オートテストも全国各地で続々、再開。九州では同日同会場で2大会を開催!

レポート オートテスト

2020年9月18日

気軽にモータースポーツ気分を体験できるイベントとして人気のオートテスト。コロナ禍の影響を受け、モータースポーツ競技会同様、4月以降は中止、延期が相次いだが、ここに来て、全国各地で再開の動きが目立ってきた。9月、10月も、ほぼ毎週、全国各地でオートテストが開催される状況となっており、賑わいを取り戻しつつある。

Let's try AUTO TEST in 恋の浦 2020
開催日:2020年8月23日
開催場所:スピードパーク恋の浦 ジムカーナコース
主催:RC-大分、AMS宮崎

MSHサマーオートテスト in スピードパーク恋の浦
開催日:2020年8月23日
開催場所:スピードパーク恋の浦 ダートコース
主催:MSH

 全国の中で特に積極的にオートテストの開催を行っている九州地区では、8月からオートテストが再開され、一カ月の間に5つものオートテストが開催されたが、8月23日には、スピードパーク恋の浦で、ふたつの大会が同時開催された。

 JMRC九州ジュニアジムカーナシリーズの一戦が開催された恋の浦のジムカーナコースを舞台に、同日の午後に開催されたのが「Let's try AUTO TEST in 恋の浦 2020」。ジムカーナ競技ではタイトなパイロンセクションがいつも設定される、コース上段の広場に作られたコースで、20名の参加者がオートテストを楽しんだ。

 参加者は、午前中のジムカーナ競技会に参加した選手や、その選手の応援に駆け付けた人々そして一般のオートテスト参加者とバラエティに富んだ。普段、ジムカーナ競技には参加していてもオートテストは未体験というドライバーも多く、ジムカーナとはまた違ったオートテストの難しさを楽しんだ。

 コース設定も、スタート直後に、ラインまたぎ(2本のパイロンの間を車体の前輪だけ通過させるという設定。下図参照)→車庫入れ→ラインまたぎと、オートテストならではのテクニックが求められる設定が連続する、やや高度なコースレイアウトが採られ、ジムカーナ選手も、その一筋縄ではいかないコースと格闘していた。

 一方、ダートトライアルコースではJAF九州ダートトライアル選手権が開催されたが、ジムカーナコース同様、競技会終了後に、「MSHサマーオートテスト in スピードパーク恋の浦」が開催され、こちらも20名のドライバーが、オートテストを楽しんだ。

 ダートトライアルコースでの開催ということで、グラベルでのオートテストも期待されたが、会場はダートトライアルのスタート&ゴールとなる舗装路面での開催となった。ただし、競技会終了後ということもあり、会場は競技車両が残していった砂がそのまま舗装の上に乗った半グラベル状態。参加者は図らずも、“滑るオートテスト”を十分に満喫できたようだ。

 こちらのコース設定もなかなか凝ったもので、スタートから僅かに直進した後に一旦停止して、リバースギアに入れて車庫入れ。その後、コースをほぼ一周して、今度は同じ場所に別な角度から入って、ラインまたぎをこなすという設定で、こちらもジムカーナコースでのオートテストと同様に、前半に勝負所を持ってきた格好だ。

 特に車庫入れのスペースに、ラインまたぎで再び進入するという設定は、まず通常はない斬新なもの。狭いスペースを有効に使う好例を示した形だ。ラインまたぎの後は、比較的、Rが大きいターンが続くので、スリッピーな路面も相まって、参加者はダートトライアル気分でコーナーリングを楽しんでいた。

「ダートラも始めてほしいけど、まずはクルマを操る楽しさを知ってもらえたら嬉しいですよね。クルマの運動会っていう感じで楽しめるのがオートテストのいい所だと思います」とは、今回のイベントを主催したモータースポーツハシモトの代表で、自らも九州地区のトップドライバーとして活躍中の橋本和信選手。身近にそして気軽にモータースポーツ気分を味わえるオートテスト、ぜひチャレンジしてみることをオススメしたい。

※オートテストの開催情報は、JAFモータースポーツホームページのトップページにある「オートテスト」のバナーをクリックして下さい!

スピードパーク恋の浦のジムカーナコースで行われた「Let's try AUTO TEST in 恋の浦 2020」。玄界灘を望む絶好のロケーションを持つ。
当日のコース図。スタート直後から、オートテストの連続技をクリアする本格的なコースレイアウトとなった。
MTクラスを制したのは午前中のジムカーナ競技会でも優勝を果たした楠木達也選手。クルマは旧型だが、オートテストではまったくハンディにはならない。
MTクラス表彰の皆さん。
ATクラスではムーブで出場の三重野太選手が優勝した。
「Let's try AUTO TEST in 恋の浦 2020」参加者、オフィシャルの皆さん。
熊本在住の宮本有華さんはオートテスト歴3年。地元九州地区をはじめ、中国地区のオートテストにも遠征するなど、参戦経験も豊富で、今回もジムカーナ選手に割って入る9位を獲得した。「オートテストは友人から教えてもらったのが、きっかけですが、誰でも気軽にマイカーで参加できて、リーズナブルでもあるし、運転技能を向上できるのではないかと思って、参戦してみようと思いました。オートテストは、バッグや一旦停止があるので、必ずしもモータースポーツ経験者だけが有利ではないと思いますし、自分の運転の得意、不得意を再発見できるのも楽しいですね。今回はコースも覚え易かったですし、オフィシャルの方々も誘導や駐車場所など親切丁寧に教えて頂いたので、楽しめました」
ダートトライアルコースでは、「MSHサマーオートテスト in スピードパーク恋の浦」がスタート&ゴールが設定される舗装路面で行われた。
舗装路面と言っても、ご覧の通り、コース上にも砂が乗る半グラベル状態で行われた。
こちらは「MSHサマーオートテスト in スピードパーク恋の浦」のコース図。後半は速度を乗せたコーナリングが楽しめる設定だ。
時に滑り、止まらない。グラベルを走る楽しさも参加者はしっかり体験したようだ。
ATクラスは、こちらも午前中の競技会で優勝した井上博保選手がレンタルマシンのプレオで優勝した。
ATクラス表彰の皆さん。
MTクラスはDC5インテグラを駆った森大成選手が0.1点差という僅差で優勝を果たした。
MTクラス表彰の皆さん。
ダートトトライアルコースでのオートテストに参加した入江良一選手は愛車のCR-Zでオートテストを初めて体験した。「恋の浦は以前、ダートトライアルを見に来たことがあるんですけど、また観戦できて、しかも自分でも走れるということで参加しました。CR-Zはサーキット走行では、どうしてもバッテリーを持たすためにペースを抑えなければならなかったりするんですが、オートテストは、その心配はないので最後まで思い切り、走れました。ただその分、最後のゴールで止まり切れずにオーバーランしてしまいましたが(笑)。舗装でも砂が乗ると、こんなに滑るんだ、ということが分かって、いい勉強になりました。またやってみたいと思いますが、色んなクルマで体験するのも楽しそうですよね」

フォト/西野キヨシ、内藤正美、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ