FIA世界ラリー選手権の2020年再編日程発表。11月19~22日にWRC日本ラウンド開催!
2020年7月6日
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6月19日の世界モータースポーツ評議会(WMSC)では発表されなかった今年のFIA世界ラリー選手権(WRC)の再開後日程。約2週間後の7月2日、ついに改訂版カレンダーが発表され、11月19~22日にWRC日本ラウンドが組み込まれていることが明らかになった。
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FIA世界ラリー選手権(WRC)は7月2日、2020年のシーズン再始動に向けて、改訂版のカレンダーを発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、第3戦のメキシコを最後に中断が続いていたWRCがカレンダーを再構築。9月4~6日の第4戦エストニアを皮切りに、9月24日~27日の第5戦トルコ、10月15日~18日の第6戦ドイツ、10月29日~11月1日の第7戦イタリア、11月19日~22日の第8戦日本という開催日程が発表された。
この発表には10月2~4日に開催されるベルギーのイプルーラリー、そして、日付は調整中としながらもクロアチアがオプションとして追加される可能性を示唆。オーガナイザーと事前交渉が行われていることから、これらの候補イベントの開催が実現すると、再スタート後は最大7戦が行われ、2020年は合計10戦のシリーズということになる。
第5戦トルコと第6戦ドイツ、そして、第8戦日本は当初の予定通りの日程で開催されることになったが、この発表で驚かされたのは、2019年にプローモーショナルイベントを行ったエストニアの追加。1973年のシリーズ創設以来、33番目のWRC開催国となった。
エストニアでのWRC開催に関して、7月2日、同国のユリ・ラタス首相とWRCプロモーターのマネージングディレクターであるオリバー・シースラ氏が出席し、首都のタリンにおいて記者発表会が行われた。エストニア出身といえば2019年ドライバーズチャンピオンのオイット・タナック選手で、母国のファンの前で初めてWRCを戦えるだけに、再開初戦のラリーは特別な週末となるに違いない。
ちなみに、ラリーエストニアの拠点は同国東部のタルトゥで、エストニア国立博物館にサービスパークを設置。9月4日(金)にシェイクダウンおよびオープニングセレモニーが開催され、5日(土)と6日(日)の二つレグで構成される予定となっている。感染拡大防止を考慮した短いフォーマットでの開催を検討していると思われる。
また、6月5~7日に開催を予定しながらも延期となっていたイタリアも、改訂版カレンダーで注目を集めているイベントで、中止を発表したイギリスと同日の10月29日~11月1日に組み込まれることが確定した。
ラリーの拠点はイタリア・サルディニア島のアルゲーロで、例年通りグラベル戦として開催される予定だ。しかし、初夏から秋へと開催時期が変わり、涼しいコンディションとなったことで、各エントラントは新たな対応が求められるに違いない。
なお、このWRCの日程変更に合わせて、5月1~3日の開催を予定しながらも延期となっていたアルゼンチンのキャンセルが正式に決定したことになる。
WRCプロモーターのシースラ氏は、シリーズ再開を9月にしたことにより、各イベントの主催者に十分な準備期間を与えられるとした上で、「我々は例外的な状況の中、FIAとイベントの主催者、チームと連携して作業に取り組み、カレンダーの改訂を進めてきた。これにより、WRCは最適なタイミングで再スタートを行なうことが可能になったほか、世界選手権にふさわしいシーズンを確保することができた」とコメント。
さらに「エストニアとイタリアではファンの情熱を受け取ることができた。9月にWRCが再開することで、期待がさらに高まるだろう」とシースラ氏は付け加えた。
また、この2020年の改訂版カレンダーに対してFIAラリーディレクターのイブ・マトン氏は「柔軟性が要求されるなか、数か月の議論の末にWRCの再開カレンダーを発表できたことをうれしく思う。主催者の努力のおかけで、今年は最低でも8つのイベントを確保することができた」とコメントした。
さらにマトン氏は「新しく加わった9月のエストニアからシーズンが再開する。エストニアのオートスポーツ連盟と主催者が世界選手権の基準にするために全力を尽くしていることを知っている。またACIとイタリアの主催者が10月末という実現可能な結論を出してくれたことも嬉しい。COVID-19の状況下、大規模の集会に対する推奨事項に注意しながら、準備を本格化させている。アルゼンチンに関しては再度開催するためのロジスティックに解決策を見付けられなかった。このことは本当に残念だった」と付け加えた。
なお、改訂版のWRCカレンダーは全イベントがWRC2およびWRC3の対象で、FIAジュニアWRCの日程に関しては近日中に発表される予定となっている。
2020年のWRCは開幕戦モナコ、第2戦スウェーデン、第3戦メキシコと3戦が行われ、これまで6回に渡ってチャンピオンに輝いているセバスチャン・オジェ選手がドライバーズ部門をリードしている。そして、マニュファクチャラーズ部門ではTOYOTA GAZOO Racing WRTがリード。その後はCOVID-19の影響でシリーズが中断されていたが、9月に再スタートを迎え、激しいポイント争いが再開されることになるだろう。
フォト/JAFスポーツ編集部 レポート/廣本泉、JAFスポーツ編集部
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