岡山チャレンジカップレース第4戦、FIT1.5チャレンジカップは三つ巴を制した松尾充晃選手が初優勝!

レポート レース

2021年7月21日

6月26〜27日、岡山国際サーキットにて「2021 OKAYAMAチャレンジカップレース第4戦」が開催された。当初の天気予報では荒天が伝えられていたものの、実際には接近していた台風が進路を変えたこともあって、路面が濡れたのは日曜日の早朝のみ。走行に支障を来すほどではなく、ドライコンディション下で競われた。

2021 OKAYAMAチャレンジカップレース第4戦
開催日:2021年6月26~27日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC

 26日に開催されたFIT1.5チャレンジカップこと、鈴鹿・岡山ツーリングカー地方選手権は第3戦を迎えた。午前中の予選では2番手の岡田拓二選手に0.137秒差ながらトップに立って、ポールポジション(PP)を獲得したのは松尾充晃選手だった。

 「今週は水曜日から入って、相当練習したので、その成果が予選で出ました。納得のタイムです。気温が低かったので、いいタイムにつながったと思います。決勝もこの調子でいきます」と自信のほどをうかがわせた。

FIT1.5チャレンジカップ第3戦の予選は第1戦3位、第2戦は4位だった松尾充晃選手(隈元建設☆平岡塾☆制動屋FIT)がコースレコードでPPを獲得した。

 午後の決勝では松尾選手の言葉とは裏腹に、岡田選手がスタートからピタリと松尾選手に食らいついて離れず。一方、予選3番手から開幕3連勝を目論む西尾和早選手がスタートに出遅れて4番手に退くも、2周目のヘアピンで3番手に返り咲く。

 だが、その間にトップを争うふたりから、2秒以上の遅れをとっていた。とはいえ、ペースでは明らかに優れていた西尾選手が徐々に差を詰めていき、中盤にはトップ争いが三つ巴に広がった。

 ビリビリと火花が散るようなバトルが続いたものの、最終ラップに西尾選手が岡田選手にアタックをかけて仕留めきれなかった間に、ようやく松尾選手が差を広げることに成功した。「前半、しんどかったんですけど、とにかく集中して最後まで冷静に走れました。初優勝なんで嬉しいです」と松尾選手は喜んだ。

FIT1.5チャレンジカップの表彰台。左から開幕3連続2位となった岡田拓二選手、初優勝の松尾選手、3位は鈴鹿サーキットでの第1戦と第2戦を制していた西尾和早選手。

 N-ONEオーナーズカップ第7戦には、TCRジャパンやFIA-F4にも出場するHIROBON選手がスポット参戦。27日早朝の予選はまだ路面が濡れていた状態で競われた。

 「雨のセットが初めてだったので、内圧が博打やった。どこまで行けるか分からんかったけど、最後の最後でなんとかクリア取れて。決勝はドライの方がいいです!」と語った、HIROBON選手がPPを獲得。和田将人選手が2番手で、岡山を得意とする松本恭典選手と小野貴史選手が続いた。

N-ONEオーナーズカップ第7戦の予選でスポット参戦ながらPPを獲得したHIROBON選手(アンダーレ東野R N-ONE)は、様々な車両でレースを戦っている経験値の高さを見せた。

 ほぼドライに転じた決勝は、HIROBON選手に願ったりかなったりの状況になっていたが、スタート後の加速が「なんでか分からないけど」鈍り、和田選手の先行を許してしまう。しばらくはHIROBON選手、松本選手、小野選手が食らいついていたが、ひとりずつ遅れをとるようになり、そして終盤には和田選手の独走となった。

 「優勝は2回目です。スタートは狙っていました。最初の4周は後ろからのプレッシャーがすごくて、ミスだけしないよう意識しつつ、ここは自分が速い、ここは詰められるから自分ももうちょっと詰められる、っていうのを勉強しながら走っていました」と和田選手。ここまで7戦、全てウィナーが違う大混戦状態がどこまで続くのか、第8戦以降も注目だ。

N-ONEオーナーズカップは2番手スタートからホールショットを奪った34号車、和田将人選手(YHアウティスタN-ONE)が逃げ切って優勝。
N-ONEオーナーズカップの表彰台には、左から2位のHIROBON選手、優勝の和田選手、3位の松本恭典選手が登壇。

 ロードスター パーティレースIII西日本シリーズ第2戦の予選も、路面はやや濡れたまま。NDシリーズクラスでは、第1戦総合ウィナーの本多永一選手を僅差で従え、初の総合PPを獲得したのは黒原崇正選手だった。

 「路面はもうドライという感じでしたが、ちょっとラインを外すとウェットのところがありました。会心の走りに近い感じで、前回いろいろありましたから、雪辱を果たしたいですね」と黒原選手。

 しかし、決勝では「スタートがすべてでした」と本多選手がホールショットを奪取。「前に出られれば、行けると思っていたので、1コーナーでちょっとニヤッとしちゃいました(笑)。いかん、いかん、まだまだ8周あるぞ、って」と語るとおり、早々と先頭に立つと、じわりじわりと黒川選手を引き離して総合2連勝。2年ぶりの王座返り咲きなるか注目される。

ロードスター パーティレースⅢ西日本シリーズ第2戦の予選は、ポイント獲得成らなかった第1戦からの挽回を期すNDシリーズクラスの黒原崇正選手(HSR建具屋datロードスター)が初めての総合PPを獲得。
NDシリーズクラスの本多永一選手(LEG Eds ロードスター)は総合2番グリッドからスタートでトップ奪取に賭ける作戦が見事的中し、開幕2連勝を達成した。
NDシリーズクラスの暫定表彰台。左から暫定2位の黒原選手、暫定1位の本多選手。暫定3位の佐藤章成選手。

 NDシリーズクラスと混走のNDクラブマンクラスでは、湯川勲選手が予選で総合4番手を獲得。決勝では総合順位でふたつ落ちてしまったがクラス内では圧勝で、NDシリーズクラスのドライバーともバトルも繰り広げたことから、「抜かれちゃったんですけど、十分楽しんで走れました」と満足そうだった。

NDクラブマンクラスは第1戦2位の湯川勲選手(エンジョイジージロードスター)がクラス内では圧倒的な速さを見せて優勝を果たした。
NDクラブマンクラスの表彰台。左からクラス5番手スタートから2位を獲得したマツダ ニャンコネン選手、優勝の湯川選手、3位はクラス2番手スタートだった久間裕太郎選手が登壇した。

 ポルシェクラブジャパンが統括するPCJ-CUP Sクラスは全国を転戦し、今年は全5戦で争われる。しかし、オートポリスと富士の前2戦は、いずれも中止になっており、今回が今シーズンの初戦ということになる。

 やはりまだ路面の一部が濡れたままだった予選において、ひとりドライタイヤで臨んだS0クラスの吉田雄作選手が総合トップタイムを記録。「最後までタイヤをどっちにするか迷っていたんですが、結局スリックで正解!同じタイヤじゃ勝負にならないので」と総合トップ獲得のカギを語ってくれた。

PCJ-CUP Sクラス第3戦の予選は、一部が濡れている路面でドライタイヤでのアタックに賭けたS0クラスの吉田雄作選手(レンタカーはファーストレンタカー)が見事、総合トップタイムを奪取。

 決勝は完全なドライコンディションになり、全車同じ条件の下では吉田選手の予感が的中してしまう。スタートで同じS0クラスの山本賢選手が先行し、バックストレートではS0クラスのMUSASHI選手にも先行を許してしまった。さらに2周目にはクラス4番手まで後退してしまう。

 総合トップに立った山本選手は、3周目には総合2番手以下に3秒差をつけると、そこから先は後続にペースを合わせるほどの余裕を見せて総合トップフィニッシュ。「予選はレインタイヤで行っていたので、それでタイム差が。決勝の後半は抑えることもできて、今回は余裕もありましたね」と山本選手は振り返った。

 S0クラスと混走したS1クラスでは、岸本博史選手と森村彰博選手が絶えず接近戦を繰り広げていたが、最終ラップの2コーナーで森村選手が前に出て、そのまま逃げ切った。「途中シフトミスして、差を広げられたけど、諦めずに走って良かったです」と森村選手は逆転劇を語ってくれた。

S0クラスの山本賢選手(カーショップKポルシェ)は総合2番手スタートからホールショットを奪うと、そのまま総合トップの座を守り、フィニッシュラインを駆け抜けた。
S0クラスの表彰台。左から2位のMUSASHI選手、1位の山本選手、3位の小山雅也選手。
S1クラスはクラストップからスタートした森村彰博選手(f. ABS-fenix)がファイナルラップでトップの座を取り返してフィニッシュした。
S1クラスの表彰台には、左から2位の岸本博史選手、1位の森村選手が登壇した。

フォト/吉見幸夫 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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