第3戦は両クラスをGT-Rが制覇!GT500はMOTUL AUTECH GT-R、GT300はGAINER TANAX GT-Rが優勝
2020年8月26日

スーパーGT第3戦は8月22~23日に鈴鹿サーキットにおいて無観客で行われ、GT500クラスでは23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が2018年第2戦以来、GT300クラスでは11号車GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)が今季初優勝。両クラスでNISSAN GT-Rが優勝を決めた。
2020 SUPER GT Round3 FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE
開催日:8月22~23日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:KSCC、SMSC、株式会社モビリティランド
スーパーGTシリーズ第3戦の舞台は鈴鹿。今回から現地入りするスタッフの数が16人から18人に増えたが、連日の検温&体調報告は続き、会場入口では全員の検温が実施されるなど、新型コロナウイルス感染症への厳重な対策が講じられた。もちろん第4戦までは無観客開催で、無人のグランドスタンドが不気味に感じられた。
22日朝の公式練習が終わると、導入が遅れているFCY(フルコースイエロー)のテストが行われ、混乱もなく無事に終了した。坂東正明GTA代表の話では「システムをコントロールするソフトにトラブルがあり、来季から正式に導入したい」とのことだった。また前回GT300車両全車に義務付けられたドライバー交代時のタイヤ4本交換はなくなった。
22日の公式予選は気温33℃、路面温度48℃という残暑厳しいなか行われ、GT500クラスでは64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)がポールポジションを獲得。伊沢選手のポール獲得はこれが初だった。予選2番手は23号車GT-R、3番手は38号車ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)となった。
GT300クラスでは31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組)が、31号車としては2016年最終戦以来のポールポジションを獲得。2番手は55号車ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)、3番手は56号車リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組)となった。
23日も朝から晴天となり、52周の決勝レース直前には気温32℃、路面温度48℃と前日とほぼ同じコンディションに。13時4分決勝レースがスタート。直後のS字でGT300の1台が接触からコースアウト&クラッシュを喫し、いきなりセーフティカー(SC)が4周完了まで導入された。
5周目のシケインで38号車スープラが23号車GT-Rをかわして2番手に浮上。しかし13周目のヘアピンで23号車GT-Rが38号車スープラを抜き返した。トップを走る64号車NSXのペースはなかなか上がらず、15周目のダンロップコーナーで23号車GT-Rと38号車スープラに、またデグナーカーブで3台に抜かれて、その周に7番手まで順位を落とした。トップに出た23号車GT-Rだったが、17周目にはバックストレートにGT500車両のボンネットが落下したこともあり2回目のSC導入。22周完了でリスタートとなると多くの車両がピットインして、ドライバー交代などピット作業を行った。トップの23号車GT-Rは予定より早めの24周でピットインして、クインタレッリ選手から松田選手に交代。全車がピット作業を終えた27周目にはトップに返り咲いた。
29周目にGT300車両の接触から1台がコースアウト&ストップしたためこの日3回目のSC導入となり、隊列は一気に縮まった。33周完了でリスタートすると23号車GT-Rが徐々に後続を引き離してそのまま逃げ切って今季初優勝。松田選手は最多勝記録を「21」に伸ばした。
これで開幕3戦で各メーカーがそれぞれ1勝ずつを分け合う形に。2位は100号車RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)、3位は3戦連続表彰台となる36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)でポイントリーダーを守った。
GT300では序盤31号車プリウスが後続を引き離す走りを見せたが、SCでマージンがなくなりピット作業後はトラブルにも見舞われた。素早いピット作業もあり34周目にトップに立ったのが11号車GT-Rで、後半は危なげない走りで今季初優勝を挙げ、ポイントリーダーに立った。
終盤は複数台による熾烈な2位争いが演じられたが、18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮組)が2位、2号車シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)が3位表彰台を獲得した。また両クラスとも接触や追突といったアクシデントやトラブルも多く、荒れたレースだった。







フォト/石原康 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部