上回るように。やがてテール・トゥ・ノーズ状態となるが、藤井選手は逆転の決め手を欠いて、正木選手が逃げ切りに成功する。「(タイヤの)内圧がね……。それで後半追いつかれてしまったんですが、何とか逃げ切ることができました」とは正木選手。混走のNゼロ-86は、山崎竜生選手の圧勝となった。

 N1ロードスターは、昨年NAクラスでパーフェクトの金森成泰選手がポールポジションを獲得。予選2番手の山崎聡一選手を約1秒引き離した。「途中で黄旗が出ていたので、その間抑えて、ラスト何周かクリアになったので、最後にまたタイムアップできました」と金森選手。

 金森選手は決勝でも圧倒的なスピードを最後まで維持し、後続に6秒以上の差をつけた一人旅。「今日はもう完璧でした。スタートも決まったし、最後までペースも抑えなかったし。3連覇、狙いますよ」とレース後に語った。一方、予選3番手の橋村剛選手が3周目に2番手にアップ。中盤以降は後続を引き離して、やはり単独走行での2位表彰台獲得となっていた。

 2レース開催となったポルシェトロフィーは、予選のベスト、セカンドベストタイムともにトップタイムをマークした松島豊選手がWポールを獲得。「獲れたという感触はありました、今日は2レースともポール・トゥ・ウィンを狙っています」と宣言していた。

 その言葉どおり、レース1は松島選手がスタートから後続を寄せ付けず優勝。滝澤智幸選手が2位でゴール。レース2でも松島選手の速さに衰えはなく、MUSASHI選手と激しく競い合った滝澤選手を尻目に難なく逃げ切りを果たす。しかし、松島選手は「実はメーターが壊れて見られなくて、勘だけでシフトチェンジしていたんです」と、ホームコースだからこその離れ業を見せていた。

 今シーズンもスポーツランドSUGOと筑波サーキットと共通規則で行われることになったサーキットトライアル選手権。岡山国際シリーズの開幕戦は、4クラスで競われた。

 8時30分から始まる15分のヒート1、そして12時からスタートする15分のヒート2がそれぞれドライコンディションで行われ、東京から初遠征の佐藤清貴選手がB6クラスで総合優勝。ヒート1のタイムをヒート2で1秒以上も上回ったばかりか、従来のB6クラスのレコードを5秒以上短縮した。

 「いつも走っている筑波やSUGOと違って、ブレーキングするところが下っていて、挙動が乱れないようにするのが大変でした。また出たいけど、さすがに遠いからどうなるか……」とは佐藤選手。総合2位はB6クラスをZ34で戦う中嶋努選手。全日本ジムカーナ選手権を長年戦ってきたベテランだが、ヒート2で叩き出した1分48秒779が最速タイムとなった。

 総合3位はB4クラス優勝の山根一人選手だったが、ヒート2ではタイムアップできず「今日の走りは最悪」と、納得がいかぬよう。B5クラスはヒート2で大きくタイムを詰めた石田泰久選手が優勝。ヒート1ではブレーキパッドの当たりが付いておらず、苦戦を強いられていたそうで「後半で何とか持ち直せました。まだ不満はあるんですが……」と石田選手。そして、B2クラスでは2019年B2チャンピオンの吉見伸吾選手が後続に約1秒差を付けて優勝を飾っている。

レース前半では、大八木龍一郎選手に先行を許した清水康友選手だったが、ポジションを取り返した。
WEST VITA決勝は、大八木選手の猛追を辛くも防ぎ切った清水康友選手がポール・トゥ・ウィン。
WEST VITA表彰台。優勝は清水康友選手、2位は大八木龍一郎選手、3位は竹内耕二選手。
WEST VITAと混走となったVITAトロフィーは総合では10番手の平田純選手がクラス優勝を果たす。
VITAトロフィー表彰台。優勝は平田純選手、2位は稲田昌文選手、3位は安田大夢選手。
スーパーFJ岡山シリーズ開幕戦はやや寂しい5台の戦い。ポールの貫戸幸星選手が抜け出した。
後続に10秒以上の差を付ける”一人旅”となった貫戸幸星選手がポール・トゥ・ウィンを獲得。
対する2番手争いは中盤までは接近戦となり、最終的には妹尾俊郎選手が2位を獲得。
スーパーFJ表彰台。優勝は貫戸幸星選手。2着の選手の失格により妹尾俊郎選手が2位に。
N1-86決勝レースは正木勇二選手が逃げ切りかと思いきや、藤井大温選手が後半で肉薄。
N1-86表彰台。何とか逃げ切った正木勇二選手が優勝。2位は藤井大温選手、3位は佐藤俊介選手。
N1-86と混走となったNゼロ-86は2台の参加。山崎竜生選手が総合でも4番手の圧勝となった。
Nゼロ-86表彰台。優勝は山崎竜生選手、2位は長谷川順一選手。
N1ロードスターは15台のエントリー。スタート直後から激しいバトルが展開された。
序盤の混戦を抜け出した金森成泰選手が、後続に6秒以上の差を付けてポール・トゥ・ウィン。
N1ロードスターの上位3名。優勝は金森成泰選手、2位は橋村剛選手、3位は石川仁士選手。
3番手争いは熾烈で、石川仁士選手と山崎聡一選手がレース後半、随所でバトルを繰り広げた。
ポルシェトロフィーのレース1が今大会最初の決勝となり、2020シーズンの開幕レースとなった。
僅差のポールポジション獲得から横綱相撲を見せた松島豊選手が、まずはレース1で総合優勝。
レース1のクラスA表彰台。優勝は松島豊選手、2位はMUSASHI選手、3位は今村英治選手。
序盤では混戦模様だったクラスBでは、滝澤智幸選手が抜け出して、総合2位のクラスB優勝。
レース1のクラスB表彰台。優勝は滝澤智幸選手、2位は山本賢選手、3位は関正俊選手。
ポルシェトロフィーのレース2は、再びポールスタートの松島豊選手がフルマーク2連勝。
レース2のクラスA表彰台。優勝は松島豊選手、2位はMUSASHI選手、3位は早崎良巳選手。
滝澤智幸選手とMUSASHI選手の997と991による総合2番手争いはクラスBの滝澤選手が制す。
レース2のクラスB表彰台。滝澤智幸選手が連勝。2位は関正俊選手、3位は神取彦一郎選手。
サーキットトライアル岡山大会の開幕戦ではB6、B5、B4、B2の4クラスに17台がエントリー。
2016年筑波B3、2018年菅生BD4チャンピオンの佐藤清貴選手が初の岡山遠征で岡山国際初制覇。
B6クラス表彰式。総合トップの優勝は佐藤清貴選手、2位は中嶋努選手、3位は伊藤了太選手。
FK8シビックを駆るB5クラス石田泰久選手。ヒート2後半で辛くも総合4番手のB5ベストをマーク。
B5クラス表彰式。優勝は石田泰久選手、2位は山村純一選手、3位は三浦俊哉選手、4位は金子達也選手。
FR専用のB4クラスでは新作タイヤを装着した山根一人選手がヒート1で総合2番手のクラスベストを計測。
B4クラス表彰式。優勝は山根一人選手、2位は福冨航平選手、3位は久保田徹選手、4位は福本和也選手。
2019年チャンピオン吉見伸吾選手が工藤丈弥選手の驚異を感じつつも総合9番手のB2ベストで優勝。
B2クラス表彰式。優勝は吉見伸吾選手、2位は工藤丈弥選手、3位は吉田雄三選手、4位は山下猛選手、5位は野添光治選手。

フォト/JAFスポーツ編集部、岡山国際サーキット レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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