トップ快走の福住仁嶺選手にまさかのアクシデント!? 野尻智紀選手が開幕2連勝を飾る

レポート レース

2021年5月7日

全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦は、福住仁嶺選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が予選セッションをすべて制して、自身初のポールポジションを獲得。しかし決勝ではトップを快走中に突然タイヤアクシデントに見舞われ戦線離脱。代わってトップに立った野尻智紀選手(TEAM MUGEN)がトップチェッカーを受け、開幕2連勝を飾った。

2021年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2戦
NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース

開催日:2021年4月24~25日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:GSS、SMSC、株式会社モビリティランド

 世界耐久選手権(WEC)に参戦する中嶋一貴選手に代わり、ジュリアーノ・アレジ選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)がスーパーフォーミュラデビューを飾り、多くのモータースポーツファンの注目を集めた第2戦。予選日午前中に行われたフリー走行でトップタイムをマークしたのは福住選手だった。

 予選でも、出走したQ1のB組、Q2、Q3とすべてのセッションで最速タイムをたたき出した。100分の1、1000分の1で勝敗が分かれる近年のスーパーフォーミュラだが、福住選手は2番手に対し0.3秒という大差をつけ、圧倒的な速さで自身初のポールポジションを獲得した。2番手には野尻選手、3番手には大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)と、開幕戦で表彰台に上がった3人が予選トップ3に並ぶことになった。

フリー走行から快走を続けていた福住仁嶺選手。初のポールポジションを獲得するも、決勝でまさかのトラブルに見舞われ、初優勝はおあずけとなった。

 一夜明けた決勝日、14時30分に動き出したフォーメーションラップの後、30周にわたる決勝レースがスタートした。ホールショットを決めて1コーナーをトップで通過したのは福住選手。野尻選手も好スタートを切ったが福住選手をとらえるには至らず2番手に。3番手スタートの大湯選手はスタートに失敗し、予選4番手の平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)、5番手の笹原右京選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がそれぞれ1ポジションアップでオープニングラップを終えた。

 トップの福住選手はファステストラップを連発しながら後続を引き離していったが、9周目のバックストレートを走行中に突如右リアタイヤが壊れるアクシデントに見舞われた。タイヤバーストの勢いでマシンにも大きなダメージを負った福住選手はみるみるスローダウンし、なんとかピットまで戻ったがそのままガレージイン。初ポールポジションから初優勝も見えていたが、ここでリタイアとなった。

 代わってトップに立った野尻選手は、後続の平川選手との差を保ちながらレースの折り返し地点を迎える直前でタイヤ交換に向かう。平川選手は翌周にピットに向かい逆転を狙うが、アウトラップでタイヤの温まっている野尻選手がピットから出てきた平川選手を1コーナーでオーバーテイク。野尻選手はトップを守って後半スティントをスタートした。

 その直後、130Rで国本雄資選手(KCMG)が右リアタイヤのバーストに見舞われクラッシュ。これによりレースはセーフティカー(SC)が導入されることに。リスタートが切られたのは20周目。残り11周のスプリントバトルとなり、中団以降では随所でオーバーテイクシステムを駆使したサイドバイサイドの接近戦が展開されたが、トップの野尻選手は逃げ切りに成功。

 開幕戦から2戦連続で優勝を飾り、ポイントランキングでも大きくリードを広げた。2位には平川選手が今季初表彰台を獲得。3位に入った笹原選手はこれが自身初のスーパーフォーミュラ表彰台となった。

開幕2連勝を飾った野尻智紀選手。ポイントではアドバンテージを築くも、勝って兜の緒を締めて次戦オートポリスに臨む様子だ。
第2戦の表彰式。左から2位の平川亮選手、1位の野尻選手、3位の笹原右京選手が登壇した。

フォト/吉見幸夫 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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