山口順平MR-S、待望の池の平初優勝を飾って、ランキング首位に浮上
2020年9月4日

中部地区のダートトライアル地区戦はシリーズを折り返す今季4戦目の大会が開催。“リア掻き”ドライバーが大挙参戦して盛況のRWDクラスは、MR-Sで孤軍奮闘を見せた山口順平選手が86/BRZ勢を抑えて優勝を飾った。
2020年JAF中部ダートトライアル選手権第7戦
2020年JMRC中部ダートトライアル選手権第7戦
2020年JMRC全国オールスター選抜 第7戦
2020年JMRC中部ダートトライアル 東海シリーズ第4戦
FASCダートトライアル
開催日:2020年8月23日
開催場所:池の平ワンダーランド(愛知県豊田市)
主催者:FASC
2020年のJAF中部ダートトライアル選手権は、3月下旬にシリーズ開幕戦が開催されたものの、第2戦、第4戦は延期となり、第3戦は中止の決断がなされた。7月12日の第5戦から再開され、今回、池の平ワンダーランドの第7戦も当初の日程通りに行われ、これで同選手権は4戦を消化した形となっている。
池の平での地区戦は今季初だが、9月13日にも延期された第2戦が行われる予定。これが終われば残るは11月1日にオートパーク今庄での一戦を残すのみとなるだけに、この池の平2連戦はシリーズの趨勢を決める重要な戦いとなりそうだ。
大会当日の天候は朝から晴れで始まったが、第2ヒート開始直前に突然、大雨が降り出して、路面はあっという間にヘビィウェットに早変わりした。タイムアップが望める路面には程遠いコンディションとなったため、出走を取りやめるドライバーも現れるなど、残念ながら完全な1本目勝負の一戦となった。
参加20台と今回最も多くのエントリーを集めたRWDクラスは、13台を占める86/BRZ勢が主流派を成している。第1ヒートで、最初に1分40秒の壁を破ったのはS13シルビアの酒井龍一選手だったが、その後、ともに86を駆る武田大生選手、前田蔵人選手がタイムを更新する。
しかしそれまでの暫定ベストを1秒以上も縮める1分37秒85をマークしたのは今回、唯一MR-Sをドライブした山口順平選手だった。ラストゼッケン、86の寺田伸選手が38秒08を叩き出すが、僅かに及ばない。第2ヒートは大幅にコンディションが悪化したため、各選手、タイムアップは果たせず、山口選手がそのまま逃げ切った。
山口選手と言えば、2016年には地元の全日本門前を制した中部地区を代表するテクニシャンだ。「MR-Sでは3年目なんですが、オフの間に色々と改良して乗りやすくなったんです。周りからは“変な動きしてる”と言われるんですけど(笑)、自分の中では足回りが決まってくれたのが良かったと思います」。
もうひとつの勝因は、ライバル選手がウェットタイヤを選択した中、ドライタイヤで走ったこと。「実はウェットタイヤ、持ってこなかったんですよ(笑)。でも走り出してみたら、道も思ったほどは掘れてなかったので、(ドライタイヤでも行ける)手応えはありました。実は池の平で勝ったのは今回が初めてなんで、凄く嬉しいです」。開幕戦での勝利に次ぐ2勝目獲得でランキングも首位に浮上。「今庄はクルマ的に厳しいと思うので、次の池の平も獲りに行きたいです」と意欲を見せていた。
RWDクラス同様の展開となったのが2リッター4WDターボ車が集うN2クラス。ただ一人インプレッサを駆った三上勝義選手が、11台のランサー勢を抑えて優勝を飾ったからだ。5年ほどのブランクを経て、2016年からGDBインプレッサで地区戦に復帰した三上選手だが、「復帰前も含めて門前は2回ほど勝ってますけど、池の平は勝った記憶がありません」と、こちらも記念すべき初勝利をもぎ取った様子だ。
「今朝、コース図と路面を見て、ひょっとしたら行けるかも、とは思ったんです。道にちょっとウェットが残ってるような時はチャンスなんですよ(笑)。ここはいつも2本目、タイムが出せないので1本目からしっかり集中して踏んで行ったのが良かったと思います。フルターンで、もたついた以外は何とかうまく走れました」。今回の勝利で、ランキングも錚々たる強者を飛び越えて一気に2位に浮上した三上選手。今年は飛躍の年になりそうだ。





















