フォーミュラE 東京E-Prixをファンビレッジでも満喫!
2025年5月27日

5月17~18日に開催された、東京ビッグサイトを中心にストリートサーキットで争われるFIAフォーミュラE世界選手権 東京E-Prix。この大会は、常設のサーキットと様相が異なる観戦スタイルが特徴的で、それが顕著に表れていたのが、東京ビッグサイトの東4~6ホールで開催されていたファンビレッジだ。入場無料で東京E-Prixの雰囲気を満喫できるとあって、両日とも大きな賑わいを見せていた。
サーキットでのモータースポーツ観戦の醍醐味といえば、レースはもちろん、屋台グルメ、グッズの物販、関連企業のブース出展、ステージを使った催しなど、いろいろなコンテンツを楽しめることだろう。その魅力を余すことなく、都心で行われたストリートサーキットでも忠実に再現していたのが東京E-Prixのファンビレッジ。東京ビッグサイトの東4~6ホールにそのすべてが集約されていた。
FIAフォーミュラE世界選手権の舞台となった東京ビッグサイト周辺へのアクセスは、ゆりかもめの東京ビッグサイト駅が改めて利便性に長けていたと言える。大会期間中の5月14日は悪天候に見舞われて終日雨が降っていたのだが、観客は駅からほぼ雨に濡れることなくファンビレッジまでアクセスでき、導線的にも優れていたと感じたからだ。
モータースポーツの観戦というとハードルが高いものと捉えられがちだが、この東京E-Prixのファンビレッジは、初めてモータースポーツに触れるにはピッタリのエンターテインメントだろう。これは従来の国内のサーキットでレースを観戦するものとは一線を画す部分である。


そんなファンビレッジは9つのゾーンで構成されている。フォーミュラEの世界を紹介する「ウェルカムゾーン」、オリジナルグッズが販売される「フォーミュラEゾーン」、レースのアクティビティが充実した「リアクティブゾーン」、シミュレーターを体感できる「ゲーミングゾーン」と、フォーミュラEに関する興味深いコンテンツがあった。
また、子供と楽しめる「キッズゾーン」、各種展示が行われた「パートナーゾーン」、グルメやドリンクを販売する「フード&ビバレッジゾーン」、スマホが充電できるスポット「リチャージガーデン」、さまざまなアーティストが出演する「ステージゾーン」といった具合に、快適に過ごすための空間も設定されている。

まずはファンビレッジのゲートをくぐると、ウェルカムゾーンでは横長の大型スクリーンがお出迎え。東京E-Prixをイメージした映像が絶えず流れており、訪れた多くの人がスマホで撮影していた。ファンビレッジが屋内ということもあり、若干の薄暗さが映像をより際立たせていた。こうした光景が従来のモータースポーツファンには新鮮に映ったようだ。
スクリーンを抜けた先には今大会の主役であるフォーミュラEのGEN3 EVOのマシンがお目見え。他のフォーミュラマシンとは一線を画すエアロパーツのシルエット、そしてドライ/ウェットに対応するワンスペックのタイヤなど、多くの来場者がマシンに近づいて細部まで見ていた。




ファンビレッジの中央付近へ進むと、フォーミュラEグッズが販売されているフォーミュラEゾーン、そして体験型コンテンツを豊富に用意したリアクティブゾーンが広がる。レーシングドライバーに求められる反射神経をゲームで試せたり、メカニックになりきってフォーミュラEのタイヤ交換が体験できるなど、実際に身体を動かすアクティビティが用意されていた。
また好きなフォーミュラEドライバーとツーショット合成写真が撮影できたり、展示されている表彰台で記念撮影ができるものがあった。これらはQRコードから撮影データをダウンロードできるようになっていて人気を博していた。
さらに、エアロバイクや三輪車のペダルを漕いで発電した電気でフォーミュラEのスロットカーを動かすエコなレースなど、東京E-Prixの雰囲気はもちろん電気の力を体感できるコンテンツが多かった印象だ。
電動のフォーミュラという共通点で言えば、学生フォーミュラから東北大学、上智大学、富山大学の3校が合同でブースを出展。今回展示していた3校は全てBEVのフォーミュラマシンであり、既成のモーターやインバーター、バッテリーなどを学生たちの創意工夫でフォーミュラマシンに仕立てていた。





子供向けの体験コンテンツも充実。キッズゾーン内にあるミニサーキットでのEVカート走行は人気コンテンツのひとつで、屋内でカート体験ができるのも電動ならではの利点だ。また、小さな子供とその保護者が安心して楽しめるコーナーもあり、ファミリーが快適に過ごせる工夫がほどこされていた。
隣には東京E-Prixのコースを再現されたシミュレーターを体験できるゲーミングアリーナがあった。既存のレースゲームなどでもこの東京E-Prixのコースが収録されていることは少ない。バーチャルとはいえ、東京E-Prixのコースを走れるのは貴重な体験になったことだろう。



観戦を楽しめるエリアが展開されているのもファンビレッジの特徴のひとつ。既存のモータースポーツファンから見ると新鮮に映ったのが、大型モニターの前に設置されたリチャージゾーンのクッションやソファーなどだ。現地のイベントを楽しみながらリラックスした状態でレース観戦を楽しめた。
そしてフォーミュラEのセッション以外の時間になると、大型モニターはそれぞれのスマートフォンからエントリーと操作ができるゲームモニターに早変わり。会場の他のファンたちと一体となって楽しめるコンテンツは、ほかにはない試みと言えるだろう。
また、リチャージゾーンの周囲にはフード&ビバレッジゾーンが広がる。飲食物を提供するショップが充実していて、周囲に用意されたテーブルやイスを利用でき、購入してすぐに飲食が楽しめる環境になっていた。ここでは休憩も兼ねて、グルメを思い思いに楽しんでいる様子がうかがえた。



各チームやサプライヤーの関連ブースが多く並んでいたのはパートナーゾーン。もちろん、ココも電動車に関する展示が中心となった。各社ともそれぞれ興味深いブースを展開。その中にはJAFのブースもあり、スロットカー体験やJAFジュニアライセンス発行などのコンテンツが用意されていた。
ファンビレッジ入口から見て最奥にはステージが設営されており、ライブやトークショー等のステージイベントが行われていた。また、土曜日は雨天ということもあってこのステージで表彰式を開催。ファンとの距離が近い表彰式は、ほかのレースカテゴリーではあまり見られない光景だった。





ファンビレッジをひととおり見てみると、東京E-Prixは手軽にモータースポーツに触れることができる環境とアクセスの良さを強く実感できた。まさに最初のモータースポーツ観戦にピッタリの場所と言える。日本でのモータースポーツファンの拡大に東京E-Prix、そしてこの屋内ファンビレッジは大きく貢献してくれる存在になっていた。

PHOTO/石原康[Yasushi ISHIHARA]、遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/西川昇吾[Shougo NISHIKAWA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
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