東北地区戦第2戦はSUGOで開催。岩谷武ロードスターが地区戦挑戦4年目で初優勝!
2021年5月25日

今シーズンの第2戦目となるJAF東北ジムカーナ選手権が5月9日、スポーツランドSUGO西コースで開催された。
2021年JAF東北ジムカーナ選手権第2戦
2021年JMRC東北ジムカーナシリーズ第2戦
2021年JMRC全国オールスター選抜第2戦
ENDLESS CUPジムカーナ
開催日: 2021年5月9日
開催場所: スポーツランドSUGO西コース(宮城県村田町)
主催: SSC
今年のJAF東北ジムカーナ選手権は、昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、開幕戦は延期、第2戦と第3戦は中止を余儀なくされたが、今年は今回の第2戦までスケジュール通りの開催となっている。しかし、依然としてコロナ禍という状況は変わりなく、昨年と同様にしっかりと感染拡大防止策を取っての開催となった。
今年から参加車両のクラス区分が一部変更されたJAF東北ジムカーナ選手権。N・SA部門では、昨年までのNSAクラスに替わり、SATWクラスが新設された。これは関東地区が昨年から導入した「UTQG(米国運輸局が定めた統一タイヤ品質等級基準)のTREAD WEAR(耐摩耗性)が280以上」のタイヤを装着する事が義務づけられたクラスで、SATW-2クラスは2輪駆動車のSA車両、SATW-4クラスは4輪駆動車のSA車両の2クラスが設定された。また、Sタイヤの装着が認められるクラスは、SA・SAX・SC部門となり、2輪駆動車はSAC-2クラス、4輪駆動車はSAC-4クラスで、ナンバー付き車両とナンバー無し車両が同一クラスで争われることになった。
SUGOで行われる東北地区戦は、公開練習として練習コースを1本走行した後、決勝走行へ入るという競技進行となる。当日は朝から日も差す好天でドライ路面の競技が予想されたが、そのインターバル間に突然降り出した雨によりコースはウェット状態に急変。1時間程で雨は止んだが、練習走行とは打って変わってウェット路面での競技開始となった。


雨は止んだものの、所々水たまりが残る状況での出走となったPN1クラス。その第1ヒートをトップで折り返したのは、1分45秒336をマークしたファーストゼッケンの善方広太選手。ドライ路面になった第2ヒートでは、約9秒のタイムアップとなりトップの座をキープ。しかし、第1ヒートで2番手に付けていた岩谷武選手のND5RCロードスターは12秒ものタイムアップを果たし、善方選手のタイムを2秒近く更新。1分35秒879のタイムで岩谷選手が逆転勝利となった。
「昨年まではノーマルや単に車高を落としただけの足回りだったのですが、今年からようやくジムカーナ用の車高調整式に変更しました。地元(青森)の全日本ドライバー上野(健司)選手にセッティングを見てもらい、クルマは確実にレベルアップしています。第2ヒートは自分のイメージよりもクルマが良く反応して、想定していたタイムよりも良いタイムで走れました」という岩谷選手は、地区戦4年目で嬉しい初優勝を飾った。
ロードスターRFとBRZの戦いとなったPN3クラスでは、ロードスターRFを駆る全日本ドライバー佐藤宏明選手が第1ヒートからトップに立ち、第2ヒートも1分32秒190と、2位を3秒以上引き離すタイムで貫禄の優勝となった。「今回は第1ヒートがウェット、第2ヒートがドライというグリップ差が激しい路面に戸惑いました(笑)。特にウェットは、いつものSOGOのウェットよりも滑る感じで、ドライ路面に向けて気持ちを切り替えたつもりでしたが、対応しきれなかった所が多かったですね。タイム的にも、もう少し詰める事が出来たのではないかと思います」と、今回の路面は全日本ドライバーでも手こずる路面だったようだ。




新設のSATW-2クラスは4台が出走。全車リア駆動車となったが、両ヒート共にトップタイムを叩き出したS2000の阿部崇治選手が優勝となった。阿部選手は関東地区の選手も多く選択しているミシュランタイヤを使用。「想像以上のパフォーマンスですね。クルマとのバランスも良いです。セッティングに関しては全く変更してません(笑)。競技用のハイグリップタイヤのような『幅』の狭さは感じず、乗り易いです。今回はウェットとドライという路面の違いがありましたが、エア圧も変更しませんでした」と阿部選手。「ただし、このタイヤを履いてからの期間が短いので、まだ性能を引き出せてないのかもしれませんね。突き詰めていくと、状況によって細かなセッティングの幅があるのだと思います」と、今後の展望を語った。
続くSATW-4クラスは、佐柄英人選手が圧勝。「タイヤやセッティングに関しては関東地区の選手に聞きました(笑)。セッティングに関しては大きな変更はないですが、ドライビングは縦方向のグリップを重視してます。特に第1ヒートのようなウェット路面では意識してますね。ただ、Sタイヤやハイグリップラジアルも、それぞれのクセはあるので、そのタイヤに応じて走り方を変えれば結構良いタイムが出ますよ(笑)。何よりランニングコストが抑えられるのは、大きな魅力ではないでしょうか」と、新たなクラスに対して好印象のようだ。




SAC-2クラスでは、今シーズンから地区戦に参戦した大学生ドライバーの飯野哲平選手が、今回の2戦目で早くも優勝を勝ち取る快挙となった。「ジムカーナは大学の自動車部に入ったのがきっかけで始めました。実は昨年から東北地区戦に出る予定でしたが、車両トラブルで参戦を見送り、今年になってしまいました」という飯野選手の愛車は大学のOBからただで譲ってもらったというRX-7だ。
「競技車やエンジンの修理に関しても、回りの方々の協力無しではジムカーナができないので、とても感謝してます」と、その想いが伝わったか、第1ヒートではパイロンペナルティで大きく出遅れた飯野選手だが、第2ヒート、クラスファーストゼッケンで叩き出した1分29秒441は、後続選手は誰も更新する事ができず、有力ドライバー勢を抑えて今大会のオーバーオールタイムでの優勝となった。「第2ヒートは路面グリップが予想よりも良く攻める走りができました。タイムも想定していたタイムよりも良かったので嬉しいです。今回がまぐれ、と言われないよう、次も頑張ります」と飯野選手。若きドライバーの今後に期待したい。
SAC-4クラスはWエントリーしたSC車両の佐藤英樹選手、引地雄一選手と、SA車両の斉藤幸二選手の対決となったが、佐藤選手が圧勝。「今年からアンチラグの設定を変更し、フィーリングがよくなりました。路面的には第2ヒートの方が良かったのですが、その分、ターンを失敗してしまいました(笑)」と、第2ヒートはパイロンペナルティが加わったため、第1ヒートのタイムで優勝となった。
併催となったJMRC東北シリーズ第2戦。クラス2は第1ヒート、コペンの木村文哉選手とミラジーノの岡崎良紀選手が1-2と、軽自動車が上位で折り返したが、第2ヒート、シビックの工藤将人選手が逆転で勝利を収めた。「ターンセクションがそれなりに上手くいったのが良かったと思います」と工藤選手。クラス6はジムカーナ初出場の田澤拓実選手が優勝を果たした。








フォト&レポート/友田宏之
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