全日本ダートトライアル選手権が開幕! 新生D1クラスは山下貴史選手が快勝
2025年3月21日

全日本ダートトライアル選手権の開催地としては初となる、いなべモータースポーツランドにて第1戦「トライアル関西inいなべ」が行われた。PNE1クラスとPNE2クラスが不成立となったものの、PN1クラスからD2クラスまで、選手権として成立した9クラスで150台がエントリー。シリーズを戦う主力選手たちや地元の選手たちが顔を揃えた。
2025年JAF全日本ダートトライアル選手権 第1戦「トライアル関西inいなべ」
開催日:2025年3月15~16日
開催地:いなべモータースポーツランド(三重県いなべ市)
主催:TEAM FLEET
公開練習が行われた15日の昼ごろから小雨が降り始め、決勝ヒートが行われた16日も変わらず雨が降り続け、路面コンディションは泥がぬかるんだマッド状態になってしまう。アップダウンの起伏があるコースゆえ、2輪駆動車が坂道を登れないことも懸念された。
主催者は4輪駆動車のクラスから走行し、路面の泥が掃けた状態で2輪駆動車のクラスを走らせることを朝のドライバーズブリーフィングで提案。選手全員の賛同を受け、走行クラス順は両ヒートとも4輪駆動車クラスのN、SA2、SC、Dクラスが先行して走行。その後にPN1、PN2、PN3、SA1、D1クラスが走行する変則的なスケジュールが採られた。
決勝コースは、コースコンディションの悪化によりストレートと島周りを基調としたシンプルなレイアウトを採用。それでもマッド状態のコースは、ブレーキングやアクセルコントロールなど、わずかなスピードコントロールのミスが大幅なタイムダウンにつながるシビアなドライビングが要求されるという、難易度の高いコースとなった。また気温が低かったことと、午前中一時止みかけた雨は午後にふたたび降りだしたことが重なり、ほとんどのクラスが第2ヒートよりも路面コンディションが良かった第1ヒートのタイムで勝負が決した。




D1クラス
今年から新たに設定されたD1クラスは、2輪駆動のD車両で争われるクラスだ。なおこれまでのSC1とSC2はSCクラスとして統合されたことで、2輪駆動の旧SC1クラス規定の競技車両でそのままD1クラスに移行した選手が多数を占めていた。前輪駆動のスバル・BRZや、スバルのエンジンを搭載したトヨタ・MR-Sなど、D車両ならではの競技車両が登場するのも特長として挙げられる。
そんな中、山下貴史選手(三菱・FTO)が第1ヒートで2番手以降を2秒近く引き離す走りで優勝した。2位は「それなりに走ったんだけど、もう少し攻めることができたかな」というディフェンディングチャンピオンの山崎迅人選手(三菱・ミラージュ)。3位には「下りの島回りでミスしてしまい、大きくタイムロスしてしまいました」という深田賢一選手(ホンダ・シビック)が入賞した。




PN1クラス
PN1クラスは、「第1ヒートのヘビーウェット路面に対して他のコースで練習してきたことをこのコースでも上手く使えることができ、攻め切れはしなかったけど逆にミスなく走り切ることができたと思います」と言う飯島千尋選手(スズキ・スイフトスポーツ)がベストタイムを更新。第2ヒートも飯島選手がそのまま逃げ切り、開幕戦優勝を飾った。
2位には「ラリーの新井(敏弘)選手に教わった左足ブレーキを有効に使えたと思います」という若手の南優希選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞。3位は「2014年以来、11年ぶりの表彰台です」という水野喜文選手(スズキ・スイフトスポーツ)が獲得した。




PN2クラス
昨年のPN2クラスチャンピオン・佐藤卓也選手(スズキ・スイフトスポーツ)が第1ヒートでベストタイムを更新。「昨日(の公開練習を)良いイメージで走ることができて、今日の決勝日もそのまま良いイメージをキープして走り切ることができました」と、幸先の良い開幕戦優勝をつかんだ。
2位は「第1ヒート勝負だと思ったので、集中して走りました」という張間健太選手(スズキ・スイフトスポーツ)が獲得している。3位にはPN1クラスからクラスを変えてエントリーしてきた奈良勇希選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞した。




PN3クラス
PN3クラスは、第1ヒートで昨年のチャンピオン・竹本幸広選手(トヨタ・GR86)がベストタイムを叩き出すが、前走車のトラブルにより再出走となった加藤琢選手(トヨタ・86)が、「ワンチャンスを活かすことができました。本来の第1ヒートでミスがあったので、再出走でそこを修正することができました。運が良かったと思います。」と、ベストタイムを更新。加藤選手が自身初となる全日本優勝を飾った。
2位には「第1ヒート勝負だということは分かっていたんですけど、結果的には守りに入ったぬるい走りでした」と反省する竹本選手が入賞。3位は「雨でもグリップする路面とグリップしない路面の見極めが甘かったです。難しい路面でした」という徳山優斗選手(トヨタ・GR86)が獲得した。




Nクラス
第1ヒートで1分24秒891を叩き出し、2番手以降を4秒近く引き離した宝田ケンシロー選手(トヨタ・GRヤリス)がNクラス優勝を飾った。宝田選手は第2ヒートでタイムアップこそしなかったが、それでもクラストップタイムをマークする走りを披露した。
2位は第1ヒートをラリースタッドレスタイヤで走行し、ウェット路面用タイヤに履き替えた第2ヒートで一気にタイムを6秒近く上げてきた山崎利博選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)が獲得。3位には第2ヒートで再出走になり路面コンディションがさらに悪化した中での走行となりながらも、タイムを縮めてきた岸山信之選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞した。




SA1クラス
SA1クラスは、「縦方向に強いウェットタイヤを上手く使えたことと、轍の路面を若いころから走っていたので、そういう経験を上手く活かせることができました」という福山重義選手(スズキ・スイフトスポーツ)が、第1ヒートのタイムで逃げ切り優勝した。
PNE1クラスからSA1クラスに移ってきた葛西キャサリン伸彦選手(スズキ・スイフトスポーツAT)は「ラインを外さないことと、丁寧に走ることを心掛けました。まだまだ攻められるところもあったのでやり切った感はありませんが、大きなミスもなく走り切れたのは良かったと思います」と0.734秒差の2位に入賞。3位は「路面が想像以上の荒れ方でした。足回りのセッティングもあえてドライ寄りにしてみたんですが、逆効果でしたね」という、PN2クラスから移ってきた中島孝恭選手(スズキ・スイフトスポーツ)が獲得した。




SA2クラス
SA2クラスは、「第1ヒートも決して良い路面コンディションではなかったのですが、空気圧を調整するなどの対策を施して走ったのが良い結果につながったと思います」という黒木陽介選手(トヨタ・GRヤリス)が、第1ヒートのタイムで逃げ切り優勝。
「苦手なウェット路面で表彰台に立つことができたので、自分では結果に満足しています」と言う、NクラスからSA2クラスに移ってきた三浦陸選手が2位を獲得。3位には「今年からコースやコンディションに合わせて、メーカーにこだわらず自由にタイヤを選択することにしました」というマイケルティー選手が入賞した。




SCクラス
昨年のSC2クラスがそのまま移行した形となったSCクラスは、上村智也選手(三菱・ランサーエボリューションⅩ)が「雪の路面を走るイメージで攻めました」と第1ヒートのタイムで逃げ切り、2023年の最終戦以来となる優勝を獲得。
0.102秒差の2位には「クルマが、やっと以前の調子が良い状態に戻りました。今回は轍を上手く使えたと思います」という平塚忠博選手(三菱・ランサーエボリューションⅨ)が入賞。「路面コンディションを見て、前日の公開練習から大きくセットアップを変えたことが、結果的には裏目に出てしまいました」という目黒亮選手(トヨタ・GRヤリス)が、トップから0.376秒差の3位を獲得。




D2クラス
クラス名称がDクラスから移行したD2クラスは、昨年のチャンピオン・田口勝彦選手(三菱・ランサーエボリューションⅩ)と、シリーズ2位の鎌田卓麻選手(スバル・BRZ)、同3位の炭山裕矢選手(三菱・ミラージュ)が、わずかなミスでタイム差がつきやすいマッド路面で、いつもと同じような0.1秒を競う勝負を展開。
「初めてのコースで、このコースでのマッド路面も初めてだったのですが、ダートトライアルはもちろん、これまでラリーで積んできた経験を活かせたのかなと思います。攻めつつも失敗してはいけないというシチュエーションは、ラリーに近い感覚でした」という鎌田選手が優勝。
0.184秒差の2位に、「難しい路面だったけど、苦しい中で上手くセッティングを合わせることができたと思います」という田口選手が2位、「第1ヒートの1コーナーでミスしてしまいました。第2ヒートはタイムアップできたかなと思ったけど、路面コンディションが厳しかったですね」という炭山選手が、トップと0.29秒差の3位に入賞した。




フォト/CINQ、大野洋介 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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