最終SSで大波乱! 福永修/齊田美早子組が破竹のターマック3連勝!!
2021年6月17日
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全日本ラリー選手権第6戦「MONTRE 2021」が、6月11日~13日に群馬県高崎市のGメッセ群馬(群馬コンベンションセンター)を拠点に開催された。ここ数年は群馬県嬬恋村を舞台に開催されていたが、今回は高崎市が拠点となるため、SS(スペシャルステージ)は藤岡市、神流町、上野村、南牧村など、群馬県南西部に設定されることとなった。
2021年JAF全日本ラリー選手権第6戦
2021 JAPAN SUPER RALLY SERIES Round.1
「MONTRE 2021」
開催日:2021年6月11~13日
開催場所:群馬県内
主催:MSCC、JAC、MOSCO
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため無観客で行われた今回のラリーは、11日に選手やサービススタッフ、オフィシャルやメディアなど、ラリー関係者全員を対象にCOVID-19抗原検査を実施。サービスパークの入場時にはラリー期間中の行動実績票を提出するなど、徹底的な感染拡大防止策が施された。
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ラリーは初日の12日にハイスピードセクションが主体のSS1、2日目の13日にはテクニカルセクションが主体のSS2を2回走るというわずか3SSで構成された。ただし、1つのSSあたりの距離がいずれも20km前後というロングステージが用意され、ステージの本数は少ないながらもハードな設定となっている。
天候は12日は曇り空でドライコンディションだったが、13日のSS3が始まるころには小雨が降り出し、ウェットコンディションという、いつものモントレーと同じ状況に。雨が降ったり止んだり、時には太陽が顔を出したりと猫の目のように天候が変わる“モントレーウェザー”が、選手たちを悩ませた。
ここまで福永修/齊田美早子組のシュコダ・ファビアR5が2連勝を飾っているJN1クラス。同じファビアR5を駆る柳澤宏至/保井隆宏組がSS1でベストタイムをマーク。トヨタGRヤリスの奴田原文雄/東駿吾組が3.5秒差の2番手、同じくGRヤリスの勝田範彦/木村裕介組が7.8秒差の3番手につけた。ロングステージを想定して硬めのタイヤコンパウンドを選択した福永/齊田組は、トップから8.6秒差の4番手で初日を折り返す。
2日目のオープニングとなるSS2は、タイヤセットをラリー丹後の状態に戻した福永/齊田組がベストタイムを奪い、雨を想定してリアにセミウェット用のタイヤを履く柳澤/保井組とのタイム差を3.1秒差まで詰め寄せた。
そして迎えた最終SSとなるSS3。ウェット路面となったためにフロントタイヤをウェット用に交換した柳澤/保井組は、SS3の約17km地点までは福永/齊田組に対して約7秒速いペースで駆け抜けるものの、フィニッシュ500m手前付近で痛恨のスピン。
柳澤/保井組はコース復帰に15秒近い時間を要し、このステージをドライセットで挑んだ福永/齊田組に逆転を許した。これで福永/齊田組はターマック3連勝を遂げ、「次戦からライバルが得意なグラベル3連戦が始まるだけに、大きな1勝を得ました。グラベルラウンドも成績を残せるようにしっかりと戦います」と気を引き締めた。
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JN2クラスは、2勝を挙げているヘイキ・コバライネン/北川紗衣組が、SS1から異次元の速さを披露。SS3ではJN1クラスの柳澤/保井組と同じコーナーでスピンするアクシデントはあったが、それでも2位の中平勝也/島津雅彦組に1分16秒3の大差をつけ、今季3勝目を飾った。
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SS1で起きた竹内源樹/木村悟士組のクラッシュにより、赤旗が提示されたために全車同一タイムが与えられたJN3クラス。仕切り直しとなった2日目のSS2は、第2戦新城ラリーでのクラッシュが影響し、新たにRPN車両のトヨタ86で挑んだ長﨑雅志/秋田典昭組が、曽根崇仁/竹原静香組に14.3秒差をつけてベストタイムを奪う。
長﨑/秋田組はSS3でもベストタイムを重ね、クルーにとっては当時のJN2クラスでチャンピオンを獲得した2018年以来となる優勝を獲得した。また2番手を走行していた曽根/竹原組は、柳澤選手やコバライネン選手がスピンしたSS3のコーナーで痛恨のスピン。3番手を走行していた山口清司/里中謙太組が2位フィニッシュを果たした。
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JN3クラスと同じく2日目勝負となったJN4クラスは、今季2勝を獲得している西川真太郎/本橋貴司組が快走。岡田孝一/河本拓哉組に1分以上の差をつけて今季3勝目を獲得するとともに、このラウンドをスキップした須藤浩志選手とのシリーズポイント差を50点に広げた。
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今シーズンは4戦を終えて4クルーのウィナーが誕生するという激戦区のJN5クラスは、渡部哲成/橋本美咲組がウェット路面のSS3で天野智之/井上裕紀子組を逆転して全日本ラリー初優勝を獲得。
「スペアタイヤにウェットタイヤを2本積む作戦が大成功でした」という渡部選手に対し、「スペアタイヤを積むスペースが1本分しかないので、ドライタイヤで挑んだことが敗因。久々に毛穴が開くほど攻めたんですけどね。でも、SS3のタイムはもちろんだけど、SS2で僕と1.4秒差だった渡部君の走りが彼の勝因でしょうね」と天野選手。シリーズポイントトップの座はしっかりと守った。
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JN6クラスは、全日本ラリーにデビュー以来3連勝を飾っている吉原將大/佐野元秀組が、このラリーでも快走をみせて優勝。デビュー戦からの連勝記録を4に伸ばした。2位争いは兼松由奈/立久井大輝組がSS2で2番時計をマークする力走をみせるが、SS3の10kmを過ぎた地点で左フロントを土手にヒットし、痛恨のリタイア。3番手の水原亜利沙/高橋芙悠組が2番手の村田康介/梅本まどか組を追い上げるが、トータルタイムで村田/梅本組が2.5秒逃げ切って2位入賞した。
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フォト/中島正義、山口貴利、CINQ、JAFスポーツ編集部 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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