新生・丸和で全日本ダートトライアル開催。JD1クラスは谷田川敏幸選手が2年ぶりの快勝
2021年5月6日
ダートトライアルの聖地として数々の名勝負が繰り広げられてきた丸和オートランド那須が、2019年のシーズンオフに大改修を行い、昨年の春にオープン。ダートと舗装がミックスする新たなダートトライアルコースに生まれ変わった「つくるまサーキット那須」とコースの一部を共有しながら、丸和オートランド那須で全日本ダートトライアル選手権が開催された。
2021年JAF全日本ダートトライアル選手権第3戦「DIRT-TRIAL in NASU」
開催日:2021年4月24~25日
開催地:丸和オートランド那須(栃木県那須塩原市)
主催:FSC、M.S.C.うめぐみ、Team-F
全日本ダートトライアル選手権が4月24~25日、栃木県の丸和オートランド那須で開催された。本来は昨年の4月下旬に新コースでは初となる全日本ダートトライアル選手権が開催される予定だったが、政府が4月16日に新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大したために開催を断念。1年を経た今大会が、新コースでの全日本初開催となる。
舗装からスタートするコースレイアウトは、タイトターンが連続する前半区間を経て中盤から後半にかけては高速コーナーや横Gが残った状態のままダートから舗装に路面が変わる中速コーナーなど、新コースならではのレイアウトが設定された。
今大会は徹底した新型コロナウイルス感染症の感染対策を行った上で観客を動員。コースを囲む土手には、多くの観戦者の自家用車が並び、迫力ある走りを満喫した。また、今回はエキビジョンとして2台のハイラックスが、新コースを豪快に走行し、観客の目を楽しませた。
負傷のため第2戦を欠場した鎌田卓麻選手が復帰、昨年は1戦のみの出場となったベテランの亀山晃選手が今シーズン初出場するなど、シーズンを戦うメンバーの顔ぶれが揃ったJD1クラス。丸和をホームコースとする谷田川敏幸選手が、第1ヒートで2番手の炭山裕矢選手を3.624秒、各選手がタイムを上げてきた第2ヒートも1.822秒引き離すという圧巻の走りで今季初優勝を獲得した。
「丸和は自分のホームコース。テスト走行に何度も付き合ってくれたチームの仲間や、ここを走る機会を作ってくれた皆さんに感謝ですね」と、2019年の第7戦以来、約2年ぶりの優勝となった谷田川選手。これまで15回のシリーズチャンピオンを獲得した王者の走りが復活した。
第1ヒートでベテランの吉村修選手がベストタイムを奪ったJD2クラスは、第2戦で今季初優勝を獲得した目黒亮選手が第2ヒートで逆転。第2戦に続き2連勝を果たした。「第1ヒートはミスが多かったので、第2ヒートは路面が荒れていたんですけど、ミスを減らしたことが勝因だったと思います」と優勝の目黒選手。2位には吉村選手、3位には開幕戦優勝の上村智也選手入賞した。
JD3クラスは、山崎迅人選手が第1ヒートのベストタイムを奪うものの、第2ヒートは駆動系トラブルに見舞われコース上にストップ。無念のリタイアという結果に終わった。優勝は「シーズンオフにクルマをしっかり仕上げてきました」という坂田一也選手が、第2ヒートで順位を上げ、逆転優勝を飾った。
JD4クラスは、開幕戦と第2戦を制した北村和浩選手が優勝し、開幕3連勝を飾った。2位には中間タイムで北村選手を1秒以上引き離すものの、最終コーナーでゴールライン直前の土手にヒットし、大幅なタイムダウンを喫した林軍市選手が入賞。3位には丸和をホームコースとするベテランの宮地雅弘選手が入賞した。
車種がバラエティに富むJD5クラスは、丸和で高い勝率を誇る小山健一選手が両ヒートを制して優勝。2位には稲葉幸嗣選手、3位には古沢和夫選手と、表彰台は丸和をホームコースとし、これまでチャンピオン獲得経験のある選手たちが並んだ。
JD6クラスは、開幕戦を制した北條倫史選手が第1ヒートのトップを奪うが、第2ヒートは「新しい丸和は今回初めて走ったんですけど、丁寧に走ることを心掛けました」という矢本裕之選手がベストタイムを更新して北條選手を逆転、今季初優勝を飾った。2位には北條選手、3位には第2戦優勝の岸山信之選手がそれぞれ入賞した。
JD7クラスは「自宅が丸和からクルマで20分のところなんです」という齊藤孝太選手が、第1ヒート5番手から大きく順位を上げ全日本初優勝を獲得。2位には前走車のトラブルにより再出走のチャンスを活かした山崎利博選手が入賞、3位には丸和を得意とする坂井義浩選手が入賞した。
JD8クラスは、開幕戦で全日本初優勝を獲得し、第2戦も制した谷尚樹選手がこの第3戦も制して3連勝を獲得。第1ヒートトップの濱口龍一選手は、「勝ちたいという気持ちが強すぎるんですかね。プレッシャーからなのか、第2ヒートはまともに走れたことがない」と2戦連続の2位となった。
JD9クラスは、昨年のタイトルを競った太田智喜選手と上野倫広選手が第1ヒートで3番手以降を2秒以上引き離すタイムでトップ争いを展開するが、第2ヒートは両者ともタイムアップの幅が少なく太田選手が5位、上野選手が6位とポジションダウン。代わって、地元の川島靖史選手が2年ぶりに優勝。同じく地元の鈴木義則選手が2位に入賞した。
今シーズン、新たなクラスとして注目を集める2輪駆動のAT車両を対象としたJD11クラスは、第2戦の第1ヒートで大きくリードしながらも、第2ヒートでダブルエントリーの寺田伸選手に逆転を許した小関高幸選手が、今回は両ヒートでベストタイムを奪う盤石の走りで全日本初優勝を獲得。しっかりと第2戦のリベンジを果たした。
フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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