混戦のJG8クラスは川北忠ロードスターが一歩抜け出す

レポート ジムカーナ

2021年7月12日

全日本ジムカーナ選手権第5戦「北海道オールジャパンジムカーナ」が、6月26~27日に北海道砂川市郊外のオートスポーツランドスナガワジムカーナコースで開催された。4月に開催を予定していた第2戦エビスが10月に延期されたため、この第5戦が実質的な4戦目となり、全8戦がスケジュールされている今シーズンの折り返し地点となる。

2021年JAF全日本ジムカーナ選手権第5戦
2021年JMRC北海道SPARCOアウティスタジムカーナシリーズEXラウンド
「北海道オールジャパン​ジムカーナ」

開催日:2021年6月26~27日
開催地:オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース(北海道砂川市)
主催:C.S.C.C.、AG.MSC北海道

 関東から東北にかけては例年よりも約1週間遅く梅雨入りとなったが、梅雨知らずの北海道は決勝前日の26日に行われた公開練習から27日にかけて快晴に恵まれた。特に決勝日は今シーズン初めて、両ヒートともドライコンディションで行われることとなった。

 ただし、第1ヒートは36度前後だった路面温度は、第2ヒートは強い日差しにより47~50度まで上昇。タイヤの摩耗も厳しく、多くのドライバーが「路面温度が上がり切らない第1ヒートが勝負」と読んでいた。出走台数は、全日本が82台、併催されたJMRC北海道シリーズが20台の合計102台。北海道ラウンドとしては久々の100台オーバーの参加台数を集めた。

 石狩川の広大な河川敷を利用したフラットなミニサーキットのスポーツランドスナガワ。今回設定されたコースレイアウトは、前半で外周区間をトレースし、中盤で一度パイロンターンセクションに。その後、もう一度外周区間をトレースし、ゴール前にもう一度パイロンターンセクションに入るという、ハイスピードセクションとテクニカルセクションを交互に走行するというレイアウトが採られた。

コースセクションとパイロンセクションが入り混じるメリハリの利いた設定ながら、スピードの感覚が掴みにくいコースレイアウトと言える。

 ここまで3戦を終えて、1勝の斉藤邦夫選手が27点でシリーズランキング3番手、2勝の箕輪雄介選手が40点でシリーズランキング2番手、今季未勝利ながらも3戦すべて2位に入賞している川北忠選手が45点でシリーズランキングトップというJG8クラス。

 今シーズンは、開幕戦もてぎから第4戦名阪までラウンドごとに表彰台の顔ぶれが大きく変わっているため、誰がシリーズの主導権を握るのかが大きな注目となっているクラスでもある。その中、第1ヒートでベストタイムを奪ったのが川北選手だ。

 「クルマのセットアップが前戦の名阪あたりからかなり良くなってきました」という川北選手は、前日の公開練習ではトップタイムを刻んでいた小林規敏選手を捕らえ、ベストタイムをマーク。第2ヒートはほとんどの選手がタイムダウンに終わり、川北選手が今季初優勝を獲得するとともに、今回6位に終わった箕輪選手とのシリーズポイント差を19点差に広げることに成功した。

JG8クラス優勝は川北忠選手(オートバックスDLロードスター)。
JG8クラスの表彰式。左から4位の斉藤邦夫選手、2位の小林規敏選手、1位の川北選手、3位の福田大輔選手、5位の小林キュウテン選手、6位の箕輪雄介選手。

 第1ヒートで大波乱が起きたのがJG7クラスだ。シリーズランキングトップの山野哲也選手と同2位の小俣洋平選手がともにパイロンタッチに終わり下位に低迷。第1ヒートは夏場に強い大排気量&大パワーのフェアレディZを駆る河本晃一選手がトップに、スイフトスポーツの仲川雅樹選手が2番手につける。両選手にとって、シリーズで上位をいく山野選手と小俣選手に追いつく大きなチャンスができた。

 注目の第2ヒートは、タイヤ的には路面温度が上がりすぎ、厳しい条件の中で河本選手がベストタイムを約0.1秒更新、仲川選手はタイムダウン。第1ヒートはパイロンタッチに終わったものの、実際のタイムでは山野選手のタイムを上回っていた小俣選手は、パイロンターンセクションでアンダーステアを出し、河本選手には約0.3秒届かない。タイム的にも自身が第1ヒートに出した実際のタイムに1秒以上届かない。

 路面コンディション的に厳しい第2ヒートでベストタイムを更新してきた河本選手がそのまま逃げ切るかと思われたが、「土壇場まで追い込まれたけど、同じメーカーのタイヤを履く河本選手のタイムアップに、一筋の光を見た」という山野選手が、河本選手のタイムを0.509秒更新。最後の最後で山野選手が通算120勝目となる今季3勝目を獲得した。

JG7クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY 12D 124)。
JG7クラスの表彰式。左から2位の河本晃一選手、1位の山野選手、3位の小俣洋平選手、4位の仲川雅樹選手。

 JG10クラスは、開幕戦から3連勝を挙げている織田拓也選手が、このラウンドでも「パイロンタッチや脱輪でペナルティを受けないよう、攻めながらも冷静に走りました」と、今季4勝目を獲得。

 ユウ選手、西野洋平選手、松本敏選手がそれぞれ1勝ずつ挙げているJG6クラスは、第4戦名阪ラウンドを欠場したユウ選手が、「金曜日の練習走行ではスナガワのコース特性を思い出せず苦労しましたが、土曜日の公開練習でなんとか勘を取り戻すことができました」と2番手の天満清選手を約0.8秒引き離すベストタイムをマーク。第2ヒートはユウ選手、天満選手ともタイムダウンに終わり、第1ヒートのタイムでユウ選手が今季2勝目を飾った。

 若手選手とベテラン選手が拮抗しているJG5クラスは、若手の奥井優介選手がコーナースピードの高さを活かし、これまで2勝を挙げているベテランの茅野成樹選手に並ぶ今季2勝目を獲得。シリーズポイントでも茅野選手を5点逆転し、ランキングトップの座を奪い返した。

 JG4クラスは、学生時代を過ごしたスナガワを「第2のホームコース」と呼ぶ小武拓矢選手が、第2ヒートでタイムアップしてきた島田昌典選手を退けて今季3勝目を獲得。一昨年は2位、昨年は10位と、得意のコースで優勝を逃した雪辱を果たした。

 若林拳人選手が開幕3連勝を飾っているJG3クラスは、「第1ヒートは予想していたよりもタイヤのグリップが良かったので、当初想定したラインとは違うラインで攻めました。走りは荒かったかもしれませんが、気持ち良く攻めることができました」という若林選手が後続の追従を許さず開幕4連勝を達成。2位にはスイフトスポーツを仕上げてきた高江淳選手が入賞した。

 第1ヒートは渡辺公選手がベストタイムを奪ったJG2クラスは、「ABSの調子が悪くなり止まりきれなかったので、タイヤを温存するためにアタックすることを止めました」と第1ヒートをミスコースで終えた広瀬献選手が、第2ヒートで渡辺選手を逆転して今季3勝目を獲得。3位に終わった久保真吾選手とのポイント差を13点に広げた。

 津川信次選手が開幕から3連勝を飾っているJG1クラスは、その津川選手が「第1ヒートは攻めすぎてパイロンタッチをしないようにマネジメントしながら走りました」とベストタイムをマーク。このタイムは第2ヒートに入っても破られることはなく、開幕4連勝を決めた。また、2位には「デフや足回りのセッティングを重ね、踏めるクルマになってきました」というGRヤリスの大橋渡選手が入賞した。

JG10クラス優勝は織田拓也選手(リジットDLレイズeTスイフト)。
JG10クラスの表彰式。左から2位の角岡隆志選手、1位の織田選手、3位の殿村裕一選手。
JG6クラス優勝はユウ選手(BSitzzNTLロードスター)。
JG6クラスの表彰式。左から4位の西野洋平選手、2位の天満清選手、1位のユウ選手、3位の野島孝宏選手、5位の山口克之選手、6位の大坪伸貴選手。
JG5クラス優勝は奥井優介選手(DLクスコ茨トヨ☆コサ犬ヤリス)。
JG5クラスの表彰式。左から2位のいながわひろゆき選手、1位の奥井選手、3位の茅野成樹選手。
JG4クラス優勝は小武拓矢選手(シンシアYHワコーズCRX艶々)。
JG4クラスの表彰式。左から4位の橋本克紀選手、2位の島田昌典選手、1位の小武選手、3位の服部諒一選手、5位の山越義昌選手。
JG3クラス優勝は若林拳人選手(YH若林自ITO速心インテグラ)。
JG3クラスの表彰式。左から2位の高江淳選手、1位の若林選手、3位の山本太郎選手。
JG2クラス優勝は広瀬献選手(マロヤトレーラーS二千亜舎YH)。
JG2クラスの表彰式。左から2位の渡辺公選手、1位の広瀬選手、3位の久保真吾選手。
JG1クラス優勝は津川信次選手(DL☆itzz☆URGランサー)。
JG1クラスの表彰式。左から2位の大橋渡選手、1位の津川選手、3位の髙橋和浩選手。
R-Ecoクラス優勝は西山直登選手(信州ポークDLマーチ12SR)。
R-Ecoクラスの表彰式。左から2位の木村悠大選手、1位の西山選手、3位の森本里美選手。
R-1クラス優勝は梶靖博選手(μ☆エリアS☆浅野自工スイフト)。
R-1クラスの表彰式。左から2位の田中雄大選手、1位の梶選手、3位の佐野勝也選手。
86/BRZクラス優勝は山口武人選手(DL ACRE WATIC86)。
86/BRZクラスの表彰式。左から2位の河原浩幸選手、1位の山口選手、3位の高野一徳選手、4位のナツキ選手。
R-2クラス優勝は逸見将吾選手(DL☆タクミ☆蒼インプ)。
R-2クラスの表彰式。1位の逸見選手。

フォト/加藤和由、CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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