だからカートは面白い!【カート基礎知識Part.9】「手軽に気軽にカートを始めよう」
2020年6月11日

レーシングカートを始めるのは、実は簡単。あまり知られていないのですが、“カートの第一歩”にふさわしい場所は、日本各地にたくさん用意されています。そこでカートの始め方をご説明しましょう。
カートを始める方法は、簡単に分類すると以下の4つになります。
- 1.[お試し体験! 初心者向け] レンタルカートで走ってみよう
- 2.[とにかく体験! 競技経験者向け] レーシングカートのレンタルシステムが便利
- 3.[カートに関する情報収集] カートショップへ行ってみよう
- 4.[カートドライバーの必需品] ライセンスを取得しよう
レーシングカートは基本的に、マシンや装備を自分で所有して楽しむ競技です。それに対してレンタルカートは、施設(サーキット)に用意されているマシンを時間単位や周回数単位でレンタルして走行を楽しむもの。ヘルメットなどの装備も大半の施設で借りられるので、手ぶらで出かけてサーキットを走ることができます。
「お試しでカートを体験してみたい」という人には、もっとも手軽な手段といえるでしょう。現在、全日本カート選手権などで活躍しているトップドライバーたちの中にも、レンタルカートでカートの第一歩を踏み出した選手が大勢います。
一般的なレンタルカートは、いわばレーシングカートを初心者用にデチューンしたマシン。車体には接触やコースアウト時のダメージを防ぐ安全装備を厳重に備え、そこに耐久性の高い汎用4ストロークエンジンが搭載されています。純レーシングマシンであるレーシングカートに比べるといささか運動性能は劣るのですが、それでもモータースポーツ未経験者を充分に仰天させるだけのパフォーマンスを有しています。
そしてレンタルカートに乗れる施設は日本各地にたくさんあるのですが、それはレンタルカート専用サーキットとレーシングカート用サーキットに大別されます。
レンタルカート専用サーキットでは、イベント開催時や貸し切り日を除けば、営業時間のいつでもレンタルカートに乗ることができます。走りやすさや気軽さに関しては、こちらの方が上でしょう。
一方、レーシングカート用サーキットでも、多くの施設がレンタルカートを用意しており、レーシングカートのスポーツ走行時間の合間(昼休みやスポーツ走行終了後など)に営業を行っています。こちらではレンタルカートのついでに“純レーシング”の世界に触れることもできます。
どちらの施設も、レンタルカート走行には年齢・身長などの走行資格や服装などの規定がありますから、事前に下調べをした上で施設を訪れてみてください。
すでに他のカテゴリーでサーキット走行の経験がある人だと、レーシングカートより重くてパワーが控えめなレンタルカートは、やや物足りなく感じるかもしれません。そういう方には、レーシングカートのレンタルシステムがお勧めです。
これは、レーシングカート専門店(カートショップ)所有のレーシングカートを時間単位でレンタルできるサービスで、多くのカートショップが実施しています。マシンの準備や走行サポートなどもパッケージになっている場合が多く、レーシングカート購入前にその世界を手軽に体験してみたい人にはうってつけです。
「まずはカートのことをあれこれ知りたい」という人は、カートショップを訪れてみるといいでしょう。カートショップにはマシンやレーシングウェアの販売だけでなく、マシンのメンテナンスやオーバーホール、サーキット走行やレース参加に際してのアドバイスやサポートなど、カートライフのすべてが用意されています。
カートを始めるのには何が必要なのか、自分の嗜好に合った楽しみ方にはどんなものがあるのか、それにはどの程度の費用が必要なのか……など、プロフェッショナルならではの知識であらゆる相談に応じてくれるはずです。
ただし、近隣サーキットのイベント開催日やサーキット出張サービスなどの日には、カートショップが留守になっていることも。事前に「カートに興味があるんですが……」と連絡を入れて、訪問日時を約束してから出向く方がベターでしょう。
いざレーシングカートを始めるとなった時に、必ず必要になるのがライセンス。カートの競技参加には、カート専用のドライバーライセンスが必要です。さらにスポーツ走行の際にも、多くのサーキットで“走行資格”としてライセンスの提示を求められます。ならば、ライセンス取得をカートの第一歩にするのもいいでしょう。ライセンスの詳細については後日、基礎知識で触れていきます。
最後にひとつアドバイス。ネットオークションにはかなり値段の安い中古カートが出回っているのですが、初心者がこれを購入してカートを始めることは、あまりお勧めできません。なぜなら、カートはメインフレームを含めてすべてが“消耗品”だからです。
そのカートがどれほどの傷み具合なのか、サーキット走行やレース参加に問題のない状態なのかを初心者が判断することは、現物を見ても難しいでしょう。新車であれ中古車であれ、少なくとも最初のカートは、プロが責任を持って販売しているカート専門店で購入した方がのちのち安心です。
フォト/小竹充 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部
<関連リンク>
だからカートは面白い!【カート基礎知識Part.1】「カートってなに?」
だからカートは面白い!【カート基礎知識Part.2】「カートってどんなマシン?」シャシー編
だからカートは面白い!【カート基礎知識Part.3】「カートってどんなマシン?」エンジン&タイヤ編
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