2020年ジュニアカート選手権チャンピオンインタビュー
2021年1月25日
チャンピオン候補がひしめく状態で東西統一競技会を迎えたジュニアカート選手権FP-Jr部門とFP-Jr Cadets部門。2020年は西高東低のシリーズとなり、ともに西地域の選手がチャンピオンを獲得した。
■落合蓮音選手(おちあいれおん/11歳/Ash with Hojust) 2020年ジュニアカート選手権FP-Jr部門チャンピオン
——東西統一競技会の決勝は、どんなレースになりましたか?
「最初の方は五十嵐文太郎選手と加納康雅選手と3人で逃げてから優勝争いしてやろうって感じでした。最初は逃げ切れていたんですけど、途中から後ろの子たちがどんどん追い上げてきて、ちょっとこれは厳しいかなと思ったんで、五十嵐選手を抜いて(後続たちの争いに)巻き込ませようと思ったんです」
「けれど、抜き返された時に砂(ダート)に出ちゃって8位まで落ちてしまいました。もうこれはダメだなと思いながらも諦めずに最後まで粘ったら、最終コーナーで奇跡(チャンピオン最有力候補の五十嵐選手がスピン)が起きて、しかも前の2台の順位が(ペナルティで)落ちてくれて、それでチャンピオンになれました」
——今回のレースに点数を付けると何点ですか?
「うーん……、自分的には40点くらいですね。砂に出てしまったし、五十嵐選手がスピンしてくれたり前の2台が落ちてくれたりしなかったら僕がチャンピオンになることはなかったので」
——チャンピオンを獲れた今の気持ちは?
「昨日が僕のおじいちゃんの命日だったんですが、その日のタイムトライアルが4位で、このままじゃいけない、優勝できなくてもチャンピオンだけは獲ってやるって気持ちでずっと戦っていました」
「そうしたら、おじいちゃんが運を運んできて助けてくれて、それ以外にもAshの築山さん(チーム代表)やパパにメカをしてもらったりアドバイスをしてもらったおかげで、今回チャンピオンになれました」
——お父さんとはレース前にどんな話をしましたか?
「パパは昼休みの間にコースを歩きに行った時に、『もう好き勝手にやってこい。なんでもいいからチャンピオンだけ獲ってくれればそれでいいから』って言ってくれて、そのおかげで僕も気持ちが楽になって思いきりレースができました」
——お父さん(落合俊之氏、ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアの2019プロアマクラスチャンピオン)もレーシングドライバーですが、お父さんに追い付けたと思いますか?
「いつもウチでは『僕の方が上だ』とか言ってるんですけど、心の中では、まだぜんぜんパパに追い付けていないなと思っています」
——将来はどんなドライバーになりたいですか?
「日本全国を盛り上げる、人気があって速いドライバーです。僕を通じてモータースポーツをみんなに知ってもらって、それでレース人口が増えるような、日本や世界に貢献できて速いドライバーになりたいです」
——憧れのドライバーを教えてください。
「パパです。ただ速いだけじゃなくて、危険の回避能力とかスピンからの立て直し方とかいろんな能力や技術を持っていて、僕はそれを見習いたいです」
——2021年の活動予定は決まっていますか?
「まだ決まってないですけど、メインは(ローカルレースの)X30クラスとジュニアMAXクラスかなと思っています。できればSSクラスにも出たいです。もし機会があれば、全日本のFP-3部門にも出てみたいですね」
■金子准也選手(かねこじゅんや/10歳/ラムレーシング) 2020年ジュニアカート選手権FP-Jr Cadets部門チャンピオン
——東西統一競技会の決勝はどんなレースになりましたか?
「思った以上に入れ替わりが激しくて、どこで勝負に行くかすごい迷いました。最後の3コーナーで2台に抜かれてしまったので、ああこれは1位は難しいなと思って、なんとか3番か2番に入ろうと思って戦ってました」
「チャンピオンのことは、やっぱり意識してました。トップの4台が固まった時に(チャンピオン争いの)ライバルの松井沙麗選手がいなかったので、そこでチャンピオンいけそうやなって、けっこう自信を持てました」
——2020シリーズを戦った感想は?
「西地域では台数が少なかったけど、最後(東西統一競技会)はちょっと台数が増えて、その中でチャンピオンになれてうれしいです。台数が多いレースでは何が起こるか分からないけれど、そこで自分がうまく戦うことさえできれば良い経験になると思います。台数が多いレースの方がうれしいです」
——今日のレースに何点を付けますか?
「90点くらいかな。(マイナスの)10点は、一番でゴールできなかったから」
——チャンピオンを獲れた喜びを誰に伝えたいですか?
「家族やチームの友達に伝えたいです」
——将来はどんなドライバーになりたいですか?
「セバスチャン・ベッテル選手が憧れのドライバーです。すごく速くて、何回も連続でチャンピオンになった人なので、凄い存在だと思ってます。将来は(ベッテル選手のように)F1に出て、日本人初の優勝を達成したいです」
——2021年の活動予定は決まっていますか?
「(ローカルレースの)ミニMAXクラスで日本代表になって世界大会に出られるように頑張りたいと思います。ジュニア選手権は、たぶん出ないかなと思います」
フォト/遠藤樹弥、小竹充 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部