晴天の筑波サーキットで「筑波シリーズ」開幕! EP82室岡嘉浩選手がTTC1400を制す
2020年4月2日
筑波サーキットで2020年の筑波チャレンジクラブマンレースが開幕。ツーリングカーシリーズとスーパーFJ選手権等が行われ、TTC1400では三つ巴の激戦が繰り広げられた。
JAF筑波スーパーFJ選手権シリーズ(JAF筑波/富士スーパーFJ地方選手権シリーズ)第1戦/
筑波ツーリングカーシリーズ第1戦/2020筑波チャレンジクラブマンレース第1戦/
2020年JAF筑波サーキットトライアル選手権第1戦
開催日:2020年3月22日
開催地:筑波サーキットコース2000(茨城県下妻市)
主催:VICIC
3月22日に筑波サーキットで、「筑波チャレンジクラブマンレース第1戦」が開催された。新型コロナウィルス感染予防の対策として採られていたのは、ピットでの受付と屋外でのブリーフィング、そして正式表彰の実施。なお、平日は3月末まで関係者以外の入場を規制していたものの、レース当日に関しては解除されていた。
好天に恵まれ、予選、決勝ともにドライコンディションでの戦いとなった。EP82スターレットによる、TTC1400は室岡嘉浩選手がポールポジションを獲得。「Joy耐には毎年出ていますが、スプリントレースはスポットでたまに出ているだけ。クルマがいいので、逆に言うとポール獲れなかったら『クビだ!』って(笑)。決勝もスタートさえ失敗しなければ、大丈夫だと思います」と自信の程を覗かせた。
その決勝では、予選2番手の堀雅清選手が出遅れたこともあり、室岡選手がホールショットに成功。予選4番手の八代勝也選手が一気にポジションを上げ、田中千夏選手を従える。だが、6周目の第1ヘアピンで、田中選手が2番手に躍り出る。
一方、それまでは着実に差を広げていた室岡選手ながら、2番手争いがなおも激しく続いていたにも関わらず、徐々に接近を許すように。やがてトップ争いは三つ巴に転じていく。最後は3台がコンマ7秒の差で連なる状態ながら、辛くも室岡選手は逃げ切りに成功。
「スタートが決まって、しばらく良かったんですが、今年からタイヤのスペックが変わって、合わせ込みが十分ではなかったせいで、最後はズルズルでした」と室岡選手は厳しい勝利だったことを明らかにした。
JAF筑波スーパーFJ選手権シリーズ第1戦としてスケジュールされていた本大会は、富士スピードウェイで今年1戦だけ行われるレースを組み込み、「JAF筑波/富士スーパーFJ地方選手権シリーズ」として全7戦で争われることとなった。
今シーズンは富士が東京2020オリンピック/パラリンピック競技大会の自転車競技会場として使用される予定だったため、富士チャンピオンシリーズも4戦しか開催できない状況を勘案した措置のようだ。
筑波/富士S-FJ開幕戦のポールポジションを獲得したのは、昨年の最終戦でデビューウィンを達成した伊藤駿選手で、ただ一人59秒切りに成功する。「クルマの状態が良くて、温度の低さやコンディションから、いいタイムは出るだろうと思っていました。でも本当に欲しいのは優勝で、しかもバトルしながらというのが望むところです」と伊藤選手。昨年のチャンピオンマシンを受け継いだ草野裕也選手が2番手で、差はコンマ2秒にも満たず。決勝のトップ争いが、一騎討ちとなることが予想された。
序盤は伊藤選手が逃げる一方で、一時は1秒3の差を付けたものの、中盤からは草野選手のペースが上回るようになり、予想通りの展開に持ち込まれていった。しかし、あと一歩のところで草野選手のミッションにトラブルが生じ、13目に無念のリタイア。これで一気に楽になった伊藤選手が、さらに差を広げて連勝を飾ることとなった。
「不戦勝みたいな感じで、面白くなりそうな予感があったのに、後ろについた人がリタイアしているので、ちょっと残念です。次は危ないかもしれません。ただ、開幕戦で勝てたからには、全部勝つぐらいの心構えでいます」とは伊藤選手。2位は、本田千啓選手を10周目の最終コーナーでかわしていた、ルーキーの松澤亮佑選手が獲得した。
今年は富士スピードウェイで2戦、筑波サーキットで2戦の計4戦で争われるAudi A1 Fun Cup。予選で最速タイムを藤井優紀選手が記すも、複数の総路外走行により当該タイムを抹消されたばかりか、4リッド降格のペナルティが。これで繰り上がった橋本泰一選手がポールポジションを獲得した。
決勝もトップ発進となった橋本選手だったが、そこに近付いてきたのが藤井選手だった。その後は逃げる藤井選手に対し、橋本選手は森慎一選手の猛攻を受けるも、これは辛くも逆転を阻止。しかし、藤井選手には追い上げ中に接触があり、30秒加算のペナルティで7位に後退。「前も後ろも速くて大変でしたが、激しいバトルができて、レースは楽しめました」という橋本選手がまたも繰り上がって優勝。喜びをより増していたことだろう。
本大会には筑波サーキットトライアル選手権第1戦が併催された。筑波シリーズは、今年もスポーツランドSUGOと岡山国際サーキットのサーキットトライアルと共通規則で実施されることになっており、筑波シリーズの開幕戦には、5クラス29台が集結した。
一斉にアタックを開始したそれぞれのヒートでは、どこもかしこも大渋滞。クラスレコードを更新して優勝したB6クラスの澁澤栄一選手、B4クラスの市川忠康選手は、ともに第1ヒート、最速の計測ラップで勝負を決していた。
「すぐ詰まっちゃったんですけど、皆さんマナー良くて、最初の周だけ譲ってくれました。筑波はレースで長いんですが、CTは初めて」と澁澤選手。「最初に勝負するのが手だと思い、1周念入りにタイヤを温めて、次の周だけクリアが取れました」と語る市川選手は昨年のチャンピオン。連覇に向けて好スタートを切った。
B5クラス優勝の森田正穂選手、B1クラス優勝の柴田尚選手も第1ヒートで勝負を決めたのに対し、唯一第2ヒートの逆転で優勝したのはB2クラスのヤスモトユウト選手。「今までマツダのCTに出ていて、愛車のローンが終わったので参戦機会を増やそうと、初めて地方選手権に出ました。第2ヒートでようやくクリアが取れたのが最大の勝因です」とヤスモトユウト選手は語っていた。
フォト/友田宏之 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部