大阪湾に浮かぶ人工島で開催のジムカーナは、今回も炎天下で激戦を展開!
2021年8月17日
近畿の初中級者向けジムカーナとして知られる舞洲アイランドシリーズの今季第2戦が、7月23日に開催された。
舞洲スポーツアイランドシリーズ
Tjマイカージムカーナ第3戦
開催日: 2021年7月23日
開催場所: 舞洲スポーツアイランド(大阪市此花区)
主催: Tj
大阪北港の一角を占める人工島、舞洲(まいしま)。その島の西端に位置する舞洲スポーツアイランドでは、クルマの走行会等のイベントが行われているが、ジムカーナの競技会も、大阪のJAF加盟クラブである、ちーむ時間割(Tj)の手によって開催されており、近畿のスラローマー達の間では、すっかり定着したイベントになっている。
このシリーズの特徴は練習会と競技会が1日の中でセットになっていること。希望する参加者は午前中の公開練習から、午後の決勝と同じコースを走り込むことができる形になっており、講師役のドライバーにアドバイスをもらうこともできる。今回は全日本ジムカーナのトップスラローマーである小林キュウテン選手が講師を務めた。
また今年のシリーズは、あらかじめ用意された3つのコースの中からひとつのコースを競技会ごとに選択することがリリースされており、採用されるレイアウトも、競技会当日ではなく、事前にホームページで発表されることになっている。参加者はまず頭の中で考え抜いた攻略法を競技会当日午前の公開練習で実践した上で、自分なりに掴んだ最良の攻略法をもとに午後の競技会本番に臨む、という『二段構え』のチャレンジができるという仕組みだ。因みに今年の第1戦はコースAが採用されたが、今回はコースBで競技が行われた。
参加16台と今回最大の激戦区となったのは、1,500cc~2,499ccの車両が対象のC2クラス。新旧のロードスターが計8台、BRZが3台、S2000が2台とRWD車両が圧倒的多数の中で優勝を飾ったのは、FFのスイフトスポーツを駆った前川忠浩選手だった。その前川選手は第1ヒートで59秒229をマークしてトップに立ったが、第2ヒートでは0.2秒のタイムダウン。しかしこのクラスは、各選手、第2ヒートはタイムダウン傾向となり、59秒台にタイムを乗せたのは前川選手と、第1ヒートで2位だった翼もとひろ選手の2台のみ。翼選手も自らのタイムを更新できなかったため、第1ヒートのオーダーのままで終了となり、前川選手が逃げ切った。
三重在住ということで、中部や近畿のジムカーナに参加してきたという前川選手は、昨年、現在のZC32Sスイフトを購入。コロナ禍で競技会がなかなか開催されなかったため、じっくりとセッティングを詰める作業に専念したが、ある程度、乗りこなせるレベルに合わせられるようになったため、今年は実戦に参加を開始。この大会の5日前に行われたJMRC中部ジムカーナ北陸シリーズにも参戦した。「今日はスピードが乗る所とテクニカルな所が両方ある難しいコースでしたが、思い切り行ける所は行れたし、2本とも全体的に何とかまとめられました」と前川選手。このシリーズについては、「今回のようにタイミングが合えば、また出たいと思います」と語った。
輸入車が対象のImportクラスは全国的にもユニークなクラスだ。今回は7台の参加にとどまったが、3月の第1戦では12台がエントリーした。その第1戦は上位3台が0.2秒の間にひしめく大接戦となったが、今回も前回、三つ巴を演じた3台が接戦を展開した。
第1ヒートは前回3位のゴルフRを駆る友次章男選手がただ一人、1分1秒台に入れてトップに立つ。前回2位の松永隆一選手のシトロエンDS3が続き、前回優勝、ケイマンをドライブする段上泰之選手が3番手で折り返した。そして注目の第2ヒート。「力が入り過ぎてしまってアンダーステアを出してしまった」という友次選手は無念のタイムダウン。しかし後続の松永、段上の両選手はタイムアップするも1分1秒台に乗せることはできず、そのままのオーダーで競技は終了。友次選手が今季初優勝を遂げた。
「自分のクルマはDCTなのでサイドブレーキが引けないんですが、その分、立ち上がりの加速の良さでアドバンテージがあるので、このシリーズでも勝負できるんですよ。このクルマはサーキットを走っても楽しいので、色んな場所でゴルフの良さを確認していきたいと思います」と友次選手。今回もホットバトルを存分に楽しんだ様子だった。
フォト/谷内寿隆 レポート/JAFスポーツ編集部