D1GP開幕戦が「奥伊吹」で無観客開催! 川畑真人選手がGRスープラでの初優勝を奪取
2020年8月7日

新型コロナウイルス感染症の影響で開幕が延期されていたD1グランプリ。当初は第3戦として予定されていた新会場「奥伊吹モーターパーク」大会を第1戦として開幕した。優勝は川畑真人選手。R35 GT-Rから乗り換えたGRスープラの2シーズン目で初優勝を挙げた。
2020 D1グランプリシリーズ第1戦/2020 D1ライツシリーズ第1戦 奥伊吹大会
2020 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.1
2020 D1 LIGHTS SERIES Rd.1
開催日:7月23日(木・祝)~24日(金・祝)
開催地:奥伊吹モーターパーク(滋賀県米原市)
主催:株式会社サンプロス、DODC



D1グランプリ開幕戦は滋賀県の奥伊吹モーターパークで開催された。この会場はスキー場の駐車場を使った特設レイアウトで、進入速度はドライ路面で約110km/h、ウェット路面では90km/hに届くかどうかといったところ。指定ゾーンの通過(アウトクリップ、インクリップ)の難易度がこれまで以上に高かった印象だ。
練習走行はドライ、単走予選からはウェット路面になり、追走トーナメントのベスト8辺りで日没となり、決勝戦の終了は20時となった。新会場、ウェット路面、ナイターという史上稀に見る難易度の高い状況となった。
なお、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環として無観客試合となり、動画配信サイトを使ったライブ配信が提供された。
決勝トーナメントの出場枠を決める単走には27台が出走。ウェット路面での実施となり、ドライ路面に比べて進入速度が20km/hほど落ちる状況となった。
この難しいコンディションで単走を制したのは、唯一の96点台(16位は91点台)をマークした中村直樹選手(Clystal H.E VALINO N-style)。2位は前年度シリーズチャンピオンの横井昌志選手(NANKANG TIRE DRIFT TEAM D-MAX)だったが、ステアリング系トラブルに見舞われ、練習走行で2度のクラッシュを喫した満身創痍での走行だった。
デビュー以来最大となる3台がエントリーしたGRスープラ勢(川畑真人選手/斎藤太吾選手/松山北斗選手)はすべて予選を通過。今後のドリフトベース車両のメインとなり得る結果となった。なお、予選通過の16台中、そのほとんどが2JZエンジン搭載だった。


夕闇迫る17時過ぎに始まった追走方式による決勝トーナメントは、残念ながら終始ヘビーウェット路面でのバトルとなった。
予選通過の16台中、2JZエンジン搭載で800~1000馬力を発生するモンスタードリフトマシンにとっては、アクセルを踏めないストレスが溜まる状況で、半数以上が採用するミスファイヤリングシステムの轟音が響き渡ることとなった。
この過酷な状況で決勝トーナメントを勝ち進め、見事に開幕戦・奥伊吹を制したのはGRスープラの川畑真人選手(Team TOYO TIRES DRIFT)だった。
川畑スープラは昨年の車両のキャリーオーバーではなく、新規製作したボディに、新作した3UZエンジンを搭載して参戦。美しすぎるエンジンルームはパドックで注目を集めた。これで川畑選手はR35 GT-Rでの初優勝に続き、GRスープラでの初優勝も手に入れた。
決勝戦で敗れて2位となった日比野哲也選手(SAILUN TIRE SUNRISE)は、昨シーズンと同じく2JZエンジン搭載のS14シルビアで参戦し、今シーズンからD1GPに参入した中国のサイルンタイヤを装着して、早くもその実力の高さをアピールした。
また、フロントサスペンションアームにクスコの試作品を投入。まだ開発テスト中とはいえ、今後の競技ドリフトで必勝パーツとなりえる可能性を伺わせる好成績を修めた。
3位は2018年シリーズチャンピオンにして、昨シーズンはランキング3位の藤野秀之選手(Team TOYO TIRES DRIFT)。マシンは昨年同様、2JZエンジン搭載の180SXで、サスペンションとディファレンシャルを大幅にアップデートしていた。




フォト/SKILLD川崎隆介 レポート/SKILLD川崎隆介、JAFスポーツ編集部