2020シーズン最後のラリーイベントが、宮崎県西都市を舞台に開催
2020年12月29日
2020年12月12日~13日、宮崎県西都市をホームタウンとした「2020 ARISE SPRIT RALLY SAITO」が初開催され、2020年国内ラリーシーズンの最後を飾るイベントとして盛り上がりを見せた。
アライズスピリットラリー西都2020
開催日: 2020年12月12~13日
開催場所: 宮崎
主催: AMS宮崎
同ラリーは設立4年目のJAF加盟クラブ、アライズモータースポーツ宮崎(AMS宮崎)が初めて主催するスペシャルステージ(SS)ラリーとして、初開催された。宮崎で行われるラリーとしては、全日本ラリーの名物イベントとして知られた『ひえつきラリー』や、その後継ラリーである『ひむかラリー』が有名だが、今回はまったく新しいフィールドでの開催となる。
「実はクラブを設立してすぐに、ラリー競技の開催に向けての準備を始めたんです」と語るのは、同クラブの久木野聖代表。「『ひえつきラリー』や、その後、『ひむかラリー』を主催しているJAF加盟クラブであるルート10延岡さんとは、また違ったエリアでラリー競技を開催する方向で進めてきたので、ゼロからのスタートで時間がかかりましたが、ご縁があって西都市の協力で開催することができました」と、今回のラリー開催までの経緯を話してくれた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初の7月開催から12月に日程の変更を余儀なくされたが、AMS宮崎は構想から4年目にして遂にラリー競技の主催を実現。その記念すべき大会には、九州各地から計12台が集結した。
競技は12日にレッキが行われ、13日に好天の空の下、ラリーがスタートした。今大会は1.8kmの「HASE」と3.08kmの「SIAWASE」の2本のSSを2回ループするルート構成が採用されたが、いずれも山岳エリアに設定された本格的なターマックステージとなった。今回の参加者の一人で元全日本ラリー選手権チャンピオンの榊雅広選手によれば、「なかなかハイスピードで面白い。距離が短いけれどチャレンジングなコースですね」と、参加者の評価も高かったようだ。
前述の通り、参加台数は12台と少々寂しかったが、老若男女を含めてキャリアの異なる面々が集結し、各クラスで激しいバトルが展開された。中でも注目を集めたのがRH3クラス。同クラスのエントリーは岩本燿大/安田裕太郎組、白石花恵/白石認組の2台だけに留まったが、僅差の一騎打ちを展開した。
幸先の良いスタートを切ったのは親子クルーの白石組で、SS1、SS2でベストタイムをマークし、レグ1をトップで折り返す。しかし、SS3、SS4では岩本組がベストタイムを叩き出すなど、レグ2で猛追を見せる。最終SSまでもつれた戦いは白石組が0.8秒の僅差で逃げ切ってRH3クラスを制覇した。
「勝てたので嬉しいですけど、SS4でギアが入らず、タイムロスをしたのは悔しいですね」とはドライバーを務めた娘の花恵選手。父親の認選手は、「抑えさせようとしたんですけど、思いっきり踏んでいたので怖かった(笑)。でも、泣きそうなぐらい嬉しいです」と感激に浸っていた。岩本組は追撃実らず、2位で惜敗となった。
一方、RH1クラスでは九州ラリー選手権で活躍する久保慶史郎/梶原教祐組がSS1でベストタイムをマーク。SS2では、SS1でセカンドベストをマークしていた伊藤慶/八尋俊一組がコースアウトを喫し、リタイアするなど波乱の展開となるが、ここでも久保組はベストタイムを連取する。その後も久保組は首位を譲らず、最終のSS4もベストで上がってRH1クラスを制した。
「SS1でパンクしたんですけど、タイムロスが少なくてよかった」と、ラリー後は実はあわやの場面もあったことを明かした久保選手だったが、「記念すべきラリーの初代ウイナーになれたので嬉しいです」と勝利を噛み締めていた。2位には普段のドライバー/コ・ドライバーの立場を入れ替えて参戦した西高志/福本浩人組が入賞。瀬戸駿一/竹尾真理華組が3位で表彰台を獲得した。
計5台で争われたRH5クラスでは若杉達哉/田口信組と井口和彦/近藤員章組が激しい一騎打ちを展開した。SS1を制したのは若杉組で、後続に5秒以上の差をつけたが、SS2以降は、「SS1は抑えすぎた」という井口組がベストタイムを連発。最終のSS4を前に0.2秒、若杉組をかわして首位に立つ。井口組は最終SSでも1.4秒差でベストを奪取、若杉組を振り切って優勝を飾った。
2位の若杉組に続いては、ベテランコンビの斎藤龍/山北研二組が3位に入賞した。なお、RH2クラスは榊/秋竹純組の1台だけの参戦となったが、無事、完走を果たして優勝。「競う相手がいなかったのは残念だったけれど、楽しく走れました」と、榊選手も初開催のターマックラリーを満喫していた。
フォト&レポート/廣本泉
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