激しい雷雨に見舞われ競技中止、第1ヒートの結果が正式結果に

レポート ジムカーナ

2021年7月26日

全日本ジムカーナ選手権第6戦「スーパースラローム IN 久万高原」が、7月17~18日に愛媛県久万高原町郊外のハイランドパークみかわ ジムカーナコースで開催された。

2021年JAF全日本ジムカーナ選手権第6戦「スーパースラローム IN 久万高原」
開催日:2021年7月17~18日
開催地:ハイランドパークみかわ ジムカーナコース(愛媛県久万高原町)
主催:ETOILE

 今シーズン5戦目となる全日本ジムカーナ選手権第6戦には、全クラス合わせて93台がエントリー。各クラスとも、シリーズランキング上位陣がハイランドパークみかわに顔を揃えた。

 この週末は全国各地で梅雨明けが相次いで発表されたが、会場となる四国地方は梅雨の真っ只中。金曜日の練習走行、土曜日の公開練習は雨が降り続き、日曜日の決勝は断続的に激しい雨が降るヘビーウエットコンディションとなった。この雨は、第1ヒートと第2ヒートの間に激しい雷雨となり、愛媛県の各地や会場近隣地区に大雨警報と避難指示が発令される事態に。

 これにより主催者は第2ヒートが始まる前に緊急のドライバーズミーティングを開催し、天候と路面コンディションの悪化、警戒レベル4の避難指示が発令されていることから、第2ヒートの中止と表彰式の中止を発表。審査委員会は第1ヒートの結果を正式結果と認定し、第6戦が選手権として認定されたことを発表した。分刻みで強く降ったり、時折弱く降る雨に翻弄されたクラスもあったが、第1ヒートでいかに結果を残しておくかが重要な1戦となった。

 標高1000m付近に位置する元美川スキー場の駐車場を利用して設定されたコースは、スタートからゴールまで28本のパイロンを設置したフルパイロンコース。パイロンが乱立するコースは、パイロンタッチはもちろんミスコースにも注意が必要となり、高いドライビングテクニックと集中力が求められる。

西森啓祐競技長から第2ヒートの中止等についての説明、また槇田龍史審査委員長から第1ヒートを正式結果として認定することが発表された。
基本、コースレイアウトは全クラス同様とし、AT車両のJG10クラスのみゴール前のパイロンターンセクションがカコミのように簡素化されたレイアウトが採られた。

 織田拓也選手が開幕から4連勝を飾っているJG10クラスは、ハイパワーを誇るポルシェ・ケイマンの角岡隆志選手が、ウエット路面をものともしない走りで今季初優勝し、「自分自身もまさかこのコンディションとフルパイロンコースで勝つとは思ってもいませんでしたが、後半戦に向けて明るい材料になりました」と、価値ある1勝を獲得した。

JG10クラス優勝は角岡隆志選手(ADVANトラップケイマン)。2位は織田拓也選手、3位は殿村裕一選手。

 JG8クラスは、若手のSHUN選手が巧みなパイロンワークでベストタイムをマークするが、ベテランの小林キュウテン選手がSHUN選手のタイムを0.8秒上回りベストタイムを更新。その後、後半ゼッケンの斉藤邦夫選手、箕輪雄介選手、川北忠選手がスタートする頃には一気に雨足が強くなり、ベストタイム更新ならず。小林選手が久しぶりとなる今季初優勝を獲得した。

JG8クラス優勝は小林キュウテン選手(YH共栄K-oneロードスター)。2位はSHUN選手、3位は小林規敏選手。

 山野哲也選手が第2戦以降3連勝しているJG7クラス。開幕戦を制した小俣洋平選手が、仲川雅樹選手のマークしたそれまでのトップタイムを1.76秒上回りベストタイムを更新。雨足は強くなる一方で、いつハイドロプレーニングが起きてもおかしくない厳しい状況の中、クラス最終走者の山野選手が中間ラップで小俣選手のタイムを0.34秒上回るタイムでクリア。後半セクションもそのマージンをしっかりと活かしきり、小俣選手に0.21秒差をつけて今季4勝目を獲得した。

JG7クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY 12D 124)。2位は小俣洋平選手、3位は仲川雅樹選手。

 これまで4戦中3人のウィナーが誕生し、混戦模様となっているJG6クラス。今シーズンクラス唯一2勝を挙げているユウ選手が、ゴール前のターンセクションまでライバルたちを約1秒上回るペースでクリアするものの、そのターンセクションで痛恨のミスコース。第2ヒートが中止となったため、まさかのノーポイントで終えた。優勝は、ヘビーウエットのコースを滑らかな走りで攻めた野島孝宏選手が、今季初優勝を獲得。シリーズランキングでもトップに浮上し、野島選手からシリーズランキング4番手の天満清選手までが4ポイント差という激戦区となった。

JG6クラス優勝は野島孝宏選手(DLレイズWMルブロードスター)。2位は松本敏選手、3位は西野洋平選手。

 JG5クラスは、昨シーズンの名阪ラウンドで真っ先にGRヤリスを全日本に投入した片山誠司選手がベストタイムをマーク。シリーズランキングトップの奥井優介選手が、片山選手を0.732秒上回るタイムでフィニッシュするものの、ゴール前のパイロンセクションでパイロンタッチの判定。片山選手がGRヤリスでの初優勝を果たした。

JG5クラス優勝は片山誠司選手(GR水戸インターYHWmヤリス)。2位は朝山崇選手、3位は上本昌彦選手。

 小武拓矢選手がシリーズを大きくリードするJG4クラスは、シリーズランキング2番手の山越義昌選手が後半セクションで小武選手を引き離し、今季初優勝を獲得。2位に小武選手、3位に後半セクションで大きくタイムを縮めてきた合田尚司選手がそれぞれ入賞した。

JG4クラス優勝は山越義昌選手(BS風見茨中AG滝本渦CR-X)。2位は小武拓矢選手、3位は合田尚司選手。

 若林拳人選手が開幕戦から4連勝を挙げているJG3クラスは、ベテランの佐野光之選手がベストタイムをマーク。クラス最終走者の若林選手が中間タイムで佐野選手を0.36秒上回ってくるものの、後半セクションで遅れ0.19秒届かず2位。JAFカップジムカーナでは2004年に優勝経験を持つ佐野選手だが、全日本では2000年に初出場以来、21年目で嬉しい初優勝を掴んだ。

JG3クラス優勝は佐野光之選手(YHリジットAZURインテグラ)。2位は若林拳人選手、3位は高江淳選手。

 JG2クラスは、今季3勝を挙げている広瀬献選手が、久保真吾選手を1.21秒引き離す走りで今季4勝目を獲得。2位に久保選手、3位には開幕戦以来の表彰台となる野原博司選手が入賞した。

JG2クラス優勝は広瀬献選手(マロヤトレーラーS二千亜舎YH)。2位は久保真吾選手、3位は野原博司選手。

 津川信次選手が開幕戦から4連勝を挙げているJG1クラスは、久万高原ラウンドでは圧倒的な勝率を誇る菱井将文選手が今季初優勝を獲得。2位は飯坂忠司選手で今季初表彰台を獲得。中間セクションでは菱井選手に0.02秒差だった津川選手は、ゴール手前の270度ターン進入で失敗し、3位に終わった。

JG1クラス優勝は菱井将文選手(BS・レイズクスコランサー)。2位は飯坂忠司選手、3位は津川信次選手。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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