ラスト18分の急展開ドラマ! GT500はAstemo NSX-GT、GT300はSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが接近戦を制し優勝
2021年5月11日
スーパーGTの第2戦が5月3~4日に富士スピードウェイで開催され、3回目のFCY明けからチェッカーまでの18分間に大波乱。GT500は予選11番手の17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)、GT300は予選3番手の60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)がそれぞれ逆転で優勝を飾った。
2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE
開催日:2021年5月3~4日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C、株式会社GTアソシエイション
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で観客数を絞った有観客で開催されたスーパーGT第2戦。
ゴールデンウィーク真っ只中の3日に行われた公式予選でポールポジションを獲得したのは、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)。2番手に8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)。これに38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)、36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)、37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組)、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)と4台のスープラが続いた。
一方、GT300クラスは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がポールを獲得。これに55号車ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組)、60号車スープラ、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)が続いた。
4日の決勝はシリーズ最長となる500kmレース。14時36分にスタートが切られたが、19号車スープラは出遅れ、8号車NSX、36号車スープラ、38号車スープラ、37号車スープラ、14号車スープラの順となった。
3周目に7番手の23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)がエンジントラブルのために激しく白煙を吐いてストップ。これでいきなりのセーフティカーランとなった。3周でリスタートとなったが、直後に36号車スープラの坪井選手がトップを奪い、8号車NSXの福住選手と共に3番手以下を引き離してレースをリードした。
レースは2度のドライバー交代を含むピット作業が義務付けられていたが、ルーティンのピット作業が終了した時点で、8号車NSXと36号車スープラがトップ争いを演じて、ここに最初のピット作業を1回目のFCY直前に済ませて上位に進出していた17号車NSX、14号車スープラ、1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐組)が続いた。
110周レース終盤の90周目に3回目のFCYとなり、それがリスタートとなった時点で36号車スープラがドライブシャフトの破損で突然のスローダウン&ストップ。さらに8号車NSXは黄旗区間の追い越しがありドライブスルーのペナルティが科せられることに。
これで17号車NSXの塚越選手がトップに立ち、真後ろに40kgのサクセスウェイト(旧:ウェイトハンデ)を積んだ14号車スープラの山下選手が迫った。さらに1号車NSXの山本選手、37号車スープラの平川選手までがトップ2台に追いついたが、抜くまでには至らずそのままの順位でチェッカー。トップ4台の差はわずか1.552秒という僅差だった。
GT300クラスも最初のピット作業でタイヤ無交換で時間を短縮した52号車スープラが独走でリード。しかし3回目のFCYもやり過ごしゴールまで残り7周という96周目に、駆動系のトラブルでペースが鈍り97周目にスロー走行となりピットイン。これでトップに立ったのが60号車スープラの河野選手だった。これに61号車BRZの山内選手、55号車NSXの佐藤選手が続き、3台の差わずかに0.574秒という超僅差でチェッカー。河野選手はGT初表彰台が初優勝だった。
フォト/遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部