関東ジムカーナの老舗「茨城中央サーキット」開業40周年を祝う大会に世代を超えた127名がエントリー

レポート ジムカーナ

2026年1月26日

「ICCオープン40周年記念ジムカーナ」
開催日:2026年1月18日(日)
開催地:茨城中央サーキット(茨城県石岡市)
オーガナイザー:ICC.S

茨城中央サーキットは茨城県石岡市にあるJAF公認スピード競技コース。1987年で開業40周年を迎えた。
2026年1月18日に行われたICCオープン40周年記念ジムカーナには118台・127名のエントリーを集めた。

 1980年代のジムカーナ競技は、特設会場やJAF公認サーキットの一部、カートコース兼用などで開催されることが多かったなかで、「茨城中央サーキット」は当時としても珍しいジムカーナ用コースとして1987年に開業した。ここは茨城県石岡市にあるJAF公認スピード競技コースで、”茨中(いばちゅう)”や”ICC”などと略称される、多くの有力ジムカーナドライバーを生み出してきた、関東を代表する老舗コースだ。その開業40周年を記念する「ICCオープン40周年記念ジムカーナ」が、2026年1月18日にJAF公認クローズド競技で開催された。

 コースオーナーは、JAF加盟クラブ「アイ.シー.シー.スポーツ(ICC.S)」代表でもある神生恭利(かのうやすとし)氏。ここはもともと神生氏のプライベート練習場で、当時はドライバーとして海外ラリーに参戦していた神生氏が自宅の庭にダートコースを造ったのが始まりだったという。それが舗装のジムカーナ場へと生まれ変わったのだが、これに深く携わったのが、JAF加盟クラブ「チームワンポイント(T1P)」の鎌田耕造代表だ。

 開会式では、参加者兼来賓で訪れた鎌田氏が、「40年前、ALEXの潮一則さんや赤城康友、中村真幸から、茨城にダートコースがあると聞いて訪ねたんです。そこで『これからはダートじゃなくて舗装ですよ』と口だけ出して、お金は一銭も出さずにジムカーナコースを作ってもらいました(笑)」と当時を回想しながら挨拶した。

 1987年の競技会カレンダーを振り返ると、1987年1月11日に「茨城中央サーキット・オープニングジムカーナ」がPURPLEにより申請され、同年3月1日には「茨城中央サーキット・ファーストフェスティバル・スーパースラローム大会」が、鎌田氏率いるT1Pから申請されていた。当時は”上段”のみだったコースも、時代とともに拡張され、現在の「上段・中段・下段」の三面構成となっていく。40年の間に社会環境は大きく変化し、参加型モータースポーツの代表格であるジムカーナは、競技人口の増減というカタチで大きな影響を受けてきた。

 神生氏は 「ここをオープンしたのは、私が28歳の時でした。当時はF1も人気で、モータースポーツ人口も増えていましたから、勢いもあって上手く軌道に載った感じでしたね」と振り返る。そして、「最初は10年続けばいいかなという感じで始めたんですが、それでも何とか今までやれることができました。もちろん紆余曲折がありました。地域の環境に配慮して営業日や走行時間を制限したりして、一時は走行に来てくれる方がかなり減ったこともありました。続けていくためにはどこかで線引きをする必要があって、純粋にジムカーナを楽しみたい人々と向き合ってきたのが良かったのではないかと思います。地域の皆さまをはじめ、なによりジムカーナが好きで、走りに来てくれる皆さんが沢山いたからこそ、40年間続けることができました」と想いを語った。

 この「ICCオープン40周年記念ジムカーナ」には、往年のレジェンドたちや全日本・地方選手権の現役ドライバー、若手ドライバーなどなど、世代を超えた合計127名ものエントリーがあった。クラス分けは、排気量や改造範囲ではなく、参加者の年齢によって6クラス、それにレディースクラスの計7クラスが設定され、駆動方式や装着タイヤ、エンジン特性などに応じてハンディキャップタイムが設けられる形式で競技が行われた。

 ちなみに、ゼッケン・出走順については大会事務局の赤羽英喜氏による演出が施され、レディースクラスは除いて、各クラスのゼッケンは年齢が若い順に割り振られていた。つまり、競技が進行するにつれて参加者の年齢が上がっていくというユニークな試みとなっており、メモリアルイベントならではの密かな楽しみとなっていた。

 フェスティバル要素が強い大会とはいえ、関東ジムカーナ界のお歴々が集まればすぐに真剣勝負を展開してしまうわけで、第1ヒートから各クラスでコンマ差の接戦が繰り広げられた。それでも、パドックで久しぶりに顔を合わせる参加者も多かったようで、同窓会的な雰囲気を交えながら茨城中央サーキットの40周年を祝福した。

コースオーナーでICC.S代表の神生恭利氏。開会式ではT1P鎌田耕造代表が開業当時の思い出とともに挨拶した。
オーバー70クラス小川幸雄選手の計らいで、今大会の参加者にさまざまなケータリングが無料で振る舞われた。
30周年記念大会が行われた2016年以来となる40周年メモリアルジムカーナ。副賞や商品もたっぷり用意された。
コースレイアウト。”下段”スタートで”上段”を回り”中段”でゴールする、ICCでは定番となる設定が採用された。

[U30クラス]独特の路面を克服した杉崎匠選手が2本ともベストで完全勝利

 満29歳以下の若手ドライバーが集うアンダー30(U30)クラスは、1分14秒075をマークしたロードスターの杉崎匠選手が、第1ヒートをトップで折り返す。2番手にはGR86の笹島綾人選手が1分15秒台、3番手には同じくGR86の窪倉正人選手が1分16秒台で着けていた。パイロンペナルティで順位を落としていたMR-Sの小川雅空選手と全日本ドライバー安藤祐貴選手は、タイム的には1分12秒台を出していただけに、第2ヒートの逆転に注目だ。

 冷えきっていた第1ヒートの路面から程良く温度も上がり、また、走行ラインの細かな砂利も捌け、タイムアップの条件がそろった第2ヒート。クラスファーストゼッケンの小川選手がいきなり1分10秒952でトップタイムを更新し、さらに杉崎選手が自己タイムを4秒近く上げて1分10秒215を叩き出して再び暫定トップに返り咲く。上位争いが1分10秒台となるなかで安藤選手のタイムに注目が集まったが、安藤選手は自己タイムは更新するも伸び代は生タイムで約0.6秒に留まり、杉崎選手が両ヒートを制して優勝した。

「1本目はオーバーやアンダーを出しまくってしまったのですが(笑)、それを踏まえて2本目は、しっかり抑えてメリハリをつけ、タイヤのグリップを縦に使うことができたのが良かったと思います。茨中は路面のグリップが低くて、自分の運転の悪いところが顕著に出てしまうコースなのですが、逆に、それが勉強になりますね」と語る杉崎選手。第2ヒートは苦手な路面を克服して、大幅なタイムアップで勝利を得た。ジムカーナ歴は約3年と日は浅いが、近い将来の全日本出場も見据えて「今シーズンは地区戦に力を入れます」と、今後の豊富も語ってくれた。

U30クラス表彰対象の皆さん。1位杉崎匠選手、2位小川雅空選手、3位安藤祐貴選手、4位窪倉正人選手。
U30クラス優勝・杉崎選手の123ロードスター[ND5RC]、2位小川選手のALEX修行中MR-S蒼[ZZW30]、3位安藤選手のBS CDフジミロードスター[NDERC]。

[U40クラス]地元同士の逆転劇でラパンの薗部隼選手が思い出深い勝利

 満30歳~満39歳のドライバーで争われたアンダー40(U40)クラスは、第1ヒートはICC.S神生恭利代表の実息、S2000を駆る神生脩平選手が1分12秒667でトップタイムをマークする。2番手にはBRZの飯田慶選手、3番手にはFD2シビックの古市航貴選手がともに1分14秒台で続いた。

 第2ヒートは、クラスファーストゼッケンの二渡龍輝選手が神生脩平選手のタイムを0.3秒更新して、U40クラスもやはり第2ヒート勝負となる。しかし、後続は自己タイムこそ更新するも、暫定ベストは更新されないまま競技が進行した。古市選手は1分11秒台を刻むもパイロンペナルティ、飯田選手は1分13秒台と、第1ヒートの上位勢も順位を上げられない。そんな戦況を変えたのが、第1ヒートはミスコースでノータイムに終わっていたロードスターRFの池田雅弘選手で、ペナルティなしの1分11秒395をマークして暫定トップに躍り出た。

 そこに続くのは、第1ヒートの暫定ベストを更新されたばかりの神生脩平選手。ホームコースで負けられない神生脩平選手は池田選手を約1秒上回る1分10秒360でゴールしたものの、パイロンペナルティでベストタイムは幻となった。このまま池田選手が逃げ切れるかと思われたが、勝負を決めたのはラス前ゼッケン、ラパンで参戦した薗部隼選手。第1ヒートは駆動系トラブルでリタイアを余儀なくされたが、一発勝負となった第2ヒートで1分13秒341を叩き出した。そのタイムから軽自動車のハンディキャップタイム2秒が減算され、1分11秒341という結果で池田選手を約0.05秒逆転する僅差の勝利をつかんだ。

 優勝の薗部選手は、「本当はカプチーノで走る予定でしたがクルマの調子が悪く、急きょ通勤車のラパンに車両変更したんです。でも、そのラパンも1本目のパイロンでドライブシャフトが逝ってしまいました(笑)。家が近所なので予備のシャフトを取りに行き、送迎してくれた家族と回りの皆さんの協力で、2本目は無事に走ることができました」と語る。「免許を取って以来、関東各地の草ジムカーナを楽しんでいます。近所ということもあり、茨中も20年くらい走っていますが、車両トラブルからの優勝で、これまでの中で今日が一番印象深い日になりました(笑)」。

U40クラス表彰対象の皆さん。1位薗部隼選手、2位池田雅弘選手、3位二渡龍輝選手、4位神生脩平選手、5位飯田慶選手、6位金谷一誠選手。
U40クラス優勝・薗部選手の祝イバチュー40周年ラパン[HE21S]、2位池田選手のICC40周年ロードスターRF[NDERC]、3位二渡選手のTRC☆ガレージ天竜BRZ[ZC6]。

[U50クラス]ICCマイスターたちの接近戦! 安田慎選手が貫禄の優勝

 満40歳~満49歳のドライバーで争われたアンダー50(U50)クラス。この年代ともなると、地区戦や全日本戦でも現役で好成績を収めるドライバーも多く、高次元のバトルが予想されるが、その第1ヒートで1分9秒596のトップタイムをマークしたのが、MR-Sで参戦するICCマイスターそしてミッドシップ使いの安田慎選手。2番手には2025年関東PN2チャンピオンのロードスター使い・橋本恵太選手が約0.4秒差で着け、早くも接戦が繰り広げられる。

 第2ヒートの橋本選手は自己タイムを約0.6秒更新する1分9秒353で暫定トップに立つも、安田選手は1分9秒132と、橋本選手を約0.2秒かわしてトップを奪回し、コンマ差の攻防戦はヒートアップする。さらに後半ゼッケンでCR-Xを駆る全日本ドライバー山越義昌選手が生タイムでは1分8秒台を刻むも、ハンディキャップタイムの「VTEC1秒」や「Sタイヤ2秒」の合計3秒が加算されて上位には食い込めず、安田選手がコンマ2秒差を守り切って優勝した。

 安田選手は、「ジムカーナは25年やっていますが、ここ(ICC)で産まれて、ここで育ちました(笑)。茨城中央サーキットあってのジムカーナ人生なので、今回のイベントで結果を残せたのは非常にうれしいです」と語る。「ICCは、愚直にクルマを前に転がすことを求められるコースで、そういった運転が身につく、勉強になるコースだと思います。ウチのクラブもここで練習会をやってますが、練習会でジムカーナを始めた若手選手が、ここで学んで、地区戦で優勝した報告を聞いたりするとうれしいですよね」とコースの魅力を語ってくれた。

 そして一番の思い出として、「2009年の茨城シリーズでクラス優勝したときに、自分のジムカーナ人生で2~3回あるかないかの、実況タイムを聞く前に「どうだ!」と叫んだ、快心の走りができたんです。その最高の1本をまた経験したいなという想いで、ジムカーナを続けています(笑)」と、”茨中”とともに歩んできたジムカーナ人生を振り返ってくれた。

U50クラス表彰対象の皆さん。1位安田慎選手、2位橋本恵太選手、3位遠藤裕和選手、4位酒井謙太郎選手、5位上田章雄選手、6位山越義昌選手。
U50クラス優勝・安田選手の車楽祭牛貯犬MR-S祝40周年[ZZW30]、2位橋本選手のXPLロードスターFWG[ND5RC]、3位遠藤選手の天竜MR-2[AW11改]。

[Lクラス]BRZの東方紀美恵選手が苦手意識を克服する2本ベストの完全勝利

 女性ドライバー限定のレディース(L)クラスには12名が参加。第1ヒートをトップで折り返したのは、1分12秒242とクラス唯一の1分12秒台を叩き出したBRZの東方(とうぼう)紀美恵選手。2番手には1分13秒893でロードスターの高橋史佳選手、高橋選手から約100分の7秒差でロードスターの小林美江選手が3番手に着ける。

 第2ヒートの小林選手は約1.5秒のタイムアップを果たして1分12秒台に突入。東方選手には約0.2秒届かなかったが暫定2番手にポジションを上げる。そして次なる高橋選手は1分11秒台に入れてベストタイム更新かと思われたが、パイロンペナルティの判定で1分11秒561のタイムは幻となってしまう。高橋選手のペナルティで暫定トップを維持する東方選手だが、第2ヒートは1分11秒542で高橋選手の生タイムを0.019秒更新するベストタイムを叩き出す。後続は東方選手のタイムを更新することができず、東方選手が両ヒートを制して優勝した。

「茨中は、JAFの地区戦やJMRCチャンピオン戦を追い始めた約10年前から通っていますが、実は苦手意識が強いコースです。毎年シリーズに組み込まれているので練習に来るのですが、練習で走ると楽しいんですよね(笑)。μの低い路面をコントロールしている感じとか。それが実戦になると上手くできないので、苦手と感じるのかもしれません。ここは、ロードスターが速いというイメージだったので、今日は自信がなかったのですが、自分なりに攻略できたと思います」と語る東方選手。第2ヒートもきっちりベストタイムを刻んだ勝利は苦手意識の克服につながったことだろう。

Lクラス表彰対象の皆さん。1位東方紀美恵選手、2位小林美江選手、3位高橋史佳選手、4位五味渕昌子選手、5位亀井佳子選手、6位山家美弥子選手。
Lクラス優勝・東方選手のSTPリジットBRZ[ZD8]、2位小林選手のGメカ。ロードスター[ND5RC]、3位高橋選手のふっか天竜コサ犬ロードスター[ND5RC]。

[U60クラス]全日本の川北忠選手がジムカーナデビューの地で恩返しの優勝

 今大会の最多エントリー42台(出走39台)を集めた満51歳~満59歳のドライバーによるアンダー60(U60)クラス。現役ドライバーはもとより、全日本経験者など関東地区を代表する錚々たるメンバーで争われた。その第1ヒート、1分9秒331のトップタイムをマークしたのは、全日本ジムカーナの本番車ロードスターで参戦した2025年全日本PN3チャンピオン川北忠選手。2番手にはBRZを駆る関東の大塚健二選手が約0.3秒差で着ける。

 第2ヒートでは川北選手は自己タイムを1分8秒858まで更新。大塚選手も自己タイムを更新するも、伸び代はわずか1000分の6秒と伸び悩み逆転には至らない。そして、第1ヒートで3番手に着けていた長屋秀彦選手、4WDのハンディキャップタイム2秒を加算されながらも4番手に着けていた山口栄一選手も川北選手の1分8秒台には届かず、川北選手が大会のオーバーオールタイムを計測して貫禄の優勝となった。

「実は、ジムカーナデビューしたコースが茨中なんです。ジムカーナを始めたとき、ここに通い詰めて練習していました」と語る川北選手。「当時、スピードマインド誌に掲載されていた練習会の情報を見ていて、関越スポーツランドや浅間台スポーツランドの情報も載っていましたが、茨中が通いやすかったということと、テクニカルコースということで、ここで練習すればサイドターンとかが上手くなれると思ったのがきっかけですね」と当時を振り返る。

 川北選手は、「茨中で速い選手って、全日本でも活躍しているイメージも強かったですし、実際にチャンピオンを獲っている方も多いので、走りの基礎を築けるコースだと思います」と語りつつ、「今回、走らせるクルマを迷ったのですが、ここで育ててもらったという意識もあるので、全日本ジムカーナの本番車で出ることにしました。走りの内容はあまり良くなかったのですが(笑)、楽しく走れました」とメモリアルな大会に華を添えた。

U60クラス表彰対象の皆さん。1位川北忠選手、2位大塚健二選手、3位長屋秀彦選手、4位山口栄一選手、5位加藤晃選手、6位川口健選手。
U60クラス優勝・川北選手のORC DLロードスター[NDERC]、2位大塚選手のDLブルガレ・コサリックBRZ[ZD8]、3位長屋選手の訳有帰国くみちょロードスター借[NDERE]。

[U70クラス]現役勢の僅差の逆転劇は山口栄一選手が2本ベストで制する

 まだまだ現役と言わんばかりの満60歳~満69歳のドライバーが集ったアンダー70(U70)クラスは、まさしく現役ドライバーによる争いが展開される。まず第1ヒートで1分10秒321のトップタイムを刻んだのはロードスターの山口晃一選手。2番手には約0,27秒差でBRZの藤田幸児選手、藤田選手から約0.44秒差でロードスターの志賀野浩選手が3番手に着け、第1ヒートから関東地区戦さながらの激戦を展開した。

 第2ヒートではクラス最年少となるファーストゼッケンの志賀野選手がまず1分10秒260を叩き出し、山口選手のタイムを塗り替えて暫定トップに立つ。U70クラスも第2ヒート勝負になるなか、第1ヒートはパイロンペナルティで下位に沈んでいた往年の全日本ドライバー、かつICCスペシャリストの鷹巣義幸選手が1分9秒台をマークしてきた。しかし鷹巣選手はVTECハンディキャップ1秒が加算されるためトップタイムとはならなかったが表彰台圏内に食い込んだ。

 注目の山口選手は1分9秒878まで自己タイムを更新して暫定トップを奪回し、後半ゼッケンにプレッシャーをかける。そして後半ゼッケンの藤田選手は、トップタイムを刻むには約0.6秒のタイム更新が必要だったが、逆に約0.3秒のタイムダウンを喫して万事休す。山口選手が第2ヒートの暫定トップタイムを守り切って優勝した。

「今日のコースはスラロームの進入を失敗するとタイムが出ないので、そこは気を付けました。あとは、ダブルエントリーした(U60クラスの)長屋選手がタイヤを温めてくれたので(笑)、そのおかげですね」と、優勝の山口選手は続けて、「ジムカーナ歴は46年ですが、実は初期の茨中は走ったことがないんですよ。初めて来たのは今の“中段”ができてからですね。よく来るようになったのは、シリーズを追うようになってからです。その頃は”下段”もできていて、当時は、上段から中段を経て下段に飛び込むようなスリリングな設定もあって楽しかったですよね(笑)」と振り返った。

U70クラス表彰対象の皆さん。1位山口晃一選手、2位志賀野浩選手、3位藤田幸児選手、4位鷹巣義幸選手、5位小野田了選手、6位大川裕選手。
U70クラス優勝・山口選手の40周年おめでとうロードスター[NDERE]、2位志賀野選手のエナペICCロードスター[ND5RC]、3位藤田選手のEBRロードスターRF→BRZ[ZD8]。

[O70クラス]開業時から現役のレジェンドバトルは中村誠司選手が完全勝利

 恐らく、ほとんどの参加者がコース開業前からジムカーナに携わってきたであろう満70歳以上のオーバー70(O70)クラスは9名で争われた。茨城中央サーキットに対する思い入れも強いレジェンド級ドライバーによるバトルを制したのは、関東ジムカーナ会の重鎮であり、今なお現役ドライバーとして活躍する中村誠司選手だった。本番車のBRZを持ち込んだ第1ヒートは1分12秒台となる暫定トップタイムをマーク。第2ヒートも第1ヒートと約0.02秒しか変わらない精緻な走り(?)で、危なげなく優勝を決めた。

「茨中は、できたばかりのころから借り切って練習会をやってたよ。もちろんイベントにも出てたしね。その頃は“上段”しかなくて周囲はダートだった。当時のビデオもあるよ(笑)。ウチの岡野(博史選手)もそのころからやっていたはずでクルマはEP71だったね。オレはエーダブ(AW11)だったかな。そういや、岡野がオレのシルビアで土手に突っ込んで、オフィシャルが散って逃げていった、なんてこともあったな(笑)。それも20年くらい前のことだね」と当時を思い出しながら語った中村選手は、「今回の40周年イベントは絶対に参加したかったので、早目に申し込んだよ。年寄りほど思い入れが強いからね(笑)。自分はあと何年やれるかわからないけど、これからも頑張りますよ」と、笑顔で現役ドライバーとしての豊富を語ってくれた。

 なお、2016年に行われた30周年大会では、最年長のオーバー60クラスで中村誠司選手を抑えて優勝した”ダンディ”赤城康友選手は、今回も最年長クラスのオーバー70クラスに参加して連勝を狙っていた。しかし、第1ヒートの成績に納得がいかず、第2ヒートには禁じ手を発動して、徹底して勝負にこだわる姿勢を周囲に示した。ところが、そうまでして臨んだ第2ヒートでは、スタート直後にパイロンペナルティ、ゴール手前ではミスコースとバチが当たり、第1ヒートのタイムでクラス6位に終わった。ということで、参加車両名に記された「O80参加目標パサト→シビック」のとおり、赤城選手は次なる50周年大会での雪辱を誓うこととなった。

O70クラス表彰対象の皆さん。1位中村誠司選手、2位青木豊選手、3位小川幸雄選手、4位川島宗竹選手。
O70クラス優勝・中村選手のADVANリジットBRZ 6AT[ZD8]、2位青木選手のALPINE-A110S[DFM5P]、3位小川選手PBRお仕事用ミラバン[L275V]。

PHOTO/友田宏之[Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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